親知らずを抜く最適なタイミングは?抜くべきケースや抜かなくてもよいケースを紹介

親知らずは抜くタイミングに悩む方が多い歯です。
抜くタイミングに絶対的な正解はありませんが、抜歯に適した時期や判断すべきポイントはいくつかあります。
この記事では、親知らずを抜く最適なタイミングや抜歯が必要なケース、抜かなくてもよいケースやタイミングを見極めるポイントについて詳しく紹介します。
親知らずを抜くべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
親知らずを抜く最適なタイミングは?

親知らずを抜くタイミングは、将来の口腔トラブルを防ぐうえで非常に重要です。ここでは、親知らずを抜くおすすめの時期や年齢ごとの注意点について詳しく解説します。
痛みや炎症が出る前の若年期がおすすめ
親知らずを抜く最適なタイミングは、痛みや炎症が起こる前の10代後半から20代前半とされています。
この時期は顎の骨がまだ柔らかく、親知らずの根も完全に形成されていないため、抜歯の負担が少なく済みます。
また、若いほど傷の治りが早く、抜歯後の腫れや痛みも最小限で抑えられます。
親知らずが横向きや斜めに生えていたり、歯茎の中に埋まっていたりする場合は、将来的に虫歯や歯周病などのリスクが高まるため、早めの抜歯が望ましいです。
特に女性の場合は妊娠中の抜歯が難しくなるため、妊娠前に処置しておくと安心できます。
年齢による抜歯のタイミングと注意点
親知らずの抜歯は、年齢によって難易度やリスクが大きく変わります。
10代後半から20代前半は抜歯の負担が最も少なく回復も早いですが、30代以降は骨が硬くなり、抜歯の難易度や術後の回復に時間がかかることが増えます。
40代以降は虫歯や歯周病のリスクも高まり、全身疾患や服薬の影響も考慮した慎重な判断が必要です。
高齢になるほど慎重な判断が求められますが、年齢に関係なく歯科医師と相談しながら適切なタイミングで抜歯を検討しましょう。
親知らずを抜くべきケース

親知らずは、必ずしもすべて抜く必要があるわけではありませんが、特定の症状やリスクがある場合は早めの抜歯が推奨されます。
ここでは、抜歯を検討すべき主なケースを解説します。
痛みや腫れがある
親知らずの周囲に痛みや腫れが生じている場合は、抜歯を検討する大きなサインです。
親知らずは奥に位置しているため細菌が繁殖しやすい環境になりやすく、智歯周囲炎などの炎症や歯茎の腫れ、強い痛みを引き起こしやすくなります。
こうした症状を繰り返す場合、放置すると炎症が広がり、顎の骨や他の歯に悪影響を及ぼすこともあるため、早めの抜歯が勧められます。
痛みや腫れが続くと日常生活にも支障をきたし、痛みが一時的におさまっても根本的な解決にはならないため、歯科医師の診断を受けることが重要です。
虫歯や歯周病のリスクが高い
親知らずは磨き残しが多くなりやすく、虫歯や歯周病のリスクが非常に高い歯です。特に、親知らずが虫歯になった場合は治療が難しく、再発しやすい傾向があります。
また、虫歯や歯周病が進行すると隣接する健康な歯にも悪影響を及ぼすため、将来的なリスクを考慮して抜歯を勧められることが多いです。
症状が軽いうちに抜歯することで、口腔全体の健康を守ることにつながります。虫歯や歯周病の兆候が見られる場合は、早めに歯科医院で相談しましょう。
横向きや埋まった状態で生えている
親知らずが横向きや斜め、あるいは歯茎や骨の中に埋まった状態で生えている場合は、抜歯が推奨されます。
こうした生え方は、隣の歯を圧迫して歯並びを乱したり、汚れが溜まりやすく虫歯や炎症の原因となります。
また、レントゲンで嚢胞や腫瘍が確認される場合も、トラブルを未然に防ぐために抜歯が勧められることが多いです。
抜歯の難易度が高くなることもあるため、症状が出る前や若いうちに処置し、早めの対応で将来的なトラブルを防ぎましょう。
矯正治療や噛み合わせへの影響
矯正治療を検討している場合や、親知らずが噛み合わせに悪影響を及ぼしている場合も抜歯するのが望ましいです。
親知らずが歯列を圧迫し、歯並びの乱れや噛み合わせの不調、顎関節症のリスクを高めることがあります。
この場合、矯正治療の効果を最大限に引き出し、長期的な口腔の健康維持のためにも、事前に親知らずを抜歯することが一般的です。
歯科医師と相談し、最適なタイミングでの抜歯を検討しましょう。
親知らずを抜かなくてもよいケース

親知らずは、必ずしも抜歯が必要なわけではありません。ここでは、親知らずを抜かなくてもよい主なケースについて詳しく解説します。
トラブルが全くない
親知らずが生えていても、トラブルが一切ない場合は基本的には抜歯の必要はありません。
親知らずが健康で、痛みや腫れ、炎症、虫歯、歯周病などのトラブルがない場合、そのまま残しておくことが推奨されることもあります。
実際、親知らずが正常に機能している方も多く、無理に抜歯を行うことでかえってリスクが生じることもあります。
定期的な歯科検診を受けて親知らずの状態をチェックし、将来的に何らかの症状が現れた場合には、すぐに歯科医師に相談できるようにしておきましょう。
真っ直ぐ正常に生えている
親知らずが真っ直ぐ正常に生えており、しっかりと上下の歯と噛み合っている場合も、抜歯の必要性はほとんどありません。
正常な位置に生えている親知らずは、他の奥歯と同じように咀嚼機能を果たすことができるため、むしろ残しておくメリットもあります。
また、親知らずが真っ直ぐ生えていて歯磨きやケアが十分に行き届く環境であれば、虫歯や歯周病のリスクも低くなります。
歯列全体に悪影響を与えず、口腔内で安定している場合は、定期的なメンテナンスを行いながら経過観察を続けることが望ましいです。
高齢で抜歯リスクが高い
高齢者の場合、親知らずの抜歯によるリスクが高まるため、無症状であれば抜かずに経過観察を選ぶことが一般的です。
年齢を重ねると顎の骨が硬くなり、抜歯の難易度が上がるだけでなく、持病や全身疾患、服薬の影響で治癒が遅れることもあります。
さらに、高齢になるほど抜歯後の感染や合併症のリスクも高まるため、慎重に判断しなければなりません。
高齢で親知らずにトラブルがなければ、無理に抜歯を行わず、定期的な歯科検診と口腔ケアを徹底することが重要です。
親知らずを抜くタイミングを見極めるポイント

親知らずを抜く場合は、最適なタイミングを見極めることが重要です。ここでは、タイミングを見極めるポイントについて詳しく解説します。
痛みや腫れの有無を確認する
親知らずを抜く際は、痛みや腫れの有無をしっかり確認することが重要です。
親知らずは生え方や位置によってトラブルが起こりやすく、特に痛みや腫れが繰り返し起こる場合は、炎症や感染が進行している可能性があります。
痛みや腫れが軽度でも、何度も繰り返す場合は抜歯を検討するサインです。
症状が一時的に治まっても根本的な解決にはならないため、違和感があれば早めに歯科医師に相談し、適切なタイミングで抜歯を検討しましょう。
レントゲンやCTで問題が確認された
親知らずの抜歯を検討する際、レントゲンやCTなどの画像診断は非常に有効です。
親知らずが横向きや斜めに生えていたり、歯茎や骨の中に埋まっていたりする場合、将来的に炎症や嚢胞、隣接する歯への悪影響が起こるリスクが高まります。
レントゲンやCTで親知らずの根の形や位置、神経や血管の距離を正確に把握することで、抜歯の必要性やリスクを事前に判断できます。
画像診断で問題が発見された場合は、症状がなくても予防的に抜歯を選択することが推奨されるケースもあります。
画像診断の結果をもとに、歯科医師と相談しながら最適なタイミングを検討しましょう。
重要なライフイベント前
親知らずの抜歯は、重要なライフイベントの前に行うのが望ましい場合があります。
- 受験
- 就職
- 結婚
- 妊娠
- 海外留学
長期的に忙しくなる時期や医療機関の受診が難しくなるタイミングでは、親知らずのトラブルが大きなストレスや障害となる可能性があります。
特に妊娠中は、麻酔や薬の使用に制限があるため抜歯が難しくなる場合があります。事前に親知らずの抜歯を済ませておけば、急な痛みや腫れに悩まされるリスクを減らせます。
将来の予定を見据えて、余裕のある時期に抜歯を計画することが、安心してイベントを迎えるための大切なポイントです。
歯並びや噛み合わせに悪影響が出ている
親知らずが歯並びや噛み合わせに悪影響を与えている場合は、抜歯を検討するタイミングです。横向きや斜めに生えていると、隣の歯を押して歯列全体が乱れる原因になります。
また、噛み合わせが不安定になることで、食事や発音、顎関節に負担がかかることもあり、矯正治療中は治療効果を妨げることもあります。
歯並びや噛み合わせに少しでも違和感がある場合は、早めに歯科医師に相談し、抜歯のタイミングを見極めましょう。
歯科医の判断を仰ぐ
親知らずを抜歯するタイミングは個人差が大きいため、最終的には歯科医師の専門的な判断を仰ぐことが重要です。
レントゲンやCTなどの画像診断、口腔内の状態、全身の健康状態などを総合的に判断し、最適な抜歯時期を提案してもらうことができます。
また、抜歯の必要がない場合でも、定期的な検診や経過観察を続けることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことが可能です。
迷ったときは自己判断せず、必ず専門家のアドバイスを受けましょう。
まとめ
親知らずを抜く最適なタイミングは、痛みや炎症が起こる前の10代後半から20代前半とされていますが、さまざまな要素を含めて総合的に判断することが大切です。
また、必ずしもすべての親知らずを抜く必要はありませんが、トラブルを未然に防ぐためには早めの相談と適切な判断が求められます。
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