マウスピース矯正でも口内炎はできる?ワイヤー矯正との比較・原因・対処法
マウスピース矯正中に口内炎ができてしまい、「治療を続けても大丈夫なのか」「ワイヤー矯正と比べてどちらが痛みやすいのか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
口内炎は装置の特徴や日常の習慣、お口の状態など複数の要因が関係して発生します。そのため、原因を正しく理解し、自分に合った対処法や予防策を取り入れることが大切です。
この記事では、マウスピース矯正とワイヤー矯正の違いや口内炎が起こる主な原因、症状を和らげる方法、日頃から実践したい予防対策について詳しく解説します。
マウスピース矯正(インビザライン)でも口内炎はできる?

「マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて口内炎ができにくい」と言われますが、実際の発症リスクはどうなのでしょうか。
装置の形状や仕組みの違いにより、痛みを感じる原因も異なります。ここでは、口内炎の発症リスクや、ワイヤー矯正との比較について解説します。
マウスピースでも口内炎はできる
結論から申し上げますと、マウスピース矯正でも口内炎ができる可能性はゼロではありません。
装置自体は滑らかな医療用プラスチック製ですが、マウスピースの縁が歯茎(歯肉)に擦れたり、着脱時に粘膜を傷つけたりすることで炎症が起きるためです。
特に矯正を始めたばかりの時期や新しい装置に交換した直後は、お口の粘膜が装置に慣れておらず、小さな傷から口内炎に発展しやすい傾向にあります。
ワイヤー矯正と比べるとどっちができやすい?リスクを比較
口内炎の発症リスクは、一般的にマウスピース矯正の方がワイヤー矯正よりも低いといえます。
金属製のブラケットやワイヤーが常に粘膜に接触する従来の方法に対し、マウスピースは凹凸が少なく、口腔内を大きく傷つけるリスクを抑えられるためです。
実際にワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーが粘膜に接触して傷が生じる場合があります。一方、マウスピース矯正では装置の縁やアタッチメントによる摩擦が原因となるケースがみられます。
ただし、装置の着脱頻度や個人の粘膜の強さによってリスクは変動するため、自身の状況に合わせたケアが必要です。
マウスピース矯正で口内炎ができる5つの原因

マウスピース矯正中に口内炎ができる背景には、装置による物理的な刺激だけでなく、お口の乾燥や着脱時の習慣などさまざまな原因が潜んでいます。
ここでは、矯正ライフを快適に過ごすために知っておきたい、口内炎を引き起こす5つの原因を解説します。
原因①マウスピースの縁が歯茎や粘膜に擦れる
口内炎が生じる大きな原因の一つは、マウスピースの縁が周囲の粘膜に擦れて傷つくためです。
装置のフチは丸みを帯びた設計ですが、製造時のわずかな段差や患者さまの歯茎のラインとのズレにより、物理的な刺激となる場合があります。
特に会話などで頻繁にお口を動かすと、装置と粘膜が何度も擦れ合って小さな傷ができ、炎症へ繋がる可能性があります。
装置の端が特定の場所に当たり続ける状況は、お口を動かす際の摩擦を生みやすく、カタル性口内炎を誘発する典型的な原因といえます。
原因②外したときにアタッチメントが唇の裏に当たる
インビザラインをはじめとするマウスピース矯正では、歯を効率的に動かす目的で、歯の表面にアタッチメントというプラスチック製の小さな突起がついています。
装置をはめている間は覆われていますが、食事やブラッシングの際に取り外すと、突起が剥き出しの状態になり、唇の裏側や頬の粘膜に直接触れてしまいます。
食事や会話で粘膜が突起に擦れると細かな傷がつきやすく、そこから口内炎に発展するケースは少なくありません。
原因③新しいマウスピースに交換した直後の粘膜への圧迫
新しいマウスピースに交換した直後は、口腔内の粘膜が圧迫されて口内炎ができやすくなります。
矯正のステージが進むと装置の形状が変わり、歯を移動させるために特定の部位へ強い力が加わります。
歯だけでなく周囲の歯茎や粘膜も同時に強く押され、一時的に血流が悪くなったり組織が過敏になったりした結果、粘膜の抵抗力が低下して炎症を引き起こす原因となる仕組みです。
原因④着脱の際に爪や指で口内を傷つけている
毎日の装置の着脱時に、自分の指や爪で粘膜を傷つけてしまう行動も口内炎の原因の一つといえます。
マウスピースは歯に密着しているため、取り外す際に強く引っ張る力が必要です。
特に爪を立てて装置を引っ掛けようとしたり、指が滑って勢いよく粘膜を擦ったりすると、お口の中に目に見えない微細な傷を作ってしまいます。
その傷口から口腔内の常在菌が入り込んだ結果、数日後に痛みを伴うアフタ性口内炎を発症するおそれがあるため、慣れるまでは細心の注意が必要です。
原因⑤長時間装着による口内の乾燥と唾液の減少
装置を長時間つけることで生じるお口の乾燥も、口内炎を招く間接的な原因の一つです。
マウスピース装着中は口腔内が乾燥しやすくなる場合があり、唾液による自浄作用が十分に働きにくくなることがあります。
さらに装置の厚みによって口が閉じにくくなり、口呼吸が増えてドライマウスを引き起こす場合もあります。
唾液による自浄作用や粘膜の修復機能が低下した結果、お口の中の免疫力が落ちて、小さな刺激からでも簡単に口内炎が発症しやすい環境になるため注意深く見守りましょう。
マウスピース矯正中の口内炎を今すぐ和らげる応急処置

マウスピースが当たって口内炎が痛むときは、無理に我慢せず自宅でできる適切な応急処置を実践しましょう。
ここでは、ワックスによる患部の保護や市販薬の活用、洗口液による殺菌など、今すぐ痛みを和らげてお口のトラブルをケアするための具体的な方法を解説します。
矯正用ワックスをつけて摩擦を防ぐ
マウスピースが当たって痛む場合は、装置に矯正用ワックスをつける方法が効果的です。
粘膜に触れる部分を柔らかいシリコンや天然蝋(ろう)のワックスで覆うことにより、物理的な摩擦の遮断が可能です。
具体的には、米粒大に丸めたものを乾燥させた装置の縁へ直接貼り付けてクッションにします。装置の角を覆うことで粘膜への刺激を軽減し、痛みの緩和が期待できます。
歯科医院やインターネット通販などで手軽に購入できるため、痛みを我慢せず早めに保護を試みましょう。
市販の口内炎治療薬(パッチタイプ・塗り薬)を使用する
すでに痛みを伴う口内炎ができてしまったときには、市販の治療薬を活用して患部を保護しましょう。
パッチタイプや軟膏といった塗り薬を使用することで、食べ物などの外部刺激を遮断しながら炎症を直接抑えることが可能です。
例えば、頬の裏側や唇の裏などの剥がれにくい場所にはパッチタイプを貼り、よく動く舌の脇や歯茎などには軟膏を薄く塗ると成分がしっかりと定着します。
薬のバリアによって患部への刺激を軽減できるため、食事や会話の際の痛みの緩和が期待できます。
ノンアルコールの洗口液で口腔内を清潔に保つ
毎日のオーラルケアに刺激の少ないノンアルコールの洗口液を取り入れ、お口の中を清潔に保ちましょう。
アルコールを含まないタイプであれば、炎症を起こして敏感になった粘膜にしみることなく、口腔内の雑菌を減少させられます。
具体的には、毎食後の歯磨きや就寝前のケアの際に、ノンアルコールの処方で作られた洗口液などの製品で優しくお口をゆすぎましょう。
口腔内を清潔に保つことで、口内炎の悪化を防ぐための口腔ケアの一つとして活用できます。
マウスピース矯正中の口内炎トラブルは歯科医院への相談がおすすめ

口内炎の痛みを繰り返すときは、自己判断で放置せず歯科医院へ相談することが大切です。
マウスピースの調整や交換周期の見直しなど、プロによる適切なアプローチで原因を根本から解決する方法を解説します。見逃してはいけない重症化のサインも確認しましょう。
マウスピースの調整(縁の研磨・カット)
マウスピースの縁が当たって痛む場合は、我慢せずに歯科医院で装置の調整を依頼してください。
専門の器具を用いて縁を研磨したりカットしたりすることで、粘膜への物理的な刺激を根本から取り除けます。
自分自身で無理に削ろうとすると、装置の変形や破損を引き起こして矯正治療の進行に悪影響を及ぼすおそれがあります。
歯科医師にお口の状態を確認してもらい、適切な形状へ補正してもらう方法がスムーズな治療継続に繋がります。小さな違和感であっても、通院中の歯科医院へ気軽に相談しましょう。
ステージ(交換周期)の調整やドクターチェック
新しいマウスピースへ交換するたびに口内炎を繰り返すときは、ステージの進行具合を歯科医師にチェックしてもらいましょう。
患者さまの歯の動きや口腔内の状態に応じて交換周期を見直すことで、装置による負担の軽減を図れる場合があります。
自己判断で装着時間を減らしたり交換を止めたりすると、理想の歯並びから遠ざかる原因になります。
計画通りに治療を進めるためにも、定期的なドクターチェックの際に痛みが生じるタイミングを伝えるアプローチが重要です。
すぐに主治医に相談すべき「重症化のサイン」
口内炎の痛みが激しいときや2週間以上経過しても治らない場合は、すぐに歯科医院へ連絡してください。
単なる摩擦ではなく、細菌への二次感染や装置の不適合による深刻な炎症へ発展しているおそれがあるためです。
具体的には、以下のサインが見られたら注意が必要です。
- 患部が広範囲に広がり食事が困難
- 発熱や倦怠感などの全身症状がある
こうしたケースでは、早急な歯科医師の診断と適切な処置が必要です。
トラブルの長期化は治療全体の遅れに直結するため、異変を感じたら速やかに受診の予約を取りましょう。
マウスピース矯正生活を快適にする口内炎の予防対策

マウスピース矯正中の口内炎に悩まされないためには、日頃からの正しい予防対策が欠かせません。
お口と装置の清潔を保つ習慣や専用器具の活用、水分補給による乾燥防止など、日常生活の中で手軽に実践できるトラブル回避の具体的なアプローチを解説します。
マウスピースや口腔内を清潔に保つ
口内炎の発生や悪化を防ぐためには、毎日のお手入れを徹底してマウスピースと口腔内を清潔に保ちましょう。
装置に付着した汚れやお口の中の雑菌が傷口に触れると、炎症が悪化したり、治癒に時間がかかったりする場合があります。
具体的には、毎食後の歯磨きに加え、外出先でもマウスピースの水洗いやうがいを行い、汚れをため込まないことが大切です。
帰宅後は専用の洗浄剤で汚れを落とし、口内炎ができにくい環境を整えましょう。
専用のリムーバーを活用して粘膜への負担を減らす
装置を着脱する際の粘膜への負担を軽減したい場合は、専用のリムーバーを活用してください。
無理に指や爪で取り外そうとすると、頬の内側や歯茎を傷付け、粘膜に負担がかかる場合があります。
例えば、マウスピースが外しにくい場合や爪が短い場合でも、リムーバーを使用すると着脱しやすくなります。
小さな傷が口内炎のきっかけになるケースもあるため、日頃から口腔内への負担を抑えた着脱を心がけることが重要です。
こまめな水分補給で口腔内の乾燥を防ぐ
矯正期間中はこまめな水分補給を意識し、お口の中が乾燥しないように気を配りましょう。
マウスピース装着中は口腔内が乾燥しやすくなる場合があり、粘膜の防御機能が低下して摩擦による傷ができやすくなるためです。
例えば、長時間の会話や運動後、水分摂取が不足しやすい季節には、意識して水を飲むことが大切です。
また、唾液には口腔内を清潔に保つ役割もあります。日常的に十分な水分補給を行い、口内炎が発生しにくい口腔環境を維持しましょう。
まとめ
マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べて口内炎のリスクを抑えやすいものの、装置の縁との摩擦や着脱時の刺激、お口の乾燥などが原因で発症する場合があります。
そのため、マウスピースや口腔内を清潔に保ち、適切なセルフケアを続けることが大切です。
また、痛みが続く場合や同じ場所に口内炎を繰り返す場合は、装置の調整が必要な可能性もあります。違和感や痛みを我慢せず、早めに歯科医院へ相談して適切な対応を受けましょう。
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矯正に関するご相談も承っておりますので、口内炎や装置の違和感でお悩みの方はお気軽にご相談ください。