4歳の歯ぎしりは心配?原因と改善法とは
歯ぎしりとは、歯と歯を擦り合わせる行為のことを指し、寝ている間などの無意識の状態で行われることがほとんどです。
強い力でギリギリと音を立てることから、特に子どもの歯ぎしりが心配になる親御さんは多いのではないでしょうか。
この記事では、幼少期である4歳前後から7歳頃の就学期までの歯ぎしりの原因から改善までご紹介します。
お子さまの歯ぎしりでお悩みの方は是非参考にしてください。
歯ぎしりってなに?原因と歯ぎしりが長期化するリスクとは?
4歳頃に歯ぎしりがあると、歯やアゴの成長に悪影響を及ぼすのではないかと親御さんとしては心配になってしまいます。
まずは、歯ぎしりの原因などを紹介します。
歯ぎしりとは
歯ぎしりとは、無意識状態で音を立てながら歯と歯を擦り合わせることです。
しかし近年、歯ぎしりの定義が幅広くなり、睡眠時のみならず起きている時などの意識がある状態に行うさまざまな動作も歯ぎしりの括りとされています。
例えば、睡眠時や覚醒時問わず歯と歯を静かにすり合わせたりかみしめたりする行為や上下の歯をカチカチと嚙合わせる動作も歯ぎしりの定義です。
癖や自覚症状がない場合も多いため、診断が難しいとされていますが、歯ぎしりが習慣化することでさまざまな部位に影響がでるため深刻な問題でもあります。
子どもの歯ぎしりの原因
子どもの歯ぎしりの原因には以下のようなものが挙げられます。
- 生えてくる歯のスペースを作る
- 顎の位置調整
- 噛み合わせの調整
- 歯の痛みを緩和
- 精神的ストレス
子どもの歯ぎしりは、早くて上下の歯が生える7、8ヵ月頃から始まります。
大人のようにストレスや睡眠時の障害などから起こっているのか、今後生えてくる歯に影響がないかなど心配する親御さんも多いです。
しかし子どもの場合、これから生えてくる歯と顎の位置の調整や噛み合わせのためや、歯が生える際に起こる痛み緩和などが歯ぎしりをする理由だと言われています。
このように子どもの歯ぎしりの原因は、大人とは異なり成長過程で起こることがほとんどですが、ストレスが原因で食いしばりや歯ぎしりをする場合もあります。
子どもの歯ぎしりが疑われる時は、まず子どもの精神状態を含めた普段の様子も同時に確認することも必要です。
歯ぎしりを続けるとどうなる?
歯ぎしりを続けると、以下のようなデメリットがあります。
- 歯が欠ける
- 歯が磨り減る
- 顎関節症
子どもの歯ぎしりが習慣となると、顎関節と歯への直接的な影響を及ぼすことが考えられます。
幼少期の歯ぎしりは噛み合わせや歯並びのために行われることが多いのですが、長期的に強い力で擦り合わせることで、歯が磨り減ります。
起きている時の意識がある状態で、歯を擦り合わせたりカチカチと歯を噛み合わせたり、食いしばる癖がある子どももいます。
この場合は、歯ぎしりを行う癖が睡眠時にも引き起こしやすくなるため、歯が欠けたり永久歯へダメージを与えることも考えられます。
強い力が長時間に及ぶと顎関節にも影響が出てくるため注意が必要です。
子どもの歯ぎしりの原因がストレスの場合
子どもが歯ぎしりをする理由は、成長過程における正常なものであり睡眠時のような無意識の状態で起ることが一般的です。
また、ストレスを発散させるために必要な行為とも言われています。
しかし、ストレス発散の一種とはいえストレスが強すぎると歯ぎしりの強さも増し、長時間・長期間に及ぶ恐れもあります。
この場合、大人が出来ることは子どものストレスの原因を出来るだけ取り除くことや、別の発散法でストレスを溜めないようにする環境を与えることです。
歯への影響も考慮すると共に、精神的なケアが歯ぎしりの癖を取り除く近道とも言えるでしょう。
成長期別!異なる歯ぎしりの理由とは
子どもの歯ぎしりには、成長過程によって理由が異なります。成長期別に更に詳しくご紹介します。
0歳~2歳児の歯ぎしり
赤ちゃんは、以下のような理由で歯ぎしりをします。
- 歯が生えてくる時の痒み軽減
- 歯の位置を調整
- 顎の筋肉を鍛える・位置を調整
赤ちゃんの歯ぎしりは、成長過程におけるものです。
上下の前歯が生え揃う7、8ヵ月頃には歯をこすり合わせる音が出るようになるため心配になりますが、実はその前から歯が生え始める痒みで顎を動かし、歯ぎしりのような行為をしていることがあります。
また、顎の位置を調整したり今後生えてくる歯の並びの調整もしています。
噛むために歯と顎の正しい使い方を練習したり修正しようとする正常な脳の指示となるため、気になる症状がない限りは様子をみて良いでしょう。
3歳~6歳児の歯ぎしり
幼児の歯ぎしりには以下のような理由があります。
- 永久歯が生える準備
- 永久歯が生えてくる痛みの緩和
- 精神的ストレス
乳歯から永久歯へ生え変わる成長変化が大きい幼児期の歯ぎしりは、主に永久歯に対しての原因が多く挙げられます。
3歳~6歳の乳歯が抜ける前の歯ぎしりの理由は永久歯が生えるスペースを確保するためだと言われています。
歯が抜けた後は赤ちゃんの頃と同様に生えてくる歯の違和感や痒み・痛みから歯ぎしりをすることも考えられています。
しかし、io昼間は集団生活で過ごす子どもも多いこの時期は精神的ストレスが原因のこともあります。
何に対してストレスを抱えているのか、まだうまく伝えられない年齢は親御さんがよく観察することも必要です。
幼児期の歯ぎしりの多くは成長過程が原因なため心配することはなく、小学校低学年には治まるよことがほとんとです。
しかし、長引く場合は歯並び、顎関節、顎周りの筋肉に異常があることも考えられますので歯科医院を受診することをおすすめします。
睡眠不足が原因の可能性も
乳児期、幼児期、就学期の歯ぎしりは睡眠不足が原因であることも少なくありません。
集団生活が始まる乳幼児期は少なからずストレスも加わり、4歳前後はお昼寝の有無が保育施設によって異なるでしょう。
大人の睡眠不足も深刻化していることから、大人に合わせた生活をしている場合は必然的に子どもの睡眠時間にも影響が出ています。
意識的に寝る時間を早めるような生活リズムを作らないと、睡眠不足が解消されない環境も多くあるなか、子どもにとってはこの日常的な睡眠不足が引き金でストレスとなり歯ぎしりを起こすこともあります。
日本は世界的にも睡眠時間が少ないと言われています。すぐに睡眠時間の確保が難しい方は睡眠環境の見直しから行うこともおすすめです。
睡眠の質を高めるために、睡眠前のテレビやスマートフォンを控えたり、出来るだけ暗い部屋でゆっくり休めたりする環境作りを心がけましょう。
子どもの歯ぎしりの治し方とは?
ここからは、自宅で出来る歯ぎしりケアと、受診した場合に行う歯ぎしり治療についてご紹介します。
自宅で出来るケア
以下は、自宅で出来るケアの一例です。
- 噛む習慣を身に付ける
- リラックス時間を作る など
子どもの歯ぎしりに対して「歯ぎしりをやめさせたい」「癖を治したい」と思う方はまず、自宅でできる歯ぎしりケアを取り入れることがおすすめです。
赤ちゃんは顎の成長の為に歯ぎしりを行うことも多いのですが、幼少期になり食べ物をしっかり噛む習慣がない子どもや、柔らかいものばかり食べている子どもは顎の成長が未発達なため噛み合わせが悪くなり歯ぎしりをする傾向にあります。
食事の際はしっかり噛む習慣をつけましょう。習慣化するまでは、よく噛まなければいけないような食材やおやつを選ぶこともポイントです。
また、リラックスできる時間を意識することも歯ぎしりケアには必要なことです。
睡眠時間の確保以外にも、起きている時間に安らげる空間こそが子どものストレス解消には最適です。
集団生活や友人関係にストレスを感じながら外で頑張っている子どもに対して、自宅は安心できる環境だということを実感させるだけでもストレス解消に繋がります。
ストレス解消のためにリラックスする時間は子どもにとっても特別で、安心を感じられる貴重な時間となるでしょう。
深刻な歯ぎしりには
深刻な歯ぎしりには以下の方法がおすすめです。
- 夜間マウスピース
歯ぎしりは小児歯科で治療ができます。なかなか歯ぎしりが治らない子どもは、歯のすり減りや欠けること、顎への負担も心配されます。
歯と歯の間にマウスピースでワンクッションおくことで歯への負担が軽減され、装着中は噛みづらさが出ることから自然と歯ぎしりの習慣がなくなることも期待できます。
歯ぎしりの原因が噛み合わせの場合は、歯列矯正治療を行うこともあります。
これは、歯並びや噛み合わせでの治療に用いるものですが、噛み合わせが改善されることで歯ぎしりへの改善にも繋がるケースもあります。
歯ぎしりで受診するタイミングと削れた歯への対応とは
子どもの歯ぎしりの原因は心配のいらないものが多いことから、自宅でのケアを行ったり様子をみている方も多くいます。
いつまで様子をみたらいいのかわからない場合や、既に歯が欠けた、削れたことで受診を考えている方は、是非参考にしてみてください。
受診のタイミングは?
受診のタイミングは以下をご参考ください。
- 歯が痛い・グラグラする
- 口を開けると痛い・音がする
長期的に歯ぎしりをしていたり強い力を加える癖があると、歯と顎へ徐々に症状がでてきます。
歯が痛かったり欠けている、グラグラしている場合は更に悪化することが予想されるため、歯科医院を受診しましょう。
また口を開けると音がする・痛い・開きづらい場合は直接顎へ影響がでている可能性があるため、この場合も診察をおすすめします。
歯ぎしりによって削れた歯・欠けてしまった歯への対応
生え変わり前の乳歯は、永久歯に比べ弱く柔らかい特徴があります。強い力が長期的に加わると欠けてしまったり削れてしまうことも少なくありません。
欠けた歯に痛みなどの症状がない場合、軽度で問題がないことも多いですが、欠けた部分から感染症や腫れなどが生じることもあります。
神経に達する症状には神経の処置・歯の場所や症状によって被せ物や詰め物で処置することもあります。
削れた歯も、痛みやしみる感覚がない時は緊急性のある処置はありません。
削れる、欠ける共に経過観察の症状でも悪化しないようにマウスピースを使用することもあります。
まとめ
4歳前後の歯ぎしりは、歯の生え変わりの準備期間のため成長過程の一種ともいえます。しかし、ストレスや睡眠不足も歯ぎしりには大きく関係しています。
生活の見直しや子どものストレス環境を把握することも、歯ぎしり改善のカギとなります。
また、歯ぎしりの原因そのものが心配のないものでも、長期化することで歯や顎に影響がでてくるため症状が気になった際は早めに受診し治療しましょう。
千歳烏山やの歯科では、痛みの少ない治療を心掛けております。
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