虫歯の症状を進行段階ごとに紹介!対処法や予防のポイントも解説

虫歯症状

虫歯になると進行状況に応じた症状が現れます。

「歯が白っぽい」といった見た目の変化から、「歯が痛む」といった自覚症状までさまざまです。虫歯は進行する病気であるため、症状が現れたときには迅速な対応や治療が必要です。また、日頃から虫歯にならないための予防を心がけることも大切です。

この記事では、進行段階ごとの虫歯の症状や対処法、予防のポイントを紹介します。

虫歯とは

虫歯症状

虫歯とは、口腔内に存在する細菌によって起こる歯の病気です。

口の中にはさまざまな種類の細菌が存在しており、その中の1つがミュータンスと呼ばれる虫歯の原因菌です。ミュータンス菌は食べ物や飲み物に含まれる糖質をエサにして酸を作り出し、その酸が歯のエナメル質を溶かすのが虫歯の特徴です。

この現象を「脱灰」と呼びますが、通常は唾液の働きによって「再石灰化」が起こり、溶けた部分が自然に修復されます。

しかし、虫歯によって脱灰が繰り返されて再石灰化が追いつかなくなると、エナメル質が元に戻らなくなり虫歯が進行します。

虫歯が進行すると歯の痛みや機能低下、喪失につながったり、細菌が血流に乗ることで全身疾患のリスクが高まったりもするため治療が必要です。

虫歯菌については、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。

虫歯菌ってなに?虫歯感染の疑問と原因と対策とは

虫歯の症状

虫歯症状

虫歯は進行段階ごとに症状が異なります。

ここでは、虫歯の症状について進行段階ごとに解説します。

ごく初期の虫歯(CO)

COはごく初期の虫歯で、要観察歯と呼ばれます。

症状の特徴としては、歯の表面に白く濁った斑点が見られます。この白く濁った斑点はエナメル質によって脱灰が起こっている兆候であり、この段階では痛みや自覚症状はほとんどありません。見た目でも気付きにくいことが多いため、定期健診で発見されることが多くあります。

この段階であれば適切なブラッシングやフッ素塗布などのケアによって再石灰化を促し、虫歯の進行を止められることがあります。

エナメル質に達した虫歯(C1)

歯の表面にあるエナメル質だけに限定されている初期段階の虫歯はC1と呼ばれます。

この段階の症状の特徴としては、エナメル質が溶かされることによって歯の表面に小さな穴や斑点、変色が見られます。歯の神経や象牙質には達していないため、痛みや不快感などの自覚症状はほとんどありません。

そのため、虫歯になっていても気づきにくく、定期健診で発見されることも多い段階です。

この時期に適切にケアを行えば、再石灰化によって自然に修復できる可能性もあります。

象牙質に達した虫歯(C2)

エナメル質を越えて歯の内部の象牙質に達した虫歯はC2と呼ばれます。

この段階の症状の特徴としては、冷たいものや甘いものがしみたり、鋭い痛みを感じたりすることです。また、歯の表面に穴が開いたり、黒や茶色に変色したりなど、見た目の変化も現れてきます。

C2の虫歯は進行が早い特徴があり、放置すると神経に達しやすくなるため、早急に治療が必要です。

治療では、虫歯部を削りレジンや銀歯で修復するのが一般的です。

神経に達した虫歯(C3)

神経に達した虫歯はC3と呼ばれます。

この段階の症状の特徴としては、熱いものがしみたり、何もしていなくてもズキズキと激しい痛みを感じたりすることです。また、歯に大きな穴が開いたり、歯の色が黒ずんだり、歯茎が腫れるなどの症状が現れることもあります。

虫歯菌が神経に達すると、炎症が広がり、発熱などの全身症状を引き起こすこともあります。放置すると歯の保存が困難になり、顎の骨に影響を及ぼす可能性もあるため、早期の治療が重要です。

治療法としては、感染した神経を除去して歯の内部を消毒・清掃する根管治療が必要となります。根管治療が終わったら、土台を作って被せ物を装着します。

歯根に達した虫歯(C4)

歯根に達した最終段階の虫歯はC4と呼ばれます。

この段階の症状の特徴としては、歯の頭(歯冠)がほとんど崩壊し、歯根だけが残る状態になることです。神経が死んでしまうため、C3の段階で感じていた激しい痛みはなくなることが多くあります。その他、強い口臭や膿の排出、歯が割れたり、抜け落ちたりする場合もあります。

治療法としては、歯の保存が困難であるため、抜歯が選択されるケースが多いです。その後に失った歯の機能を補うために、ブリッジや入れ歯、インプラント治療などが行われます。

歯根がしっかり残っている場合や条件が整っていれば、根幹治療を行うことも可能です。

虫歯の症状が出たらやるべきこと

虫歯症状

虫歯は進行する病気であるため、症状が現れた場合は早めの対処が必要です。

ここでは、虫歯の症状が出たらやるべきことを解説します。

セルフチェックする

虫歯の症状が出たら、まずはセルフチェックを行って歯茎や歯の状態を確認しましょう。

セルフチェックのポイントは以下のとおりです。

  • 明るい場所で鏡を使って歯の表面や奥歯、歯と歯の間を確認する
  • 舌で歯の表面をなぞって、ざらつきや欠けがないか確認する
  • デンタルフロスで歯間に引っかかりや出血がないかをチェックする
  • 冷たいものや甘いものがしみるか意識する

特に奥歯や歯と歯の間などは見落としやすいため、細かくチェックする必要があります。セルフチェックで虫歯の症状がある場合は、虫歯の可能性が高いため治療が必要です。

また、セルフチェックで虫歯が見つからなくても、見えないところで虫歯が発生している可能性があります。そのため、症状の有無に限らず、定期的に歯科医院で歯の検診を受けることが大切です。

歯科医院で診察を受ける

虫歯の症状が出たら、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

虫歯は自然に治ることがなく、放置すると進行して神経や歯根に達し、治療が複雑になって負担も大きくなります。早期に治療を受ければ、歯を削る量や治療期間、費用を最小限に抑えることができます。

また、歯科医院は虫歯の症状がなくても歯の定期健診を受けることが可能です。定期的なチェックによって初期の虫歯や他の歯に問題がないかなどを早期発見できるため、歯の健康を守ることにつながります。

虫歯の症状が出る前にできる予防策

虫歯症状

虫歯の症状で悩まないためにも、日頃から予防を心がけることが大切です。

ここでは、日頃からできる虫歯の予防策を解説します。

正しい歯磨き習慣を身につける

虫歯にならないためには、正しい歯磨き習慣を身につけることが大切です。

歯茎を傷つけないよう、やわらかめの歯ブラシを選び、45度の角度で歯と歯茎の境目に当てて小刻みに動かしましょう。

また、前歯・奥歯・噛む面・内側など、すべての面をしっかり磨くことが大切です。歯と歯の間や歯茎の部分は汚れが溜まりやすい部位となるため、念入りに磨きましょう。デンタルフロスや歯間ブラシなども併用すると効果的です。

歯磨きの方法に不安がある場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。歯科医師に指導してもらうことで、自分に合った磨き方や磨き残しやすい部分のケア方法を学ぶことができます。

食生活を見直す

虫歯を予防するためには、食生活を改善することもポイントの一つです。

発酵性の炭水化物や砂糖の入った物を食べると、虫歯菌が糖分をエサとして酸を作るため、口腔内は酸性に傾きます。一方で、唾液によって酸性に傾いた口の中を中性に戻し、歯の表面を修復する再石灰化が促進される働きもあります。

しかし、このような機能が備わっていても、間食をだらだら続けると、口腔内は酸性に傾いたままです。口腔内が酸性に傾いたままだと虫歯が進行するため、間食の回数や時間を減らし、食事と食事の間隔をしっかり空ける必要があります。

フッ素を活用する

フッ素は歯のエナメル質の修復を促進し、歯質を強化して酸に強い歯を作る働きがあります。虫歯菌の活動を抑制して酸の生成を減らす抗菌作用もあり、さらには唾液中のカルシウムやリン酸を歯に結合して再石灰化を促進します。

以下は、フッ素を使って虫歯を予防する方法です。

  • 歯科医院でフッ素を塗布する
  • フッ素洗口液によるうがい
  • フッ素入り歯磨き粉の使用

ただし、フッ素だけで完全に虫歯を防ぐことはできません。正しい歯磨き習慣や食生活の改善なども合わせて必要です。

日常のセルフケアと組み合わせて取り入れることで、フッ素の虫歯予防の効果を高めることができます。

歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける

歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることは、虫歯予防に効果的な方法です。

定期メンテナンスでは歯科医師や歯科衛生士が口腔内をチェックし、歯垢や歯石の除去、クリーニングを行います。

普段の歯磨きでは見落としがちな部分やセルフだけで取りきれない汚れも専門的にきれいにしてもらえるため、虫歯のリスクを大幅に減らすことが可能です。

また、初期の虫歯や異常なども早期に発見できるため、早期治療につなげることもできます。行きつけの歯科医院があると、口腔内の変化や自分のケアのクセなどを把握してもらいやすく、より的確なアドバイスやサポートを受けられます。

まとめ

虫歯の症状は進行度によって大きく変わり、初期の段階では自覚症状がないケースがほとんどです。

歯に痛みが出たり、冷たいものがしみたりするなどの自覚症状が現れたときには、すでに進行している可能性が考えられます。症状が現れないうちに適切な予防策を実施することが、歯の健康を守るために大切なことです。

日々の正しい歯磨きやフッ素の活用、食生活の改善、そして定期的な歯科医院でのメンテナンスを組み合わせることで虫歯のリスクを抑えられます。

千歳烏山やの歯科では、虫歯治療をはじめ、患者さま一人ひとりのライフスタイルに合わせたセルフケアのアドバイスや早期発見のための定期検診も行っています。

気になる症状がある場合や、少しでも違和感を覚えた際には、当院までお気軽にご相談ください。早めにご相談いただくことで重症化を防ぎ、歯の健康を長く守ることができます。

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