歯石取りは意味がないって本当?重要性やメリット・デメリットを解説
歯石について意識する機会はそう多くはありません。
歯科検診などで指摘されたタイミングで歯石に意識を向けるくらいではないでしょうか。
歯石取りについてネットで調べると、歯石取りには意味がないといった内容を目にすることもあるでしょう。
しかし、歯石取りにはしっかりと意味や目的があります。
この記事では、歯石取りとはどういったものなのかや、行うメリット、歯石が原因となり引き起こす口内トラブルや日々の生活で気をつけるべきポイントを解説します。
歯石取りに興味関心のある方に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
歯石取りは意味がない?
「歯石取りは意味がない」といわれることがありますが、結論から言うと、歯石取りには重要な意味や目的があります。
歯石はケアが不十分だと一度しっかり取り除いても再度付着し、定期的に歯科医院に通わなければならないため、「意味がない」と感じる方も多いようです。
また、歯石取りでは痛みを感じたり、出血したりすることもあるため「取らない方がいい」といわれるのかもしれません。
しかし、歯石が溜まったまま放置すれば、虫歯や歯周病を引き起こし、口臭の原因にもなるなど、デメリットは大きいです。
ここからはそもそも歯石とはどのようなものなのか、歯石取りのデメリット・メリットは何なのかについて解説していきます。
そもそも歯石とは?
歯石とは、歯垢が歯に付着した状態で放置され、石のように硬くなった状態のものです。
唾液に含まれる成分が付着し続けることで、歯垢の性質が変化し、結果として歯石になるのです。
歯垢は柔らかくブラッシングで取り除けますが、歯石になってしまうとブラッシングでは基本的に処理できません。
歯石は表面が凸凹しており細菌が住み着きやすくなっています。
住み着いた細菌が繁殖し、口臭や歯周病などの口腔内のトラブルや疾患を引き起こすため注意が必要です。
歯石をブラッシングで取り除くことは現実的に難しいため、定期的に歯科医院で歯石取りを行うことが重要となってきます。
歯石取りの4つのメリット
歯科医院で歯石取りを受けるメリットは大きく4つあります。
- 虫歯・歯周病を予防できる
- 口臭を抑制できる
- ブラッシングの効果が高まる
- 歯の着色汚れを落とせる
1つずつ順番に解説していきます。
1.虫歯・歯周病を予防できる
歯石を取り除くと歯周病や虫歯を予防できます。
歯周病や虫歯の原因は口腔内に繁殖したミュータンス菌などの細菌です。
歯石を取り除くことで、細菌の繁殖を抑制し、結果的に歯周病や虫歯の予防が可能です。
また、歯石取りを行うことで、歯ぐきの腫れや出血も抑えられます。
歯と歯ぐきの間には歯周ポケットと呼ばれる溝があり、ケアが行き届きにくいため歯垢・歯石が溜まりやすいです。
歯石取りでは歯周ポケット内の歯石まで取り除くため、結果として歯周病の予防にもつながります。
2.口臭を抑制できる
歯石取りは口臭を抑える効果もあります。
口臭の原因は、口腔内の細菌が食事などに含まれるたんぱく質を分解する際に発生する揮発性のガスです。
歯石取りを実施すると、細菌の住処となる歯石が取り除かれ、結果として口臭の予防につながります。
口臭が気になる方は、ブラッシングだけでは歯石の除去は困難なため、歯科医院で歯石取りやクリーニングを受けるようにしましょう。
3.ブラッシングの効果が高まる
歯石取りを行うと、自宅でのブラッシング効果も高まります。
歯石が溜まっている状態では歯の隅々まで歯ブラシが届きにくくなり、ブラッシングの効率が低下します。
効率の悪いブラッシングを続けていると、取り残した汚れが蓄積し虫歯や歯周病につながるため注意が必要です。
歯石取りを実施し、しっかりと取り除くことで歯磨きがしやすい口腔内の環境づくりに努めましょう。
4.歯の着色汚れを落とせる
歯石が付着すると歯の表面が凸凹した状態になり、細菌だけでなくさまざまな汚れも付着しやすくなります。
普段あまり意識しないかもしれませんが、コーヒーやカレー、ワインなど食事や飲み物には色残りしやすいものが数多くあります。
歯石取りを実施すると、歯石に着いた汚れもまとめて取り除けるため、結果的に着色汚れが落ち、歯をきれいにできます。
歯石取りの3つのデメリット
ここでは、歯石取りのデメリットといわれる点を紹介します。
- 歯ぐきから血が出る場合がある
- 知覚過敏になる場合がある
- 歯の隙間が広くなる場合がある
1.歯ぐきから血が出る場合がある
歯石取りを行うと、高い確率で歯ぐきから出血します。
理由としては、歯石の付着部分は高確率で炎症を起こしており、わずかな刺激でも出血しやすいためです。
また、歯周病の原因となる歯周ポケットに沈着した歯石を除去する場合はほぼ出血してしまいます。
しかし、出血を恐れて歯石取りを実施しなければ歯周病になる可能性・悪化する可能性が高いため、リスクを取ってでも歯石は取る価値があるといえるでしょう。
2.知覚過敏になる場合がある
歯石取りによって歯石に覆われていた象牙質が露出することで、知覚過敏が生じることがあります。知覚過敏とは、冷たいものや甘いものを食べたときに歯に感じる一過性の痛みです。
歯石取り後の知覚過敏は一時的な症状であることが多いため、あまり心配する必要はないでしょう。
知覚過敏の症状が出ることを恐れ歯石取りを行わないと歯周病が悪化する可能性があるため、歯石取り口腔内を清潔な状態に保つことが大切です。
3.歯の隙間が広くなる場合がある
歯周病などで歯ぐきの位置が下がり、その部分を歯石が埋めていた場合、歯石取りを行うとスカスカした印象を受ける場合があります。
歯石取りによって歯の隙間が広くなる、スカスカした印象を感じたとしてもあくまでも一時的なものであることが多いです。
歯ぐきの位置が下がる原因である歯周病が改善すれば歯ぐきは引き締まり、違和感も解消されていきます。
積極的に歯石取りを実施し、口腔内の状況改善を目指しましょう。
歯石を放置することで起こる口内トラブルとは
歯石は口腔内にどのような影響を与えるのかは気になるところです。
歯石を原因として起きる口腔内のトラブルの代表格は以下の2つです。
- 歯周病
- 口臭の悪化
1つずつ順番に解説していきます。
1.歯周病
歯周病とは、細菌を原因として発症する炎症性の疾患です。
歯の周りの歯ぐきが炎症を起こして赤くなる・腫れる・膿が出るといった症状が起こり、進行すると歯を支えている骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です。
歯周病は歯を失う原因であるにもかかわらず、初期は痛みがほぼないため、気付かないうちに進行してしまっているケースも少なくありません。
痛みがないからといって放置しておくと膿が出たり歯がグラグラと動いたりし、最終的には歯が抜けてしまう危険性もあるため注意が必要です。
歯周病の原因は、歯垢や歯石に住み着く細菌です。
歯垢の段階であればブラッシングで除去もできますが、歯石になってしまうとブラッシングでの除去は困難になってしまいます。
一生付き合う歯を守る意味でも、歯周病が悪化する前に歯科医院で取り除くようにしましょう。
2.口臭の悪化
歯石や歯垢は、口臭の悪化につながります。歯石には、細菌の死骸や血液・浸出液なども含まれ、放置すると独特な臭いを放つようになり口臭となって現れます。
周囲を不快にさせてしまう、コンプレックスになるといったデメリットの他、口臭が気になって消極的になってしまうケースもあり、仕事や日常生活に支障が出てしまうこともあります。
口臭は本人には自覚症状がない場合が多く、周りの人に指摘されて気がつくことも少なくないようです。
周りに指摘をされる前に定期的に歯科医院に通い、歯石取りを実施して口臭の予防に努めましょう。
普段の生活でできる歯石対策
歯石は放置してしまうとさまざまなトラブルを引き起こします。
普段の生活でできる歯石対策を行って、歯石を予防しましょう。
- 丁寧で効果的なブラッシングを身につける
- 定期的に歯科医院で歯石クリーニングを受ける
ここからは、上記の歯石対策について1つずつ順番に解説していきます。
丁寧で効果的なブラッシングを身につける
日常生活で意識して改善できる点として、ブラッシングがあります。
丁寧で効果的なブラッシングを身につければ歯への歯垢残りを防ぐことができ、結果として歯石の抑制につながります。
歯石が付着しやすい人は、歯科医院で適切なブラッシングの方法や道具の使い方を聞き、日々の生活の中で実践していきましょう。
歯科医院で磨き残しの多い部分、しっかりと磨けていない部分などを教えてもらうことで、効果的な歯石対策ができますよ。
定期的に歯科医院で歯石クリーニングを受ける
歯垢はブラッシングで落とせますが、歯石はブラッシングでの除去は難しいです。
しっかりとブラッシングをしていても歯垢は少しずつ堆積してしまうため、定期的に歯科医院で歯石クリーニングを受けましょう。
歯石クリーニングの際に、自身のブラッシングのクセなどをチェックしてもらうのもいいでしょう。
まとめ
「歯石取りは意味ない」といわれることがありますが、実際はしっかりとした意味や目的があります。
歯石を放置しておくと、虫歯や歯周病リスクの上昇、口臭などのさまざまな問題を引き起こしてしまいます。
歯垢を放置すると歯石に変化し、セルフケアが難しくなるため日々のセルフケアを意識し歯垢の除去・蓄積予防に努めましょう。
千歳烏山やの歯科医院では、定期検診だけでなく日々の生活で意識できる口腔ケア・生活習慣のアドバイスなども実施しています。
歯は一生付き合う存在であるため、健康な状態の維持は重要です。
どんな小さなお悩み事でも気になさらず、いつでも気軽にご相談ください。