歯医者の定期検診は受けるべき?重要性やメリット・効果的な頻度を解説

歯医者 定期検診

近年は予防歯科への意識が高まり、国の方針としても歯医者の定期検診の義務化が検討されています。

しかし、「虫歯も歯周病もないのになぜ歯科医院に行くの?」「定期検診は意味がないのでは?」など、定期検診を受けることに疑問を感じている方も少なくないようです。

この記事では、歯医者で定期検診を受ける重要性やメリットについて解説していきます。

歯医者の定期検診を検討している、定期検診の重要性を知りたいとお考えの方はぜひ最後までご覧ください。

歯医者の定期検診は受けるべき?

歯医者 定期検診

生涯にわたって健康な口内環境・歯を維持するためには歯医者の定期検診は欠かせません。

口腔内の環境は人によってさまざまであり、特徴なども大きく異なります。

細菌が発生しやすい人もいれば、そうでない人もいるため定期的に検診を受けることで異常を見つけやすくなります。

また、口腔内のトラブルには痛みを感じるものも、そうでないものもあります。

例えば歯周病は進行すれば歯が抜け落ちてしまうこともある恐ろしい病気ですが、初期の時点では自覚症状がほぼなく「サイレントキラー」とも呼ばれるほどです。

痛みがないからと放置していると重症化し、最悪の場合、歯を失うことにもなります。

現在はインプラントや入れ歯といった優れた補綴治療(失った歯を補う治療)がありますが、それでも天然の歯に勝るものはありません。

口腔内の環境を維持し、健康な歯を守るためにも歯医者の定期検診を受けるようにしましょう。

歯医者の定期検診を受ける5つのメリット

歯医者 定期検診

歯医者の定期検診を受けるメリットは大きく5つあります。

  1. 歯のトラブルの早期発見が可能
  2. 歯のトラブル発生のリスクを抑えられる
  3. 治療経過観察・状態維持ができる
  4. 効果的なケアの方法を知れる
  5. 生涯の医療費を抑えられる

1つずつ順番に解説していきます。

①歯のトラブルの早期発見が可能

歯医者で定期検診を受ける大きなメリットが、虫歯や歯周病などのトラブルの早期発見です。

虫歯や歯周病などの口腔内のトラブルは、初期の段階では痛みがなく気づきにくい場合も多いです。

進行し痛みが起こってからの治療では歯を削る量が多くなり、治るまでに通院が必要になることもあります。

発見が遅くなると、最悪の場合歯を抜かざるを得なくなる場合もあるため注意が必要です。

歯医者で定期検診を受けることで、本人も気がつけない歯や歯ぐきの異常を早期発見でき、リスクを大幅に低減できます。

また、虫歯や歯周病が生じていた場合も早期発見すれば簡易な治療で済んだり、治療そのものが短期間で完了したりします。

②歯のトラブル発生のリスクを抑えられる

歯医者で定期検診を受けると、歯や歯ぐきの状態のチェックだけでなくクリーニングもセットで受けられます。

自宅でのしっかりとしたブラッシングはもちろん重要ですが、自宅のケアでは限界があります。

歯垢から歯石へ変化する期間は2~3日程度とされており、磨き残しが歯石になってしまっていることも少なくありません。

歯垢であればやわらかいためブラッシングで除去できますが、硬い歯石になると歯磨きで除去ができなくなります。

歯医者で定期検診を受け、歯垢・歯石をしっかりと除去し細菌が繁殖しづらい口内環境を維持しましょう。

③治療経過観察・状態維持ができる

虫歯や歯周病の治療では、削った部分に詰め物や被せ物をしますが、治療した歯は天然の歯よりも虫歯になりやすくなります。(二次虫歯)

詰め物・被せ物の材質によっては劣化したり、歯との隙間が生じたりして、細菌が入り込んでしまうためです。

これらは患者さん自身で気づくことが難しいため、定期検診によって治療経過を観察し、口腔内を健康な状態に維持する必要があります。

また、定期的に歯医者で検診やクリーニングを受けていれば、二次虫歯の予防にもつながります。

④効果的なケアの方法を知れる

健康的な口内環境、歯の状態を維持するためには日々のケアは非常に重要です。

歯医者での定期検診では自身のブラッシングのチェックや、効果的なブラッシングの方法、道具の使い方のレクチャーが受けられます。

ブラッシングの方法は口腔内の環境によって変化するため、効果的なブラッシングの方法は変化するといわれています。

歯医者での定期検診で専門家によるチェックを受け、その時の状況に適したブラッシングの方法を知り口腔内の健康状態を維持しましょう。

⑤生涯の医療費を抑えられる

歯医者での定期検診は、予防歯科の一種です。

予防歯科とは、虫歯や歯周病などのトラブルが生じてからの治療ではなく、なる前の予防に焦点を置いた考え方です。

予防歯科に力を入れることで、歯科治療が必要なトラブルの発生を抑制し、結果として生涯にわたって歯科治療で必要となるであろう医療費を抑制できます。

また、歯の健康は全身状態にも影響を及ぼすため、予防歯科によって歯の健康を維持できれば生涯の医療費全体の抑制にもつながるでしょう。

歯医者の定期検診の内容

歯医者 定期検診

歯医者での定期検診はどのような流れで進んでいくのか気になる方も少なくないでしょう。

この章では、歯医者の定期検診の内容について解説します。

大まかな流れとしては以下の通りです。

  1. 問診
  2. 口腔内のチェック
  3. 歯磨きの指導
  4. 口腔内のケア
  5. フッ素を塗る

①問診

まずは問診によって気になるところがないかどうかの確認をします。

確認する大まかな内容は以下の通りです。

  • 喫煙の有無
  • 全身疾患(糖尿病など)の有無
  • 薬剤の服用の有無と種類
  • 妊娠の有無
  • 歯磨きの習慣
  • 生活習慣

これらの確認事項は、虫歯や歯周病に与えるリスクの度合いを知るためのものです。薬剤によっては副作用の存在もあるため、忘れずチェック・申告するようにしましょう。

②口腔内のチェック

口腔内の状況をチェックし、磨き残しや虫歯の有無、歯ぐきの状態などを確認します。

具体的にチェックするポイントの代表例は以下の通りです。

  • 奥歯や歯と歯の間など見えにくい部分の虫歯の有無
  • 歯ぐきに炎症や出血が生じていないか
  • 磨き方のクセ、歯のどの部分に磨き残しが多いか

お口の隅々までしっかりチェックし、具体的な問題点などを洗い出して、治療の必要はあるか、今後のケアの注意点などを確認します。

③歯磨きの指導

口腔内のチェックを行った結果を基に、具体的なブラッシング方法についての指導を受けます。

しっかりと磨いているつもりでも、歯ブラシの当て方にはクセが出てしまいます。

そうなると自然と歯ブラシが当たりにくい部分ができてしまい磨き残しのリスクはぬぐいきれません。

自分ではなかなか気がつくことのできない磨き方のクセをプロにチェックしてもらい、具体的な指導を受けることで毎日のブラッシング効果の向上が可能です。

またブラッシングに加えて、患者さんそれぞれに適した清掃補助用具(デンタルフロスや歯間ブラシなど)の提案・レクチャーなども受けられます。

④口腔内のケア

口腔内に残存しているプラーク(磨き残しなど)や、歯ブラシでは取り除けない歯石や着色汚れをケアします。

ケアをする際には、超音波スケーラーなどの専用機器やブラシなどを使用します。

専用器具の使用により、歯の隅々だけでなく歯ぐきも含んだ口腔内全体の汚れを取り除くことが可能です。

⑤フッ素を塗る

虫歯予防・対策としてフッ素を見かける機会は多く、知っている方も多いでしょう。

フッ素は虫歯予防に効果的と学術的にも認められており、歯医者でも積極的に使用されています。

歯医者専用に開発されているフッ素ジェルは、市販のフッ素配合入りの製品よりもフッ素の配合濃度が高く、その分効果も出やすいです。

3か月に1回程度を目安に歯医者でフッ素を塗ってもらいつつ、自宅で毎日フッ素入りの歯磨き粉を使ってブラッシングすると効果的です。

歯医者の定期検診の値段相場

歯医者 定期検診

歯医者での定期検診は保険診療の適用範囲内となるため、3割負担の方であれば1回につき3,000円程度です。

1年に3~4回、歯医者で定期検診を受けたとしても年間で1万円前後の計算です。

年間にかかる費用として考えると少し高く感じるかもしれませんが、定期検診を受けず虫歯や歯周病になると治療費はそれ以上かかることになります。

歯の定期検診は年に1回で大丈夫?

歯医者 定期検診

歯医者での定期検診を受ける理想的なペースは3ヶ月に1回ほど、年間で3~4回程度とされています。

理由としては、口腔内の細菌の数が元に戻る期間が3か月前後とされているためです。

定期検診でクリーニングを受け、口腔内の細菌の数を減少させても、ずっとその状態を維持し続けることは簡単ではありません。

自宅でしっかりとブラッシングを実施しても磨き残しは生じますし、日々の生活で疲れがたまり自己免疫力が下がるなどリスクはいろいろあります。

ただし、3ヶ月に1回というのはあくまで目安です。

口腔内の状態やライフスタイル(喫煙や全身疾患、口腔ケア不足など)によっては、定期検診の頻度を上げた方が良いこともあるため、一度歯科医師に相談してみるといいでしょう。

大人になっても歯医者の定期検診は重要です

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乳歯から永久歯に生え変わるお子さんや、歯並びが気になるため子どものうちは歯医者の定期検診に通う場合は多いでしょう。

しかし、歯医者で受ける定期検診は年齢に関係なく、生涯にわたって継続すべきものです。

大人になると仕事などで時間の確保が難しくなり定期検診を受けなくなる方も多いですが、生涯にわたって健康的な口内環境を維持し、自分自身の歯で生活を続けるためにも、大人こそ歯医者での定期検診を受けましょう。

まとめ

予防歯科に対する注目度が高まり、歯医者での定期検診の重要性が見直されつつあります。

国の方針として、歯医者の定期検診の義務化が始まるかもしれないともいわれています。

歯は口腔内だけでなく、全身の健康状態にまで影響を及ぼすものです。しかし、歯の健康を保つためにはセルフケアだけではどうしても限界があります。

歯医者での定期検診を受け、事前に対策することでトラブルを予防でき、結果として生涯にかかる医療費の抑制も可能です。

予防歯科に力を入れている千歳烏山やの歯科では、専門的な知見と豊富な経験でお口の健康を守るサポートをしています。

定期検診はもちろん、虫歯細菌検査や歯周病細菌検査といった検査や、エアフローやPMTCによるクリーニングも行っています。ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

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