虫歯を自分で確かめる方法は?セルフチェックとステージ別の進行状況も解説

虫歯を自分で確かめる方法はいくつかあります。
虫歯は進行する病気であるため、セルフチェックで少しでも異変があった場合は早めに歯科医院で診てもらい、必要に応じて治療を受けましょう。
ただし、セルフチェックだけでは虫歯に気づかない場合もあるため、定期的に歯科医院で検査を受けて、早期発見や早期治療を行うことも大切です。
この記事では、虫歯のセルフチェックや発見時の対処法などを紹介します。
虫歯を自分で確かめることはできる?

虫歯はセルフチェックで発見できることもあります。
しかし、セルフチェックだけで虫歯を完全に発見できるとは限りません。歯の内部まで見ることはできないため、見た目ではわからない虫歯も存在する点に注意する必要があります。
虫歯のセルフチェックを行う場合、虫歯の疑いがある場合はもちろん、ない場合でも定期的な歯のメンテナンスを心がけるために診察を受けましょう。
虫歯のセルフチェックと見分け方

虫歯のセルフチェックや見分け方にはいくつかポイントがあるため、まずは該当するかどうかチェックしましょう。
ここでは、虫歯のセルフチェックと見分け方について解説します。
変色があるか
虫歯の初期症状は変色として現れることが多くあります。
虫歯による変色の特徴は以下のとおりです。
- 白濁:初期の虫歯に見られ、歯の表面が白く濁ったように見える
- 茶色:虫歯が進行すると歯が茶色や黒色に変色する
虫歯による変色は部分的に現れることが多く、境界が不透明なことが多い特徴があります。
歯の変色を確かめる際には、歯全体や奥歯の溝、歯茎の境目、裏側まで丁寧に観察しましょう。
歯と歯茎の間が白くなっているか
歯と歯茎の間が白くなっている場合は、虫歯によって歯の表面が脱灰と呼ばれる現象を引き起こしている可能性があります。
これは初期虫歯のサインの一つで、歯と歯茎の間は歯垢や汚れがたまりやすく、脱灰が起こりやすい部位です。ただし、歯と歯茎の間が白く見える原因は、口内炎や歯石、歯周病なども含まれるため、自己判断で虫歯と断定することは難しいです。
いずれにしても口腔内でトラブルが発生している可能性が考えられるため、正確な診断のためには歯科医院での受診が必要となります。
穴が開いているか
虫歯が進行すると、歯に穴が開くことがあります。
セルフチェックで歯の穴を見つけた場合は、虫歯が初期段階を超えて進行している状態です。穴が開いているかどうかは以下の方法で確認できます。
- 鏡で見て穴やくぼみが確認できる
- 食べ物が歯に詰まる
- 舌や歯ブラシで触るとへこみを感じる
虫歯が進行して歯に穴が開くのは、細菌が作る酸によって歯の構造が壊されるためです。初期段階では痛みを感じなくても、穴が開くことで虫歯が急速に進行しやすくなるため、早期発見と治療が必要となります。
冷たいものや甘いものがしみるか
冷たいものや甘いものを食べたときにしみる場合も、虫歯のサインであることがあります。
虫歯が進行してエナメル質の下の象牙質や神経に近づくと、冷たいものや甘いものなどの刺激が歯の内部に伝わりやすくなるためです。
ただし、同じようにしみる症状は知覚過敏でも起こるため、見分けが必要となります。知覚過敏の場合は刺激があるときだけ一時的にしみるのに対し、虫歯の場合はしみる症状が継続しやすいのが特徴です。
実際には虫歯か知覚過敏か判断が難しいことも多いため、歯科医院で診断を受けることをおすすめします。
痛みがあるか
歯が痛いと感じる場合は、虫歯が初期段階を超えて進行しているサインです。
何もしていなくてもズキズキ痛むのは、虫歯が神経に近づいているか、すでに達している可能性があります。
この段階になると強い痛みや持続的な痛みが現れ、そのまま放置すると炎症が広がり、症状が悪化して複雑な治療が必要になる場合もあります。
痛みが生じている場合はできるだけ早期に歯科医院を受診し、治療を開始することが重要です。
虫歯を確かめる際のポイント

虫歯をセルフチェックする場合、鏡やフロスなどを使用すると確認しやすくなります。
ここでは、虫歯を確かめる際のポイントを紹介します。
鏡を活用する
虫歯をセルフチェックする際は、鏡を使って歯を観察しましょう。
暗い場所だと色の変化や小さな異常を見逃してしまう可能性があるため、明るい場所で行うことが大切です。セルフチェックの際には、大きな鏡やデンタルミラーなどを使い、歯を1本1本丁寧に観察します。
特に奥歯や歯と歯の間は見逃しやすいため、デンタルミラーを細かく動かしながらチェックしましょう。
舌で確認する
舌で歯をなぞることによって、虫歯の兆候が分かる場合もあります。
健康な歯の表面はなめらかですが、舌で触ったときに引っかかりや段差がある場合は、初期虫歯によって歯が溶けている可能性があります。
また、虫歯や歯石、歯垢が付着していると、歯の表面がざらついて感じられることも特徴です。
日頃から歯磨き後に舌で歯の表面をなぞることで、普段と違う感触に気づきやすくなります。鏡で見えにくい奥歯や歯の裏側の異常にも気づきやすく、早期発見にも役立つでしょう。
デンタルフロスを使用する
デンタルフロスは、歯と歯の間に生じている虫歯を見つけるために有効な方法です。
特に奥歯や見た目では分かりにくい部分の虫歯の早期発見に役立ちます。
デンタルフロスを歯と歯との間にゆっくり通した際に、虫歯がない健康な歯であれば、フロスはスムーズに通ります。
一方、フロスが途中で引っかかったり、切れたり、繊維がほつれる場合は要注意です。これは歯の表面が虫歯でざらついていたり、穴が開いていたりする可能性があります。
フロスを通した際に痛みや出血がある場合も、虫歯や歯周病のサインです。
虫歯の進行度合いで確かめる

虫歯の進行度合いは、虫歯の浅い段階から深刻な状態までCOからC4の5段階に分類されます。
ここでは、虫歯の進行度合いの分類について解説します。
CO
COは初期の虫歯で、専門的には要観察歯と呼ばれます。
発生して間もない虫歯であり、歯の表面に穴があいていません。特徴としては、歯面に白いシミやくすみが現れる点が挙げられます。
この段階であれば、フッ素や適切なフラッシングによって再石灰化を促し、自然に修復できる可能性があります。
C1
C1は歯の表面にあるエナメル質が虫歯菌によって溶かされた状態です。
この段階になると歯の表面に薄い茶色っぽい変色や、小さな穴、くぼみが生じる場合もあります。
まだ痛みがなく、虫歯の治療で削る歯の量も最小限で済むため、進行する前にこの段階で治療をするのが望ましいでしょう。症状によっては歯を削ることなく予防を行い、虫歯の進行を防げる場合もあります。
C2
C2は虫歯がエナメル質の奥にある象牙質まで進行した状態です。
虫歯の部分が黒くなったり、歯に穴が開いたり、冷たいものや甘いものが歯にしみる段階です。見た目に大きな変化が表れるのが特徴で、放置していると急速に悪化が進みやすくなります。
ただし、人によってはC2まで進行していても、痛みなど自覚症状がないケースもあります。
C3
C3は歯の中心部にある歯髄まで虫歯菌が感染した状態です。
この段階では歯の外側が大きく溶かされ、ズキズキとした強い痛みが生じ、何もしていなくても痛みを感じることが多くなります。
また、神経が死んでしまうと一時的に痛みは消えるものの、口臭の悪化や顎の骨の炎症、全身症状のリスクなど深刻な健康被害につながります。
C4
C4は虫歯の進行段階で最も重度な状態であり、歯の大部分がほとんど溶けて失われ、歯根だけが残っているような状態です。
歯の神経は完全に死んでしまい、痛みを感じなくなることが多くあります。歯の根の先には膿がたまり、歯茎が腫れたり、膿が排出されたりといった症状が出るのも特徴です。
歯を残すことは難しく、多くの場合は抜歯が必要となります。放置すると虫歯菌が血管を通じて全身に広がり、重篤な感染症を引き起こすリスクもあります。
虫歯のセルフチェックで異常があった場合の対処法

虫歯のセルフチェックで少しでも異常があった場合は、症状を進行させないためにも早めの対処が必要です。
ここでは、虫歯が疑われる場合に取るべき行動を解説します。
様子を見ずにすぐ歯科医院を受診する
虫歯のセルフチェックで少しでも異常があった場合は、様子を見ずにすぐ歯科医院を受診しましょう。
虫歯は初期の段階では自覚症状が少なく、進行してから痛みや違和感が出ることが多いです。自覚症状が出たときには大がかりな治療が必要になる可能性が高くなるため、早期の治療が重要になってきます。
定期検診を受ける重要性は以下記事でも詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
⇒歯医者の定期検診は受けるべき?重要性やメリット・効果的な頻度を解説
ホームケアを強化する
虫歯のセルフチェックで異常を感じたら歯科医院の早期受診が最優先ですが、受診までの間や再発防止のためにホームケアも強化しましょう。
ホームケアの強化においては、特に以下を重視して行うことがポイントです。
- フッ素配合の歯磨き粉を使って丁寧に歯磨きをする
- 食後や間食後は水や洗浄液で口をすすいで、食べかすを早めに洗い流す
- 間食や甘い飲食物の頻度を減らす
ホームケアは虫歯の進行抑制や再発防止の補助的な対策です。セルフチェックで異常を感じたらホームケアだけに頼らず、歯科医院で専門的な診断と治療を受けましょう。
まとめ
虫歯を確かめる方法として、鏡や舌、デンタルフロスを使ったり、症状から判断したりなどがあります。セルフチェックで異変があった場合は虫歯の可能性があるため、症状が進行する前に歯科医院で診断や治療を受けることが大切です。
また、セルフチェックで異変がなくても、目には見えない場所で虫歯が進行していることがあるため、定期的に検診を受けて歯の状態をチェックしましょう。
千歳烏山やの歯科は、お口の健康を守るために拡大鏡を駆使した細やかで精密な治療を提供しています。虫歯や歯周病の初期症状など、肉眼では見落としやすい部分も見逃さずに治療を行うことが可能です。
「歯に気になる症状がある」「虫歯があるか確かめたい」など、些細なことでもお気軽に当院までご相談ください。