虫歯菌ってなに?虫歯感染の疑問と原因と対策とは

虫歯菌

『虫歯は虫歯菌からうつる』『赤ちゃんには虫歯菌がいない』などと聞くと、どういう状況で虫歯菌に侵されるのか疑問に思うことはありませんか?

虫歯菌は唾液を介して感染するため、飲み物や食べ物・食器の共有などからも移ることがあります。

この記事では、できた虫歯は移るのか、虫歯菌とはどこからやってくるのか、虫歯ができてから進行状態まで詳しくご紹介します。

歯の健康を守りたい方、子どもに虫歯菌を移したくないと考えている方は、ぜひご覧ください。

虫歯は移る?虫歯感染症とは

虫歯菌

口腔内の疾患として良く知られていて、身近な病気である虫歯ですが、実際どのように虫歯になるのか、どのような菌が原因なのかなど、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

虫歯は移るのか移らないのかも定かではなかったり、少し痛いくらいでは緊急性をもって受診しなかったり、案外後回しにしがちな虫歯について詳しくご紹介します。

虫歯とは?

虫歯は、口腔内にあるミュータンス菌などが糖分をエネルギー源として酸を作り出すことで、歯を溶かしてしまう病気です。

虫歯の原因菌であるミュータンス菌などは、歯に付着しプラークと呼ばれる歯垢を作ります。

歯に付着した歯垢は表面をネバネバさせ、毎食後に歯磨きをしないと虫歯を発生させる原因になります。

歯垢は食後約4時間から8時間の間に作られ、その中には1gあたり1000億個以上の細菌が存在していると言われています。

細菌の1つであるミュータンス菌が食べ物の糖分をエネルギーにして酸を作り、歯のエナメル質やカルシウム、リンを溶かし穴があいてしまうのが虫歯です。

虫歯は進行度合いによってCOからC4までに分かれていますが、初期の虫歯と呼ばれるCOの段階なら、適切なケアによって修復が可能です。

虫歯は感染症?

虫歯は細菌による感染症です。

無菌状態で生まれてくる赤ちゃんの口腔内には虫歯菌はいませんが、成長するとともに感染してしまいます。

これは、主に親から虫歯菌である細菌が感染したことが原因だとも言われています。

虫歯菌であるミュータンス菌などは唾液にいるため、唾液を介して感染するものです。

つまり、無菌状態で生まれた赤ちゃんも同じ箸や食器で食事をしたり、食べ物を口移しで上げたりすると簡単に感染するため、ほとんどの人が虫歯菌を保有しています。

しかし、細菌を保有しているだけでは虫歯になりません。

虫歯は、食べ物の糖分や歯垢によって作られるため食後の歯磨きや定期的な歯科検診が重要となります。

そもそも口腔内を滅菌状態で保つことは不可能ですが、虫歯菌を減少させたり虫歯にならない習慣を作ったりするだけでも十分な効果があります。

これらを把握しておくと必要以上に虫歯菌を怖がらず対処することができるでしょう。

虫歯菌はなくせるの?虫歯リスクと原因とは

虫歯菌

虫歯菌が感染によるものだということまではわかりましたが、その感染した虫歯菌は除去できるのか、または減少させることは可能なのでしょうか?

虫歯の原因と、虫歯になりやすい特徴をもつ虫歯リスクについて詳しくご紹介します。

感染したあとの虫歯菌は除去・減少できる?

無菌状態で生まれてくる赤ちゃんでも、成長するにつれて虫歯菌に感染することがわかっていますが、この虫歯菌を除去する方法は確立されていません。

口腔内にはさまざまな菌が存在していてピンポイントに虫歯菌にのみアプローチできる方法がないこと、虫歯菌は歯に穴を空けるほどの強い酸を発生させることから安易に殺菌できないことが理由です。

しかし、完全に除去できない虫歯菌でも、日々のお手入れやコツ次第で虫歯菌の減少は期待できます。

虫歯の原因

以下は、虫歯の原因の一覧です。

  • 虫歯菌であるミュータンス菌とラクトバチルス菌
  • 歯垢
  • 歯の傷やひび割れ
  • 歯のかぶせ物やつめ物
  • 食生活 など

虫歯菌には大きくミュータンス菌とラクトバチルス菌があり、繁殖や感染によって虫歯になりやすいですが、虫歯の原因は1つではなく感染した細菌のみでは虫歯にはなりません。

歯にひび割れなどの傷があったり、つめ物やかぶせ物のほんの少しの隙間から虫歯菌や食べかすが入り込み虫歯の原因をつくるので注意が必要です。

そして、虫歯には糖が大敵です。

歯垢の中の虫歯菌は食事での糖分や炭水化物を利用し酸を作り出します。

この酸が口腔内を酸性にさせることで、歯のカルシウムなどが溶け出し虫歯となるため、食事の偏りと食後のお手入れが虫歯になる確率を左右するのです。

口腔内が酸性に傾く時間を短くするため、ゆっくり長時間食べる習慣のある方は決まった時間や食事回数を決めることがおすすめです。

虫歯リスクが高い人とは

以下のような方は、虫歯リスクが高いとされます。

  • 間食や甘いものを多く食べている
  • 歯並び
  • 口腔ケア不足
  • 口呼吸が多い
  • 遺伝
  • 免疫不全 など

虫歯リスクが高いと、虫歯の原因をダイレクトに受け取り虫歯になりやすくなります。

歯の抵抗力が弱いと虫歯菌に抵抗できないため虫歯リスクは高くなります。また、歯の性質からエナメル質減形成やエナメル質形成不全といわれるものがあります。

エナメル質が無い、または少ない状態や抵抗力が弱い場合両方とも、虫歯に対して抵抗できず虫歯になりやすい体質ともいえます。

また、免疫不全症の方も虫歯になりやすいことがわかっています。この場合遺伝的要因や病気が原因の体質なので、こまめな歯科検診がおすすめです。

さらに、食べ物に含まれている糖分で虫歯菌は繁殖します。

この虫歯の原因を取り除くためは、毎食後の歯磨きや歯垢・歯石の除去ができる定期的なクリーニングを受けていない方は虫歯リスクが高くなります。

虫歯菌と唾液には大きな関係があります。殺菌効果・自浄作用がある唾液が減少することで、口腔内は虫歯になりやすい環境となるので注意が必要です。

唾液は就寝時にかけて減少する傾向にあるため、このタイミングで食事をすることは虫歯リスクが高くなます。

虫歯になりにくい状態を保つために、歯のお手入れと食事のタイミングに気をつけましょう。

虫歯にならないための習慣

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虫歯の原因は日々の生活に潜んでいます。痛みがあると生活に支障もきたし食事も楽しくありません。ここからは、虫歯にならないためにできる習慣やポイントを紹介します。

自宅でできる習慣

口腔内に食べ物や食べかすがない状態を長くするため、食事や間食のタイミングを決め、短時間で食べることがポイントです。

食事のたびに歯磨きをする習慣と、歯磨きの際のデンタルフロスや歯間ブラシの併用もおすすめです。

食事をしながら遊んでしまったり、おやつの回数が多くなる小さいお子さまは、虫歯になりやすい環境が長くなるため特に注意が必要です。

就寝時は唾液が減少し虫歯になりやすいため、就寝前の歯磨きは必ず念入りに行いましょう。

さらに子供は就寝中に口が開きやすく口呼吸になっていることも多いため、お昼寝の際にも就寝目同様に念入りに歯磨きを行いましょう。

予防歯科治療

虫歯予防として効果的なのが、定期的な歯科医院の受診です。

エアフロー・歯の表面を削らずないのでダメージが少ない歯のクリーニング方法・高速水流と粉末状のクリーナーで歯の表面と溝のお手入れを実施
PMTC・歯垢や歯石以外にも機械的に歯の表面の細菌を取り除くことができるプロフェッショナルなクリーニング法

これらの予防歯科メニューを定期的に行うことで、口腔内を清潔に保つことができます。

歯磨きだけでは足りないお手入れを定期的に行うことで、虫歯リスクは大幅に下げられます。

また、歯科医院では虫歯細菌検査も行っているため、口腔内の現状を知るためや、虫歯予防に対してのモチベーションや意識付けのためにも検査を受けることもおすすめです。

歯科医院では正しいブラッシング指導や食習慣のアドバイスなどのメニューもあるため、上手に活用しましょう。

タイミングが取れない!忙しいときは

時間が不規則で食事や歯磨きの時間を確保することが難しい日の最終手段には、うがいとキシリトールガムがおすすめです。

キシリトール配合のガムは自然の甘味料で口腔内で酸をつくらない特徴があります。ガムは、噛むことで唾液の分泌が増し、酸を中和させる働きがあります。

また、虫歯菌の原因となるミュータンス菌が作り出す酸を中和させたり、食べかすを取り除く効果も期待できます。

お手洗いの際に軽く口をゆすいだり、うがいをしたりすることも口腔内を簡単に清潔にする方法の一つです。

虫歯にはレベルがある!進行するとどうなる?

虫歯菌

虫歯の段階

虫歯には進行段階があります。穴が開く前の初期の虫歯は治すことが可能で、自然治癒も少なくありません。

しかし痛みはなくても進行している虫歯は治療をしないと進行を止めることができません。

痛みがないと歯科受診をしない方が多いですが、痛みがある段階で虫歯の進行状態は5段階中3~4番目でかなり進行している状態ともいえます。

痛みがない状態での上記発見が歯の治療には最適です。自覚症状がない状態での発見のためには定期健診が必要不可欠でしょう。

進行した虫歯が引き起こす病気

神経にまで達し、歯も溶けるとこれ以上悪化することがなさそうに思える虫歯でも実はこの先の進行もあります。

この状態を放置しておくと「歯性感染症」という、歯が原因で引き起こされる病気に繋がります。これは細菌が異常繁殖し、顎の骨膜や骨髄などに炎症が広がる疾患です。

虫歯になった歯で繁殖をした虫歯菌が血管に入る「菌血症」という疾患は、全身のさまざまな部分に炎症を引き起こします。

その中でも心臓の便に細菌が感染する「感染心内膜炎」や菌血症が悪化すると「敗血症」にまで移行する恐れもあるので、虫歯は侮ってはいけない歯の病気です。

まとめ

虫歯菌は食事の食べ回しや飛沫を介して感染しますが、そもそも口腔内を無菌状態を保つのは難しいものです。

しかし、細菌だけで虫歯は発症せず、虫歯の原因やリスクがありながらも虫歯にならないための対策もあります。

美味しい食事を痛みなく楽しむためにも、虫歯菌からさまざまな疾患を引き起こさないためにも、虫歯対策と歯科医院での定期的な予防歯科治療をおすすめします。

千歳烏山やの歯科での虫歯治療は、なるべく削らない・抜かないを心掛けており、痛みの少ない治療を提供しております。

肉眼では見落としがちな虫歯の初期症状も、拡大鏡を駆使した繊細な治療で早期治療を行うことができます。是非ご相談ください。

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