歯が欠けたのに痛くないのはなぜ?放置するリスクと実際の治療方法について解説

歯が欠けた 痛くない なぜ

歯が欠けてしまったのに痛みがないと、このまま様子を見るか、歯医者に行くべきか迷ってしまう方は多いかもしれません。

しかし、痛みがなくても欠けた状態で放置しておくと、思わぬトラブルや深刻なリスクを招く可能性があります。

歯が欠けたのに痛くない理由や、放置した場合のリスク、治療法や応急処置まで幅広く解説します。

この記事では、歯が欠けて痛みがない理由や放置するリスク、治療方法について詳しく解説します。

歯が欠けたのに痛くない理由

歯が欠けた 痛くない なぜ

歯が欠けたけど痛くない状態にはいくつかの理由があります。無症状でも歯や全身の健康に影響する場合があるため、安易な放置は推奨できません。

ここでは、歯が欠けたのに痛くない理由について解説します。

欠けが歯の神経に達していない

歯は表面のエナメル質、中の象牙質、一番奥の歯髄(神経)の三層構造になっています。

エナメル質や浅い象牙質までの欠けの場合は神経に達していないため、痛みや大きな違和感が出ないことがほとんどです

軽い欠けなら食事や会話も普通にできてしまうため、問題意識を持たずに放置しやすくなります。

しかし、たとえ痛みがなくても、守られていた部分から菌が侵入すれば虫歯や炎症が進行してしまうリスクは十分にあります。

無症状でも歯科健診を受けることが悪化予防の大切なポイントです。

虫歯や外傷で神経の機能が低下・壊死している

長期間進行した虫歯や強い衝撃を受けた場合、歯の神経はダメージを受けて機能が低下したり、壊死して反応しなくなることがあります。

神経が機能していない状態だと、本来強い痛みや熱さ・冷たさを感じるはずの状況でもほとんど自覚症状がありません

欠け自体や内部感染の進行にも気付きにくく、治療が遅れるケースも多いです。

無痛に隠れて深部で炎症や膿が発生し、場合によっては抜歯や重度の手術が必要になることもあります。

症状が穏やかでも過去の虫歯や外傷歴があれば油断は禁物です。

神経をすでに抜いている

根管治療(歯の神経を抜く治療)を受けた歯は、痛みや温冷刺激を全く感じません。

そのため、被せ物や詰め物の下で歯が欠けたりヒビが入っても、全く無症状で経過してしまうことがあります

感覚がないことでトラブル発見が遅れると、気づけば壊れていた・歯根が割れていたということも珍しくありません。

神経を抜いた歯ほど定期的なチェックや被せ物の耐久性確認が必要です。違和感がない場合でもトラブルの温床になりやすいため、注意しましょう。

歯が欠けたまま放置するリスク

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痛みがないことを理由に歯の欠けを放置すると、後々取り返しがつかない事態を招きかねません。とくに症状が出にくい場合ほどリスクが高まります。

ここでは、歯が欠けたままでいることで生じるリスクについて解説します。

虫歯・感染症の進行

欠けた部分は形状が不規則で、食べカスやプラークが溜まりやすい状態です。

そこから細菌が内部に侵入しやすくなり、虫歯が急激に進んだり歯の神経や歯根に感染が波及することもあります

歯の内側で炎症や膿が発生するリスクも高くなり、放置期間が長いほど治療も複雑化します。表面だけでなく深い組織へとトラブルが進まないよう、早期対処が重要です。

知覚過敏や将来的な痛みが発生

エナメル質がはがれて象牙質が露出した部分は外部刺激に弱くなり、冷たいものや甘いものがしみる知覚過敏が突然発症することがあります。

はじめは無症状でも、時間が経つにつれ刺激への耐性が下がり、将来的に強い違和感や痛みが出やすくなるおそれがあります。

我慢すれば治るものではないため、不快感や異変が小さいうちに治療を受けることが、快適な毎日を守る鍵です。

欠けた部分がさらに大きくなる

最初は小さな欠けでも、日々の咀嚼や歯ぎしりの負担が蓄積することで範囲が拡大しやすくなります。

一度不安定になった組織は、わずかな刺激でも連続的に割れたり欠けたりしてしまい、放置するほど修復困難な状態になる可能性があるため注意が必要です。

ひどい場合は歯の保存が難しくなり、抜歯やインプラントを選択せざるを得ないケースもあるため、早期に治療を受けましょう。

隣接する歯やかみ合わせへの影響

噛み合わせのバランスが崩れると、一部の歯に過剰な力がかかり、隣の歯までヒビや欠けが連鎖的に生じることもあります

また、鋭利な部分が舌やほほの粘膜を傷つけて口内炎になったりするほか、全体の歯並びや顔つきにも悪影響が出る可能性があります。

たった1本の欠けでも、口内の健康に影響を及ぼす可能性は軽視できません。

歯が欠ける主な原因

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歯が欠けてしまう背景には、日々の生活習慣や体質などさまざまな要因が関係します。

ここでは、歯の欠けを引き起こす主な原因について解説します。

虫歯や歯質の脆弱化

虫歯が進行すると、歯の内部が虫歯菌によって溶かされ、歯の組織がもろくなっていきます

この状態では、少し硬いものを噛んだだけでも簡単に欠けたり、歯が折れたりしてしまうこともあります。

また、加齢によるエナメル質の摩耗や、重度の歯周病による歯の支持組織の減少も、歯の破折リスクを高める要因です。

先天的に歯質が弱い方、色の変化やざらつきを感じる場合は、歯科での検査をおすすめします。日々のセルフケアでは限界があるため、違和感がある場合は迷わず相談しましょう。

歯ぎしり・食いしばり・噛み合わせの異常

歯ぎしりや食いしばりが慢性的に続くと、歯に過剰な力がかかり、エナメル質に微細な亀裂が生じやすいです。

これらが繰り返されることでヒビが深くなり、突然歯が一部欠けたり根元から割れたりするケースも見られます。

さらに、噛み合わせが悪い場合は一部の歯に負担が集中し、少しの力で破損してしまうこともあります。

予防には、マウスピースの装着や歯列矯正による調整が有効です。就寝中の歯ぎしりに心当たりがある方は、早めの対処が予防につながります。

転倒や強い衝撃などの外傷

転倒やスポーツ中の接触、交通事故など、外部から強い衝撃が加わると、健康に見える歯でも割れたり欠けたりすることがあります。

特に前歯は顔の中心にあり、打撲などの影響を受けやすいためリスクが高くなります。

外傷の直後は痛みがなくても、歯の内部に見えないダメージが隠れていることもあるため注意が必要です。

スポーツ時にはマウスガードを使用し、万一ぶつけた場合もすぐに歯科で検査を受けることが大切です。

酸蝕歯や加齢による歯の変化

炭酸飲料・スポーツドリンク・柑橘類など、酸性の飲食物を継続的に摂取していると、歯の表面のエナメル質が徐々に溶かされ、酸蝕歯の状態になります。

エナメル質が薄くなると、歯がしみたり欠けやすくなったりするため、リスクが高まりやすいです。

また、年齢を重ねるとエナメル質の摩耗や象牙質の露出によって、歯全体がもろくなりやすくなります。

酸性食品を口にした後は、うがいや水分補給を心がけ、定期的な歯科検診で状態をチェックすることが予防につながります。

歯が欠けたときの正しい応急処置

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万が一歯が欠けてしまったとき、応急的な対応方法を知っていると、二次的な悪化や細菌感染を防ぎやすくなります。

ここでは、歯が欠けたときの適切な応急処置について解説します。

歯科受診までの保存方法

欠けた歯の破片が手元にある場合は、乾燥させず清潔に保管するのが基本です。

生理食塩水や牛乳に浸して保存し、すぐに歯科医院に持参すると修復に活用できることがあります

水道水で軽く洗い、ティッシュに包まずそのまま密閉容器に入れることが望ましいです。できるだけ早く受診することで、修復できる可能性が高まります。

患部を清潔に保つ・強い刺激を避ける

患部は極めてデリケートな状態になっているため、舌や指で触れないよう意識し、歯みがきやうがいもやさしく行って感染リスクを下げましょう

口にする物は、刺激を受けやすいような熱い・冷たい・酸っぱい食べ物や飲み物は避けるのが望ましいです。

腫れや強い痛みが出た場合はすみやかに歯科医院を受診し、自己判断による市販薬の使用は控えることが大切です。

歯の欠けの度合い別の治療方法

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歯の欠け方や損傷の範囲によって、必要な治療法は異なります。

ここでは、「小さな欠け」「中程度の欠け」「大きな欠けや神経露出時」に分類して、治療内容を解説します。

小さな欠け

エナメル質の一部が欠ける程度の軽度な損傷であれば、歯科用のコンポジットレジンを使った修復が一般的です。

欠けた部分をなめらかに整えた後に、色や形状を周囲の歯に合わせて樹脂を盛りつけ、光で硬化させて仕上げます。

即日・短時間で処置できるうえ、保険適用内で対応できる場合も多く、患者の身体的・経済的負担が少ないのが特徴です。

処置後は、再び欠けたり摩耗したりしないよう、歯みがきや生活習慣の見直しが重要です。

中程度の欠け

象牙質まで達するような欠けや、歯の面積の一部が失われるような中等度の損傷には、インレー(部分的な詰め物)やクラウン(被せ物)といった補綴治療が選択されます

特に噛み合わせ部分を含む場合、咀嚼機能回復のためにも強度のある素材が必要です。

治療前には虫歯や歯髄への感染の有無を確認し、必要があれば細菌除去のための処置を加えます。

また、咬合性外傷の可能性がある場合には、マウスピースや歯列調整を並行して行うこともあります。

持続性と機能性を両立させるためには、個々の噛み癖や生活スタイルに合わせた設計が不可欠です。

大きな欠けや神経露出時

歯の欠けが深く、歯髄(神経)にまで達していたり露出していたりする場合は、まず感染を防ぐための処置が優先されます。

多くのケースでは、根管治療(根の中の神経や細菌を取り除く治療)を行ったうえで、歯の強度と機能を回復させるためにクラウンを装着します。

患部の炎症が進行している場合には、抗生剤を使用したり一時的な根管内貼薬で状態を安定させてから補綴治療へと進む流れになることもあります。

歯の崩壊が大きすぎて土台を作るだけの歯質が残っていない場合は、抜歯が必要になる症例も少なくありません。

いかに早期発見し、保存可能な状態で治療を開始できるかが、その後の治療負担に大きく影響します。

まとめ

歯が欠けたのに痛みがない場合でも、必ずしも問題がないとは限りません。

神経に達していなかったり、すでに神経が死んでいることで痛みを感じていないだけというケースも多く、放置すると深刻なリスクを招くおそれがあります。

欠け方や症状によって治療法は異なりますが、早期発見と適切な処置が何よりも重要です。応急処置を知っておくことで、トラブルの悪化を防ぐことも可能になります。

少しでも異変を感じたら、「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、歯科医院での検査と治療を受けることが重要です。

千歳烏山やの歯科では、なるべく削らない・抜かない・痛みの少ない治療を重視し、患者さま一人ひとりに合わせた最適なケアを提供しています。

歯が欠けて心配という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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