予防歯科と歯科検診の違いは？いい歯科医院の選び方を詳しく紹介
近年、予防歯科という言葉を耳にする機会が増えてきました。
痛くなってから歯医者に行くのではなく、痛くなる前に、痛くならないために歯医者に行くというのが歯科医療の新しい常識です。
この記事では、予防歯科と歯科検診の違いを紹介します。予防歯科に興味のある方や、自身の歯を長く残したいと思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
予防歯科と歯科検診の違い
予防歯科と歯科検診は、似たようなものであると思われるかもしれませんが、実際には少し異なるものです。
予防歯科は、歯や歯肉の健康を維持するために行われる予防的な歯科治療や指導全般のことを指します。
具体的には歯磨きや歯のクリーニング、フッ素塗布などによって虫歯や歯周病などお口の問題を未然に防ぐことを目的としています。
一方の歯科検診は、歯科医師によって行われる歯や口腔の疾患の早期発見や治療を目的とした健診のことです。
歯や歯茎、口腔粘膜の異常や病変を発見し、早期に治療することで、より重篤な症状や合併症の発生を予防することができます。
定期的に歯科検診を受けることで早期発見・早期治療につながり、重症化を防ぐことができるのです。
簡単に言えば、予防歯科は予防的なケアを行い、歯科検診は疾患の早期発見を目的とした健診であるということです。
どちらも歯や口腔の健康を維持するために非常に重要な役割を果たしています。
予防歯科とは
予防歯科は、医療法で定められた診療科の名前ではなく、健康的な歯や歯茎を維持するための総合的な取り組みを指しています。
虫歯や歯周病は初期段階では症状が出ないため気付きにくく、自覚症状が現れた時にはすでに進行していることが多いため、予防歯科の取り組みは非常に重要です。
自身でできるセルフケア（ホームケア）と、医師によるプロフェッショナルケアとを組み合わせることで、歯や歯茎の健康を維持し、将来的な歯科治療の回数や費用を抑えることができます。
- ホームケア：歯磨き、デンタルフロス、歯間ブラシ、食生活の改善など
- プロフェッショナルケア：歯のクリーニング、フッ素塗布、歯磨き指導など
痛みや違和感などの症状の有無に関わらず、定期的に通院してこれらを行います。
歯科医師が患者に適切なアドバイスを行い、患者自身が適切な歯磨きや口腔内のケアを行うことで、歯の健康を維持することができるようサポートしていくのです。
予防歯科での診療内容
ここでは、予防歯科で診察を受ける際の一般的な治療や処置をご説明します。
口腔内の検査
歯科医師が患者の口腔内を検査し、レントゲン撮影を行う場合もあります。定期的な口腔内の検査は、歯の健康維持の基本であり、とても重要な役割を果たします。
歯のクリーニング
歯のクリーニングを行い歯垢や歯石を除去することで、歯周病の予防につながります。歯科医師や歯科衛生士が、専用の器具を使って歯の溝や、歯と歯茎の間をクリーニングします。
治療
すでに虫歯や歯周病があれば一般歯科と同様に治療を行います。
フッ素塗布・シーラント
フッ素は歯の表面を強くして虫歯を防ぐために使われます。予防歯科では、歯科医師がフッ素を塗布して、歯の表面を保護することがあります。
シーラントはプラスチック樹脂の一種で歯の溝を埋めることによって子どもの奥歯の虫歯を予防する方法です。
歯磨き指導・食生活指導
予防歯科の最も基本的な取り組みとして、歯磨き指導があります。
歯磨きの正しい方法や歯ブラシの選び方などを指導し、患者が自分自身で歯磨きを行えるようにすることが目的です。
また食事の内容やおやつのタイミングなど、食生活を改善することも歯の健康を維持するために必要なことです。
歯科検診とは
歯科検診では、歯科医師が口腔内を検査して、歯や歯茎の健康状態を調べます。
一般的に虫歯や歯周病、口内炎、口腔がんなどの疾患を早期に発見し、治療の開始を早めることが目的とされています。
歯科検診では、歯科医師が口腔内を視覚的に検査するだけでなく、歯のクリーニングやレントゲン撮影などの検査を行うこともあります。
また、歯の噛み合わせや口腔内の硬組織と軟組織のバランスなど、口腔機能の評価も行われます。
歯科検診を受けることによって、早期発見・早期治療が可能となり、歯の健康維持につながることから、定期的に受けることが推奨されています。
歯科検診での診療内容
歯科検診を受ける際の一般的な流れは以下のようなものです。ただし、歯科医院によっては、一部異なる場合もあります。
予約をする
歯科検診を受けるためには、事前に歯科医院に予約をする必要があります。予約は電話やインターネットなどで行うことができます。
受付での手続き
歯科医院に到着したら、受付での手続きをしましょう。保険証や予約確認書、病歴やアレルギーの有無などの情報を提供する必要があります。
口腔内の検査
歯科医師が口腔内を検査します。虫歯や歯周病、口内炎、口腔がんなどの疾患や、噛み合わせに異常などがないか探します。口腔内の写真を撮影するために、レントゲン撮影を行うこともあります。
歯のクリーニング
歯科医師や歯科衛生士が、歯垢や歯石を取り除く歯のクリーニングを行う場合があります。
検査結果の説明と治療方針の提案
歯科医師が、検査結果や口腔内の健康状態について説明し、必要に応じて治療方針を提案します。治療についての費用や期間などについても説明があります。
次回の予約
次回の歯科検診の予約をします。定期検診はお口の異常の早期発見、早期治療につながります。健康的な歯の維持のためにも、定期的な受診が推奨されています。
日本と欧米の予防歯科の違い
歯科先進国と呼ばれるスウェーデンやアメリカなどの国々では、歯やお口の健康維持についての意識が高く、子供から大人まで虫歯を予防することが習慣となっています。
しかし欧米と比べ、日本は予防歯科が定着しておらず、定期的なメンテナンスを受ける人の割合も低いのが現状です。
80歳の人が平均で何本歯を残しているかという調査では、スウェーデンでは20本、アメリカでは17本なのに対し、日本では平均して8本程度しか歯が残っておらず、多くの人が入れ歯を使用しているという結果が出ています。
80歳になっても自分の歯を多く残すためには、日頃から定期的なメンテナンスを受けることが大切です。
例えばスウェーデンでは、出産前から子供の口腔ケアなどについて、歯科医師から十分な指導を受けることができます。
さらに、歯が生え始める時期の早い段階から定期的検診が義務付けられているため、小さな頃から予防が当たり前という環境があります。
このような環境のため、ほとんどの場合で「治療」として歯を削ったりする必要がなく、痛みを伴うこともほとんどありません。
その結果、欧米では歯医者さんに対して苦手意識が薄くなるのでしょう。
予防歯科のメリット
予防歯科に通院することで得られるメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
口腔内のトラブルを未然に防ぐことができる
予防歯科に通院することで、歯科医師による定期検診やクリーニング、フッ素塗布を受けられます。
これにより、歯垢や歯石などを取り除き、歯の表面を保護することができます。また、適切な歯磨きの方法を学ぶことで、虫歯や歯周病を予防することもできるようになります。
早期発見、早期治療につながる
虫歯や歯周病の初期段階では、症状がほとんどなく自分で気づきにくいことがあります。
しかし、定期的に検診を受けることで、歯科医師による専門的な診断により、これらを早期に発見、早期治療することができます。
自分の歯を長く残せる
適切な予防方法を学ぶことで虫歯を未然に防ぎ、歯周病のリスクを下げ、自分の歯を長く健康的に保つことができます。
認知症のリスクを減らせる
最近の研究では、虫歯や歯周病が認知症のリスクを高めることが明らかになっています。
予防歯科に通院することで、虫歯や歯周病を予防することができ、認知症のリスクを減らすことができます。
歯だけでなく全身の病気を予防できる
歯周病菌や虫歯菌が口内に繁殖すると、口腔内に炎症が起こりますが、この炎症は全身に悪影響を与えることがあります。
例えば、心臓病や糖尿病、呼吸器疾患など、口内環境の健康状態が原因で発症することがあるのです。
予防歯科に通院することで、口内環境を健康的に保ち、全身の病気の予防につなげることができます。
健康寿命を延ばせる
歯周病や虫歯が進行すると、歯が抜け落ちるなどの重度の歯のトラブルが起こります。
そして歯が失われると、食べることや話すことにも支障をきたすため、日常生活に大きな影響が出てきてしまいます。
予防歯科に通院することで、虫歯や歯周病を未然に防ぎ、自分の歯を健康的に保って健康寿命を延ばすことができるのです。
医療費の負担を軽減できる
虫歯や歯周病などのお口のトラブルは、放置すると治療費が高くなるだけでなく、治療完了までに時間もかかってしまいます。
しかし、予防歯科に通院することで歯のトラブルを未然に防ぐことができるため、将来的に医療費の負担を軽減することができるのです。
また、予防歯科は健康保険の適用範囲内で受けることができますので、経済的負担も軽くなります。
良い歯科医院の選び方
ここでは、予防歯科に力を入れている医院を選ぶためにチェックするべき点を紹介します。
予防歯科についての取り組みやコンセプトを確認する
医院のホームページやパンフレットなどから、予防歯科に対する考え方や実際の取り組みを確認することができます。
また、問い合わせやカウンセリングの際に、医院のスタッフに直接質問することも重要です。
予防歯科担当の歯科衛生士がいる
予防歯科に特化した歯科衛生士が常駐しているかどうかを確認することが重要です。
歯科衛生士は、定期検診やクリーニング、フッ素塗布などの予防処置を行うことで、虫歯や歯周病の発生を予防する役割を担っています。
診療に十分な時間を取っている
予防歯科に力を入れている医院は、患者一人ひとりに十分な診療時間を割いていることが多いようです。
また、医師やスタッフの質も重要なポイントです。口コミや評価サイトなどを活用して、医師やスタッフの対応や技術について確認することもできます。
自由診療について十分な説明をしてくれる
自由診療には、保険診療に含まれない治療やサービスが含まれます。
患者が自由診療を受けるかどうかを決定する前に、どの治療が必要であり、その治療のリスクと利益は何であるかを理解する必要がありますので、自由診療について納得するまで説明をしてくれることはとても大切です。
最新の機器が導入されている
予防歯科に注力している医院では、最新の機器や設備を導入していることも多いようです。
例えば、拡大鏡や口腔内カメラ、LED光線を使った虫歯検査器などがあります。
最新の機器や設備を導入している医院は、より正確な診断や治療が期待できるため、医院を選ぶ際には参考になります。
まとめ
以上のことから、予防歯科はお口のトラブルを未然に防ぐのが目的、そして虫歯や歯周病の有無を調べるのが歯科検診ということがわかりました。
歯の治療が苦手な人ほど歯科医院を遠ざけるのではなく、定期的に歯科検診を受け、重症化を防ぐことが大切です。
歯のクリーニングやフッ素塗布、歯磨き指導まで受けたいという人には、予防歯科を受診することをおすすめします。
虫歯も歯周病も生活習慣病の1つと捉え、この機会に歯科検診を受けてみてはいかがでしょうか。
「千歳烏山やの歯科」では、歯を長期的に健康に保つために、患者とのコミュニケーションと丁寧な説明を重視した診療を行っています。
定期検診や正しい予防法をアドバイスしますので、積極的に予防歯科に取り組みたいと考えている方にもおすすめです。
予防歯科に興味がある方や、自分の歯を長く健康に保ちたいと考えている方は、ぜひ「千歳烏山やの歯科」までお問い合わせください。