小児歯科での定期検診について|重要性や費用・検診内容など詳しく解説

小児歯科 定期検診

乳歯は永久歯に比べて虫歯になるリスクが高いため、一見問題なさそうに見えても歯科医院での定期健診をしっかり受ける必要があります。

万が一、口腔トラブルが起こっていた場合であっても、検診を受けることが早期発見につながり、治療の負担を和らげることができます。

そこで、今回の記事では小児歯科での定期検診について、その重要性や検診内容、費用に注目しながら解説していきます。

小児歯科で行われる定期健診について、内容や費用を知りたい方はぜひご覧ください。

小児歯科で定期検診を受ける重要性

小児歯科 定期検診

はじめに、小児歯科で定期検診を受ける重要性について解説します。

乳歯の虫歯リスクについて

乳歯は永久歯と比べて、虫歯になるリスクが非常に高いです。

その理由は乳歯の脆さにあります。歯は生えてくるまでの間に、血中のカルシウムといったミネラル分を元に形成されます。

そして歯が生えた後には、唾液中のミネラル分を吸収し、少しずつ虫歯菌からの侵食に耐えられる硬さへと成長します。

しかし、乳歯は永久歯へと生え変わるものであるため、唾液中からミネラル分を吸収する期間が短く、虫歯菌が産生する酸に対する抵抗力は弱いことで、虫歯リスクが高まりやすくなります。

虫歯の乳歯が永久歯の虫歯リスクを高める

「結局は永久歯へと生え変わるのだから、乳歯の虫歯なんて気にしなくてもいいのでは」と考える方もいます。

しかし、乳歯から永久歯への生え変わりはすべての歯が同時に起こるわけではありません。虫歯の乳歯が1本あるだけで、永久歯が虫歯になるリスクに晒されてしまいます。

小児歯科で定期検診を受けることで虫歯となっている乳歯が無いか、歯の健康が保てているかをチェックできます。

また、乳歯の健康状態を保つことは、永久歯の健康を守ることにもつながっていくため、小児歯科で定期検診を受けることが重要になるのです。

学校で行われる歯科検診とは別物?

「検診」の言葉を聞くと、学校で子ども達の歯を一斉に診ていくイメージを持つ方もいるでしょう。

学校で行われる検診は、一般に「集団歯科検診」と呼ばれ、特に、子ども達の歯に虫歯があるか否かをチェックすることが目的となっています。

そのため、虫歯では無いものの、虫歯になるリスクが高い生活習慣にあるなどの確認を集団検診で行うことはできません。

定期検診でも虫歯の有無の確認が行われますが、患者さん1人1人の生活習慣や日常的な口腔ケア、将来的な歯の成長に関するリスクなどを細かく診察する点が、集団検診との大きな違いだといえます。

定期検診では何を確かめているの?

小児歯科 定期検診

ここでは、定期検診で何を確かめられているのかについて詳しく解説します。

虫歯の有無の確認

小児歯科での定期検診では虫歯の有無が確認されます。

先述の通り、乳歯は虫歯になるリスクが高く、放置していると永久歯にも影響を及ぼしてしまいます。

特に子どもが小さいうちは、虫歯になっていた場合の自覚症状が現れにくく、気付いた時には重症化していたということも珍しくありません。

定期検診を受けることで、虫歯が確認された場合でも早期治療を図りやすくなります。

奥歯が正しく嚙み合っているかの確認

虫歯の有無の他、小児歯科の定期検診では奥歯の噛み合わせの状態も診察します。

奥歯の噛み合わせが悪い場合、将来的に重度の歯列不正や不正咬合を引き起こす可能性があり、小児矯正等での早期治療が重要となります。

噛み合わせが悪いまま永久歯が生え揃うと、いざ治療をするとなった時に、抜歯や外科的手術のように大掛かりになる傾向にあります。

定期検診を受けることが、後の治療の負担軽減にもつながるのです。

日常の歯磨きの方法についての確認

健康な口腔環境を維持するためには日常の歯磨きが欠かせません。そのため、定期検診では子どもが正しい歯磨きをできているかの確認が行われます。

歯の状態を診て、磨き残しが多い部分を特定し、歯磨きの癖等を見抜いていきます。

歯磨きの悪習慣は、永久歯へと生え変わってから虫歯リスクの増大を招くため、早期での正しい歯磨きの習得が重要だといえます。

食生活についての確認

小児歯科では食生活についての確認も行われます。

子どもの歯の成長には普段の食生活が重要ですが、虫歯の原因となる糖質を過度に・頻繁に摂取している場合、虫歯になるリスクを高めてしまいます。

逆に、虫歯にしないようにと食事量などの制限をしてしまうと、子どもの成長そのものを阻害してしまいます。

親御さんからのヒアリングを元に、適切な量と質が備わった食事ができているかを確認することも検診の重要な目的となっています。

定期検診はいつから始める?

小児歯科 定期検診

定期検診は上下の前歯8本が生え揃う時期(8ヵ月~1歳頃)を目安に始めることをお勧めします。

子どもの定期健康診断で、自治体で行われる1歳半を目安に歯科検診を受けるケースも多いですが、診察してみると既に虫歯があるといったことも珍しくありません。

そして、既に虫歯になっている原因には、親御さんがお子さんに対して十分に口腔ケアをできていないことが挙げられます。

親御さんとしては正しく磨いているつもりでも、子どもの歯の成長に応じて注意すべき点があり、すべてを理解するのは容易ではありません。

少しでも早めに定期検診を受け始めることで、虫歯の早期発見につながることはもちろん、虫歯にならないための正しい知識と方法を親子で身に付けることができます。

定期検診の内容

小児歯科 定期検診

ここでは小児歯科での定期検診の内容について詳しく解説します。

生活習慣等の確認

まずは、問診票への回答やカウンセリングを元に、食生活や生活習慣の確認を行います。

食生活が口腔環境に影響を及ぼすことは先述した通りですが、それ以外にも、幼児の場合、指しゃぶりや口呼吸、舌遊びなどの習慣が歯並びに影響を与えることがあります。

歯並び等に影響を与える癖がないか、普段の口腔ケアの状態なども併せて確認されます。

口腔の診察

次に、実際にお子さんの口腔内を診ながら、健康状態の確認を行っていきます。

虫歯や歯肉炎の有無、噛み合わせ異常が起きていないかを目視にてチェックします。

また、定期的な診察記録を元に、歯が健康に成長しているか、永久歯へと生え変わる際に問題がないかといったことも確認されます。

レントゲン検査

上記の口腔内診察で確認が難しい場合、レントゲン検査を行う場合があります。

乳歯が永久歯へと生え変わる時期などは、永久歯が正しく生える向きとなっているかをチェックする必要がありますが、目視では確認できないため、レントゲン撮影が行われます。

また、乳歯や永久歯が生えてこない場合、先天性の欠損を疑う必要もあり、これらを確認する目的で撮影が行われることもあります。

この他、詰め物を用いる治療を行った場合にも、薬品等がきちんと充填されているかを確認するためにレントゲン撮影が行われます。

クリーニング・簡易治療

自宅ケアで十分に落としきれなかった歯垢や歯石がある場合、歯のクリーニングも行われます。

定期的に歯のクリーニングを受けることで、口腔トラブルが重症化する可能性を抑えることができます。

また、お子さんの中には、自宅ケアでは感じることの少ない口内の清涼感に満足し、歯医者通いを喜ぶようになる子もいます。

自宅ケアに関する指導

最後に、歯磨きの方法を中心に自宅ケアに関する指導が行われます。

お子さんが小さいうちは、親御さんに対して仕上げ磨きの正しい方法や、虫歯リスクを高めないための食事の摂り方といった指導が行われます。

お子さんが自分で歯磨きができるようになると、医師やスタッフの指導の下、お子さん自らが正しい歯磨きの習得を図っていきます。

定期検診はどれくらいの頻度で行うべき?

小児歯科 定期検診

定期検診は年に3回~4回を目安に受けることが効果的です。

永久歯が生え揃った大人の場合、検診の頻度は半年に1度程度で問題ないとされています。

しかし、先の説明の通り乳歯は虫歯になるリスクが高いうえに、永久歯へと生え変わることもあって、口腔内の環境は常に目まぐるしく変化しています。

適切なタイミングで、望ましい治療計画を検討し、健康的な歯の成長に向けた治療を行うには、年に3回~4回の検診が欠かせないといえます。

定期検診の費用

小児歯科 定期検診

最後に、定期検診の費用について解説します。

定期検診は原則、自費診療

小児歯科での定期検診の費用は原則として自費診療となります。

例外的に、後述するような保険適用が認められる治療が必要となる症状が確認された場合、検診の費用も併せて保険が適用されることもあります。

小児歯科ごとに保険適用の判別が異なる場合もあるため、詳しい内容を知りたい場合には、診察を受ける小児歯科に確認するようにしましょう。

保険適用される治療例

虫歯を治療する必要がある場合、ほとんどが保険適用されます。特に小児歯科で行われる治療内容で保険が適用される例は下記の3つが挙げられます。

  • シーラント
  • クラウンループ
  • 小児義歯

また、条件を満たす必要があるものの、保険適用が認められる治療内容もあり、例として下記の5つが挙げられます。

  • フッ素塗布
  • 歯列矯正
  • ブリッジ
  • クラウン
  • インレー

それぞれの詳しい治療内容については、下記の記事にまとめていますので、併せてご覧ください。

小児歯科の料金で知っておくべきポイント!保険診療と自費診療の違いを解説

まとめ

今回の記事では小児歯科での定期検診について、その重要性や検診内容、費用に注目しながら解説してきました。

定期検診を受けることで、虫歯となっている乳歯の有無だけでなく、虫歯リスクを高めてしまう生活習慣になっていないかを確認することができます。

また、永久歯へと生え変わるにあたって、十分に顎の骨が成長しているか、歯が正しく生える向きとなっているかを確かめることもでき、永久歯が生え揃った後の清潔な口腔環境を維持しやすくなります。

千歳烏山やの歯科」に併設される小児歯科では定期検診を実施しています。

お子さんが初めての検診で歯医者を怖がってしまうことがないよう、治療では医師・スタッフが丁寧なコミュニケーションを図ることを徹底しています。

また、キッズルームやアニメ放映が可能な治療室天井のモニター設置も行っており、お子さんがリラックスできる環境づくりを行っています。

お子さんの歯科定期検診を検討している方は、ぜひ当院へカウンセリングへいらしてください。

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