虫歯じゃないのに奥歯が痛い原因は?対処法やNG行動を解説!
歯が痛い原因は虫歯だけではありません。例えば、歯のかみ合わせや神経痛、歯周病、歯肉炎など、考えられる原因は多岐にわたります。
原因に応じて適切な対処法が異なるため、歯科医院を受診してしっかりと原因を突き止めることが大切です。
この記事では、虫歯ではないのに奥歯が痛いときに考えられる原因や対処法、NG行動などを詳しく紹介します。
虫歯じゃないのに奥歯が痛む原因
虫歯じゃないのに奥歯が痛むときは、以下の原因が考えられます。
- 親知らず
- 歯の噛み合わせが悪い
- 歯ぎしりや食いしばり
- 神経痛や偏頭痛
- 歯髄炎
- 歯周病
- 歯肉炎
- 象牙質知覚過敏
- 筋肉の痛み
ここでは、9つの原因についてそれぞれ詳しく解説します。
親知らず
親知らずは歯の一番奥に生える永久歯で、先天的に見えない人や存在していても埋まっていて見えない場合もあります。
親知らずが痛むときの原因は大きく4つです。
- 歯が生えてくるときの痛み
- 虫歯や歯周病になっている
- 智歯性周囲炎
- 歯性感染症
親知らずは、歯茎から飛び出すときに歯肉や隣の歯を押し出すため、痛みを感じることがあります。
また、親知らずがまっすぐ生えてくれば痛みは治まりますが、斜めや横向きに生えてくると痛みが長引くこともあり、歯科医院の受診が必要です。
そのほかにも親知らずが虫歯や歯周病になっていたり、智歯性周囲炎や歯性感染症にかかっている場合も痛みが出ることがあります。
奥歯周辺が痛くなったときは放置せず、すぐに歯科医院で診てもらいましょう。
歯の噛み合わせが悪い
歯の噛み合わせが悪い場合、痛みを感じることがあります。
歯の治療で詰め物や被せ物をした際に高さが合わず、歯に痛みが生じるケースが多いです。
高さがあっていない状態を放置したままにして置くと、歯に大きな負担がかかり、顎関節症を発症したり歯の神経が死んで炎症が大きくなったりする恐れがあります。
このような状態になると歯の痛みだけでなく、頭痛を引き起こすリスクもあるため、歯の噛み合わせが悪いと感じたらすぐに高さを調整してもらいましょう。
歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをする癖があると、歯がひび割れて痛みが生じることがあります。
歯のひび割れは最初は痛みがなくても、放置しておくとひび割れが大きくなったり、細菌感染により突然痛みが出ることがあるため、放置は禁物です。
根まで割れた場合は抜歯が必要になるため、拡大する前に歯科医院を受診しましょう。
また、歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちにしてしまうケースが多いため、マウスピースを装着する方法で対策するのが一般的です。
マウスピースの作成については、歯科医院で相談してみましょう。
神経痛や偏頭痛
口周辺の神経が傷つくと、奥歯に痛みを感じることがあります。
これは神経障害性歯痛と呼ばれるもので、症状は突然痛みが走る突発性神経痛と、鈍い痛みが続く持続性神経痛の2種類です。
突発性神経痛は口周辺にある三叉神経が原因で起こるもので、ほかにも偏頭痛や群発頭痛が原因で奥歯が痛むこともあります。
歯髄炎
歯髄炎は、歯の内部に通っている神経が細菌感染を起こして痛みが出る症状です。
症状が軽い場合は飲み物や風などで一時的に痛みが出る程度ですが、症状が進行すると暖かい飲み物でも痛みを感じるようになります。
症状が深刻化すると、最終的には神経を取り除かなくてはいけません。
歯髄炎は虫歯を放置すると引き起こされるものであるため、虫歯を発見したら早期治療に努めることが大切です。
歯周病
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯茎や歯を支える骨が溶けてしまうのが主な症状です。
最初は痛みがなくても、歯肉炎を発症することで歯周ポケットの中で細菌が繁殖して歯が動くようになり、徐々に痛みが出てきます。
最終的には抜糸を検討しなくてはいけないケースもあるため、注意が必要です。
また、歯周病を発症すると歯が痛むだけでなく、歯周病菌や菌の出す毒素が血流に乗って全身に運ばれることで、糖尿病や冠動脈心疾患などの疾患を引き起こす恐れがあります。
歯肉炎
歯肉炎は歯茎が炎症を起こした状態で、歯茎の赤みや腫れ、出血などが主な症状です。
歯の間に詰まった食べかすが原因で引き起こされるもので、汚れによって細菌が繁殖すると歯茎に炎症が起きて痛みが出てきます。
歯肉炎は放置しておくと歯周病に進行する恐れがあるため、歯茎に異常が見られたらすぐに歯科医院を受診しましょう。
象牙質知覚過敏
奥歯が痛む原因の一つに、象牙質知覚過敏が挙げられます。
歯の外側を覆っているエナメル質が虫歯の進行で溶かされ、象牙質が露出することで冷たいものや刺激物が染みやすくなっている状態が象牙質過敏です。
主に虫歯が原因で発症するケースが多いですが、歯周病や加齢で歯肉がやせ細ることでも発症します。
筋肉の痛み
咀嚼筋の炎症によって奥歯に痛みが生じることがあります。
歯科医院のレントゲンや触診で歯に異常が見られない場合は、筋肉が炎症を起こしている可能性が考えられます。
痛みのある部分をマッサージしたり温湿布を貼ったりすることで、症状が改善されるケースが多いです。
虫歯じゃないのに奥歯が痛むときの対処法
虫歯じゃないのに奥歯が痛むときは、以下の対処法を試してみてください。
- 歯に挟まった汚れを取り除く
- 痛みのある部分を冷やす
- マッサージ
- 痛み止めを服用する
- 歯科医院を受診する
ここでは、5つの対処法についてそれぞれ詳しく解説します。
歯に挟まった汚れを取り除く
歯の間や歯肉に食べ物が押し込まれた状態だと、歯が痛むことがあります。
歯ブラシで取り除けない場合は、デンタルフロスや先端が細いタフトブラシを使って汚れを取り除きましょう。
また、汚れが詰まっている場合の他に、細菌が原因となり痛みが引き起こされるケースもあります。丁寧な歯磨きを心がけ、口腔内を清潔に保つようにしましょう。
痛みのある部分を冷やす
歯に炎症が起きている場合、炎症している部分を冷やすことで痛みを和らげられます。
しかし、冷やし方によっては逆効果になることもあり、歯に直接氷を当てると刺激が強すぎて痛みが悪化する恐れがあるため注意しましょう。
直接冷やすのではなく、氷でくるんだタオルや水で濡らしたタオルを使い、外側から冷やすようにしてください。
手がふさがるのが嫌な場合は、解熱シートを頬に貼る方法もおすすめです。
マッサージ
筋肉の炎症が原因で痛みが引き起こされている場合は、マッサージも有効です。マッサージや温湿布で筋肉をほぐすことで、歯の痛みが軽減されることがあります。
また、パソコンを長時間使用するなど同じ姿勢を続けていると、筋肉が緊張して筋・筋膜性歯痛を引き起こすことがあるため、休憩時間に筋肉を動かすなどの工夫も大切です。
痛み止めを服用する
応急処置ですぐに歯の痛みを抑えたい場合は、痛み止めの服用がおすすめです。市販の痛み止めを購入する際は、効果欄に歯の痛みと記載されているものを選びましょう。
痛み止めは服用してから効果が現れるまでに時間がかかるため、それまでは他の対処法を試して痛みを和らげるようにしてください。
歯科医院を受診する
歯の痛みが出たら、歯科医院を受診しましょう。
歯の痛みの原因はさまざまであるため、自分では何が原因で痛みが起きているのか判断しづらいです。
虫歯や歯周病が起きていれば歯科医院で治療が受けられ、ほかの病気が原因でも痛みを和らげるためのアドバイスがもらえます。
夜間や土日に我慢できないほどの痛みが起きたら、救急センターを受診するのがおすすめです。
奥歯が痛むときにやってはいけない行動
奥歯が痛むときにやってはいけない行動は以下の2つです。
- 患部を直接触る
- 激しい運動や入浴
ここでは、それぞれのNG行動について詳しく解説します。
患部を直接触る
痛みのある部分は直接触ってはいけません。これは、直接触れることで指に付着している細菌が患部に侵入し、症状が悪化する恐れがあるためです。
指で触るのはもちろんのこと、なるべく舌でも触らないようにしましょう。
また、患部への刺激をできるだけ少なくするために、歯を磨くときも力を入れすぎないように注意してください。
激しい運動や入浴
血行が促進されると痛みが悪化する恐れがあるため、激しい運動や入浴は控えましょう。
歯に痛みがあるときは湯船に浸かることは避け、ぬるま湯のシャワーで済ませるようにすることが大切です。
また、同じく血行を促進する恐れがあるNG行動として飲酒が挙げられます。
お酒を飲むと神経中枢が麻痺することで痛みが一時的に和らぎますが、酔いが醒めたころに痛みが悪化する恐れがあります。
タバコも症状を悪化させる原因となり得るため、普段から飲酒・喫煙習慣がある方は注意してください。
まとめ
虫歯じゃないのに奥歯が痛むときは、虫歯の他にもさまざまな原因が考えられます。
例えば、親知らずや歯ぎしり、食いしばり、神経痛などが挙げられ、いずれにしても歯科医院で診てもらうことが大切です。
自己判断で応急処置をしただけでは原因を正しく突き止められず、根本的な原因を改善できません。
歯科医院できちんと痛みの原因を診断してもらって治療を受けるようにしましょう。
千歳烏山やの歯科では、患者様一人ひとりの話をよく聞いて、口腔状況に合った最適な治療を提案しています。
虫歯治療はもちろん、予防歯科や歯周病治療にも対応しているため、まずはお気軽にご相談ください。