親知らずを抜く5つのメリット!デメリットや注意点も詳しく紹介

親知らず 抜くメリット

親知らずを抜くべきか悩んでいませんか?

親知らずは磨き残しが起きやすく、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まりますが、抜歯によって口の健康を守ることができます。

また、歯並びの乱れ予防や将来的な口腔トラブル回避にもつながるなど、親知らずの抜歯には多くのメリットがあります。

ただし、抜歯後の腫れや痛み、日常生活への一時的な影響も考慮する必要があり、抜かずに様子見をしたほうが良いケースも存在します。

この記事では、親知らずを抜くメリットやデメリット、抜いたほうが良いケースや様子見をしたほうが良いケースなどを詳しく紹介します。

親知らずを抜くメリット

親知らず 抜くメリット

親知らずの抜歯は、現在だけでなく将来的な口腔トラブルを回避するうえでも大きな意味があります。ここでは、親知らずを抜くメリットについて詳しく解説します。

虫歯や歯周病のリスクを減らせる

親知らずや周囲の歯は、虫歯や歯周病になりやすい傾向があります。

その理由は、親知らずは口の一番奥に生えるため、歯ブラシが届きにくく汚れやプラークが蓄積しやすくなるからです

生え方によっては歯ぐきが被っている部分に隙間ができ、細菌が繁殖しやすいリスクもあるため、抜歯することで清掃が行き届きやすくなります。

結果的に口腔内全体の清潔維持がしやすくなるため、将来的な虫歯や歯周病の発症リスクを下げ、健康な歯を長く守ることにもつながります。

歯並びや噛み合わせへの悪影響を防ぐ

親知らずは隣り合う奥歯を圧迫し、歯並びが乱れる原因になる可能性があります。

特に斜めや横向きで生えていたり、スペースが足りないまま生えている場合、手前の歯が押されることで歯列全体にズレが生じることも少なくありません

また、噛み合わせが悪くなることで食事時の咀嚼効率が下がったり、特定の歯への負担が蓄積して将来的にトラブルが起こりやすくなります。

そのため、早めに親知らずを抜歯することで歯並びや噛み合わせの悪影響を未然に防ぎ、美しい歯並びを維持しやすくなります。

口臭や炎症などのトラブル予防

親知らず付近は歯磨きが行き届きにくいため、慢性的な腫れや炎症が起こることがあり、これが原因で口臭が発生する場合があります

また、症状が進行すると膿が溜まったり全身症状に発展する場合もありますが、抜歯すればこうしたトラブルの根本原因を取り除くことが可能です。

長期的なお口の健康管理や社会生活におけるエチケット面を考えても、トラブル予防は見逃せない抜歯のメリットとなります。

セルフケアがしやすくなる

親知らずを抜歯することで、奥歯まで清掃器具が行き渡りやすくなり、日々の歯磨きやケアがより効果的に行えるようになります。

親知らずが残っていると、その周囲は複雑で狭い構造になり、歯ブラシの毛先やデンタルフロスが十分に届かないことが多いです。

このため、セルフケアの徹底が難しく、知らず知らずのうちに汚れが蓄積され、他の歯への悪影響につながることがあります

親知らずを抜歯してセルフケアがしやすくなれば、結果的に虫歯や歯周病の予防効果も高まり、口内環境を清潔に保ちやすくなります。

毎日のセルフケアの手間を軽減するためにも、親知らずの抜歯は重要な選択肢です。

若いうちに抜歯すると回復が早くリスクが少ない

親知らずの抜歯は年齢が若いほど治癒力が高く、抜歯後の腫れや痛みも比較的軽く済む傾向があります。

若年層は骨や歯ぐきが柔軟なため、抜歯も比較的スムーズに行えることが多いです。

一方、年齢を重ねるほど骨が硬くなるため、治癒に時間がかかったり、合併症のリスクが高まる場合もあります

抜歯後の回復が早いことで、長期間痛みや不快感に悩まされることも少なく、日常生活への影響を最小限にできます。

もちろん、抜歯のタイミングは歯科医師の診断が必要ですが、早期対応によるメリットが多いことは事実です。

親知らずを抜くデメリット・注意点

親知らず 抜くメリット

親知らずの抜歯は多くのメリットがある一方、いくつかの注意点もあります。ここでは、抜歯を検討する際に知っておきたい注意点について詳しく解説します。

抜歯後に腫れや痛みがある

親知らず抜歯後は、多くの場合で一時的な腫れや痛みが生じます。

これは体の正常な反応で問題はありませんが、特に歯ぐきを切開したり骨を削る必要がある場合はより顕著です。

腫れのピークは術後2~3日程度といわれ、個人差はありますが約1週間ほどで落ち着いてくるケースが一般的です

また、抜歯当日は出血が続くこともあり、食事や会話が不便になる場合が多いため、日常生活への配慮が求められます。

痛みや腫れに対しては、医師から処方された鎮痛薬や冷却ケアで軽減が期待できますが、完全に無症状で済むことはまれだと理解したうえで計画的な抜歯が大切です。

合併症が起きる可能性がある

親知らずの抜歯では、まれに合併症が発生する場合があります。

代表的なのは「ドライソケット」と呼ばれる症状で、抜歯後の血餅が剥がれて骨がむき出しになり、強い痛みが長引きやすくなります

また、細菌感染が起こることで腫れや発熱など追加の治療が必要になることもあり、ごくまれですが抜歯中に骨折や隣接する歯の損傷などが生じるケースもあります。

これらのリスクを下げるためには、術後の指示に従い安静や適切なケアを心がけること、そして異常を感じたら早めに受診することが重要です。

神経や血管を傷つけるリスクがある

下顎の親知らずの場合、歯のすぐそばに神経や大きな血管が走っていることがあり、抜歯の際に傷つけてしまうリスクがあります。

神経が傷つくと、抜歯後に一時的な「しびれ」や「違和感」が生じることがあり、まれに感覚障害が長期にわたるケースもあります

血管損傷の場合は、通常すぐに止血できますが、まれに多量の出血となることもあるため注意が必要です。

費用や通院に手間がかかる

親知らずの抜歯には、費用面や通院回数の負担が伴います。

抜歯が難しい場合や埋まっている場合、1本あたり5,000~10,000円程度(保険適用)の費用がかかることが多いです

さらに、通院はカウンセリング・抜歯・消毒・抜糸など複数回になり、抜歯後の経過観察も含め、数回の受診が必要になることがあります。

特に仕事や学業が忙しい方、遠方から通院する方は、日程や移動の調整が求められるため計画的なスケジュール管理が重要です。

親知らずを抜いたほうが良いケース

親知らず 抜くメリット

親知らずは必ずしも抜歯が必要なわけではありませんが、状況によっては口腔内に関するさまざまな問題を引き起こすことがあります。

ここでは、親知らずの抜歯を推奨される主なケースについて詳しく解説します。

斜めや横向きに生えている

親知らずが斜めや横向きに生えている場合、そのまま放置するとさまざまな問題を引き起こすリスクが高くなるため、抜歯が推奨されます。

斜めや横向きの親知らずは隣の歯を押してしまうことで歯並びが悪くなったり、噛み合わせがずれてしまうこともあります。

また、歯ぐきの中に一部が埋まっていることも多く、清掃が不十分になりがちです

汚れや食べかすが溜まりやすく虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、炎症を引き起こしたり膿んだりするなど、トラブルが慢性化する恐れがあります。

こうしたリスクを未然に防ぐためにも、斜めや横向きに生えている親知らずは早めに歯科医師に相談し、抜歯を検討することが推奨されます。

虫歯や歯周病が進行している

親知らずやその周囲が虫歯や歯周病になっている場合は、悪化を防ぐためにも抜歯を検討すべきケースが多いです。

親知らずは奥まった場所に生えているため、日々のブラッシングが行き届きにくく、気が付いた時にはすでに進行していることもよく見られます。

虫歯が進行すると鋭い痛みや腫れが出るだけでなく、詰め物や被せ物が困難なことが多く、根本的な治療が難しくなる場合もあります。

また、歯周病が進行すると周囲の骨や歯ぐきもダメージを受け、健康な隣の歯にも悪影響が広がりかねません

これらのリスクを回避するためにも、親知らずやその周辺に症状が出ている場合は、早期に抜歯の相談をすることが望ましいです。

隣の歯に悪影響を及ぼしている

親知らずが隣の歯に圧力をかけたり、虫歯や炎症を伝播させたりする場合、放置すると健康だった歯の寿命も縮めてしまうため注意が必要です

特に横向きや斜めに生えている親知らずは、隣の歯の根っこを持続的に圧迫し、歯がぐらついたり、歯根が吸収されてしまうこともあります。

健康な歯を守るためにも、悪影響が明らかな場合は早期に抜歯を検討することが重要です。

他の歯科治療の妨げになる

親知らずが特定の位置や向きに存在することで、矯正治療やインプラント、ブリッジなど他の歯科治療の妨げになる場合があります。

例えば、矯正治療で歯を動かす際、親知らずがあると必要なスペースが確保できず、望む歯並びにならない可能性も考えられます

また、インプラント治療やブリッジの設置箇所に親知らずが影響している場合、計画通りの治療が進められない場合もあります。

スムーズに治療を進めるためにも、親知らずが妨げになる場合は抜歯の必要性について主治医としっかり相談して判断しましょう。

親知らずを抜かないでよい・様子見でよいケース

親知らず 抜くメリット

親知らずは必ずしも抜歯が必要なわけではなく、状況によってはそのまま残しておく、または様子見でよい場合があります。ここでは、代表的なケースについて詳しく解説します。

真っ直ぐ生えていて噛み合わせに問題がない

親知らずが正常に真っ直ぐ生えており、他の歯との噛み合わせにも支障がない場合は、基本的には抜歯の必要はありません。

このような親知らずは、他の歯と同じく機能し、口腔内の健康を損ねるリスクも低いです

ただし、将来的に症状が出てきたり、位置や方向が変わってしまう可能性もゼロではないため、定期的な歯科検診で経過観察を続けましょう。

歯みがきができていて清潔を保てている

親知らずの周囲を丁寧に磨き、清潔を保てている場合は抜歯の必要性は低いです。

特に、歯ブラシやタフトブラシを使いこなしてしっかり清掃できていれば、虫歯や歯周病リスクも最小限に抑えられます

親知らずのケアが難しい方も多いですが、清潔を維持できており、さらに炎症や痛みなどの症状がなければ、様子見で問題ありません。

歯科医師のアドバイスも活用しつつ、引き続き正しいセルフケアを心がけましょう。

高齢で抜歯によるリスクが大きい

高齢の方の場合、抜歯手術に伴う身体的・医療的リスクが若年層より大きくなるため、リスクを考慮して様子見を選択する場合があります

高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などの疾患を抱えている場合や、回復力が低下している高齢者は、抜歯後の治癒が遅れたり合併症の可能性も考えられます。

そのため、痛みや炎症などの症状がなければ無理に抜かず現状維持を基本とし、専門医と相談しながら慎重に判断することが大切です。

将来的に歯の移植に使う可能性がある

虫歯や歯周病がなく保存状態が良好な親知らずは、万が一ほかの大切な歯を失った際に移植歯として利用できる可能性があるため、大切に残しておく選択肢もあります。

歯の移植適応を含めて、歯科医と相談するとより安心です。

まとめ

親知らずの抜歯には、将来的な虫歯や歯周病のリスク低減、歯並びや噛み合わせの維持、炎症や痛みなどのトラブル予防など、さまざまなメリットがあります。

一方で、抜歯後の腫れや痛み、合併症や治療費などのデメリットや注意点も存在します。

親知らずの状態は一人ひとり異なるため、自己判断ではなく、信頼できる歯科医としっかり相談して抜くかどうかを決めましょう。

千歳烏山やの歯科では、患者さまの状況に寄り添い、丁寧なカウンセリングと最適な治療をご提案しています。

親知らずの抜歯でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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