親知らずと頭痛の関係性とは?頭が痛くなる原因や抜歯による治療の留意点
親知らずが生えてから、頭痛に悩まされるようになった方もいるのではないでしょうか。
頭痛は特定の刺激や精神的な要因、睡眠不足などによって起こりますが、親知らずが原因となるケースもあります。
そのため、頭痛の原因となっている親知らずを抜歯すると、頭痛を軽減できる可能性があります。
この記事では、親知らずと頭痛の関係性や原因について詳しく解説します。
親知らずによる頭痛とは
親知らずによる頭痛は、親知らずが原因で引き起こされる口内トラブルが起因している可能性があります。
親知らずは、他の歯よりも遅く生えてくるため、生えるスペースが狭い場合があります。
現代人は、食生活の変化によって顎が小さくなってきており、親知らずが生え揃っている人の方が珍しい傾向です。
生えるスペースが狭いと親知らずがまっすぐ生えず、斜めや横向きに生えるケースもあるため、虫歯や歯周病、歯肉炎などの口内トラブルに発展しやすいです。
そういった口内トラブルが悪化すると、頭痛が発生する場合があります。
頭痛が起こる仕組み
頭につながっている血管や神経が、圧迫や炎症による刺激を受けたり、頭や首付近の筋肉が動いたりすると頭痛が発生する場合があります。
親知らずによる頭痛の原因としては、親知らずが原因で発症した虫歯や歯周病、周辺の歯ぐきの炎症が刺激となって頭痛が起こるケースがあります。
また、噛み合わせのバランスの悪化によるケースも多いです。
このような原因を排除するためには、親知らずを抜歯する根本的な治療が必要になります。
親知らずで頭痛が起こる原因
親知らずによって起こる頭痛には、虫歯や歯周病、歯肉炎などさまざまな要因があります。
ここでは、親知らずで頭痛が起こる原因について詳しく解説します。
虫歯や歯周病
親知らずや他の歯が虫歯や歯周病になると、頭痛を引き起こす可能性があります。
親知らずは奥歯よりも奥に生えてくる歯ですが、親知らずが生えるスペースが狭いと、斜めや横向きに生えてしまい、食べかすや汚れが溜まりやすいです。
親知らず周辺が不衛生な状態が続くと細菌が繁殖し、歯を浸食していきます。
こうして虫歯や歯周病になってしまい、奥に位置しているため発症自体も気づきにくいです。
また、親知らずだけでなく隣の歯にも虫歯が広がるリスクも生じます。
虫歯が悪化して神経に到達すると、頭につながっている神経を刺激して頭痛が引き起こされます。
歯肉の炎症による副鼻腔炎
親知らず周辺の歯肉炎が悪化すると副鼻腔炎になるおそれがあり、頭痛を引き起こします。
歯肉炎が起こる原因は虫歯と同様で、汚れが溜まりやすい状態が続き、細菌が繁殖しやすい不衛生な状況によるものです。
細菌の繁殖によって歯ぐきの炎症が起こり、周辺の組織に広がっていくと副鼻腔炎になってしまい、酷い場合は口が開きにくくなるほど腫れる症状もみられます。
歯肉炎自体は口内を清潔に保つと予防・軽減に期待できます。
親知らずのケアが難しい場合は歯科医院に相談して、状況に応じて抜歯による治療が必要です。
噛み合わせの不具合
親知らずが生えて嚙み合わせのバランスが悪くなると、頭痛を引き起こすおそれがあります。
親知らずは最大で4本生えますが、全部生えてくるとは限りません。
親知らずが一部だけ生えると上下の歯が噛み合わず、顎周りの筋肉の緊張でも頭痛につながります。
また、親知らずが生えて他の歯を圧迫すると、歯並びが悪化する場合があります。
噛み合わせの不具合を予防するためにも、親知らずが生えてきた時点で歯科医院へ相談しましょう。
抜歯後の症状
親知らずの抜歯後にも頭痛や発熱の症状が起こる可能性があります。
親知らずの抜歯で頭痛が起こる原因は、抜歯後の傷口を治そうとする際の炎症反応によるものです。
抜歯する親知らずの位置や生え方によって、傷口の深さも変わってきます。
抜歯してから2〜3日は頭痛や発熱が続くケースもみられますが、処方された抗生剤や消炎剤、痛み止めを服用していれば、痛みの緩和に期待できます。
親知らずで頭痛が起こったときのセルフケア
親知らずが原因で頭痛が起こっても、セルフケアである程度の痛みの緩和が可能です。
ここでは、頭痛が起こったときのセルフケアについて詳しく解説します。
患部を冷やす
濡れタオルや氷を包んだタオルで患部を冷やすと、頭痛が和らぐ可能性があります。
ただし、進行が進んでいる虫歯は冷やすと症状が悪化するケースもあるため、慎重に判断する必要があります。
口内のケア
口内が不衛生な状態だと、頭痛の原因となりうる炎症が起こりやすいです。
歯磨きが難しい場合は、タフトブラシやフロスなどを用いて親知らず周辺の汚れをしっかりケアしておくと、頭痛の悪化の予防に期待できます。
ただし、炎症が酷い場合は痛みが増すおそれがあるため、アルコールを含まないうがい薬を用いて消毒すると口内を清潔に保てます。
痛み止めの服用
頭痛自体は、痛み止めの服用で痛みの緩和に期待できます。
基本的には、受診した歯科医院やかかりつけの病院で処方された痛み止めを服用するのが好ましいです。
ただし、緊急の場合は市販の痛み止めを使用する方法もあります。
歯科医院へ親知らずの相談をした際に、頭痛が伴っていることも伝えておくと安心です。
親知らずの抜歯で頭痛の原因を予防する
親知らずによって頭痛が引き起こされている場合、親知らずを抜歯するのが望ましいです。
ここでは、抜歯すべき親知らずの特徴と抜歯後のケアのポイントについて詳しく解説します。
抜歯すべき親知らずの特徴
親知らずが生えて口内トラブルが発生しているケースは、基本的に抜歯する必要があります。
抜歯すべき親知らずの特徴は以下の通りです。
- 虫歯を発症している
- 親知らず周辺の歯ぐきの痛みや腫れがある
- 斜めや横向きに生えている
- 膿が出ている
上記のような親知らずは口内トラブルを繰り返す傾向にあります。
親知らずが原因で虫歯や炎症が発生した場合、たとえ治ったとしても口内トラブルの原因である親知らずがある限り、再発する可能性が高いです。
抜歯するべきかどうか判断ができない場合は、歯科医院に相談をする必要があります。
抜歯後のケアのポイント
抜歯後は傷口をできるだけ早く治すために、適切なケアの実施が大切です。
抜歯後のケアのポイントは以下の通りです。
- 強くうがいをしない
- 傷口を触らない
- 血行を促進させる行為をしない
- 安静にする
抜歯後は基本的に安静にしておき、傷口への刺激は極力避けることが大切です。
うがいのしすぎや傷口への接触を頻繁にしていると、傷口に穴ができてしまいドライソケットを発症するおそれがあります。
ドライソケットを発症すると、傷口の治りが遅くなり、痛みが長期化してしまいます。
また、運動や喫煙、長時間の入浴などの血行を促進させる行為をすると、出血が増えて痛みが増加しやすいです。
抜歯後は、ドライソケットのリスクや痛みを軽減するために、適切なケアを行う必要があります。
抜歯後も頭痛が治まらない場合は専門の医療機関を受診する
抜歯後も頭痛が治まらない場合は、他に原因がある可能性があるため、専門の医療機関への受診が必要です。
頭痛が頻繁に繰り返される状態は片頭痛の疑いがあります。
また、脳に係る疾患や感染症によって頭痛が引き起こされているケースも考えられるため、CT検査やMRI検査などの精密検査を受ける場合もあります。
頭痛の原因を探るためにも、専門の医療機関で検査を受けることが大切です。
医療機関の受診が必要な頭痛の症状
ここでは、医療機関の受診が必要な頭痛の症状について詳しく解説します。
感じたことのない痛み
今まで感じたことのないような痛みを伴う頭痛は脳の病気の可能性があります。
代表的な病気としては、くも膜下出血や脳出血があげられます。
激しい痛みと併せて、意識力の低下や言葉が出なくなるなどの症状が伴う場合はすぐに医療機関へ連絡してください。
痛みが徐々に強くなってくる
突然痛みが発生して徐々に痛みが強くなるような症状でも、脳出血の可能性があります。
脳の中にある細い血管から出血している状態で、言葉が出なくなったり手足が痺れたりする症状もみられます。
高血圧や高コレステロール血症などの生活習慣病を抱えていると、発症のリスクが高まるため、定期健診と適切なケアが必要です。
吐き気や嘔吐を伴う
吐き気や嘔吐を伴う頭痛は片頭痛のケースが多いですが、脳腫瘍によるケースもあります。
脳腫瘍が発生し大きくなると頭蓋骨内の圧力が高まり、頭痛や吐き気、嘔吐などを引き起こします。
このような吐き気や嘔吐の症状は、吐いてしまうと治まる場合もあるため、脳腫瘍に気づかないケースも多いです。
高熱や発疹を伴う
高熱や発疹を伴う頭痛は、細菌やウイルスによる感染症の可能性があります。
感染症の場合は病院を受診し、原因の特定や薬の処方によって早期治療に期待できます。
頭痛に併せて高熱や発疹の症状がある場合は、早めの受診が大切です。
まとめ
頭痛が親知らずによって引き起こされる原因には、虫歯や歯周病、歯肉炎による副鼻腔炎などさまざまな要因があげられます。
親知らずが原因で起こった頭痛を和らげるには、患部の冷却や口内のケア、痛み止めの服用で、ある程度の痛みの緩和に期待できます。
親知らずによる頭痛を根本的に解決するには、親知らずの抜歯を行い、親知らずによる口内トラブルの原因を断ち切ることが大切です。
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親知らずが原因と思われる頭痛に悩んでいる方は、ぜひお気軽にご相談ください。