予防歯科は必要?5つのメリットと日常生活でのセルフケアを徹底解説!
近年日本でも意識されつつある予防歯科ですが、そもそも歯医者に行くのは嫌いだという方も多いのではないでしょうか。
予防歯科に定期的に通うことで、将来残せる歯の本数に大きな差が出ます。また、きれいな歯を維持することは健康寿命にも関わります。
大切な歯を失わないためには、予防歯科で口内環境を良好に保つことが大切です。
この記事では、予防歯科のメリットと、定期的に行うべきセルフケアについて解説しています。
歯の健康が気になっている方は、ぜひ予防歯科の知識を深めておきましょう。
予防歯科の必要性とは?
近年、日本では「予防歯科」が注目され始めています。欧米ではすでに、歯科医院で定期健診を受け、歯科医師や歯科衛生士と日常的に歯と口の健康管理を実践することが習慣化されています。
予防歯科とは、虫歯など歯が進行してから治療するのではなく、進行する前に予防することです。
歯とお口の健康を積極的に守るために、歯科医院などでの「プロフェッショナルケア(専門的な治療)」と、歯科医師や歯科衛生士の指導のもとでの日々の「セルフケア」の両面から「予防歯科」を実践しましょう。
そのためには、歯科医院での定期検診が重要です。
予防歯科の治療内容
予防歯科の主な治療には、以下の3つの項目があります。
- 診察・診断
- プロケアとセルフケア指導
- 経過観察・メンテナンス
それぞれの治療内容についてみていきましょう。
診察・診断
レントゲン写真と照らし合わせながら、お口の中の状態を確認します。
主に、歯垢や歯石の付き具合、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝の深さ)の測定、虫歯・歯周病の有無、噛み合わせや粘膜の状態などを観察していきます。
プロケアとセルフケア指導
歯科医師がお口の中をチェックした後、歯科衛生士が専用の器具でお口の中の汚れを丁寧に除去します。
歯科医院で定期的に予防治療を行なっているからといって、自分でお手入れする必要がなくなるということはありません。
歯科医院でプロが行うメンテナンスはもちろん大切ですが、毎日のセルフケアも予防歯科には欠かせません。
また、歯の生え方や生活習慣による口腔内の環境によって、ブラッシングの方法は異なります。
そのため歯科医院では、患者さまそれぞれの口内の状態を確認しながら、最適な手入れの仕方を指導します。
経過観察・メンテナンス
定期的に歯科医院に通うことで、健康な口腔内環境を維持することができます。
定期的な経過観察・メンテナンスを行うことで、将来的に歯を失う割合が大幅に減少することは医学的にも明らかになっています。
メンテナンスでは、プロの手によるクリーニングで、虫歯や歯周病の原因となるバイオフィルムを除去し、フッ素を塗布して歯や歯根の抵抗力を高めます。
適切なメンテナンスの頻度は、歯周病の進行度合いや個人のブラッシングの状況次第で異なりますが、およそ3~4ヶ月に一度の間隔で行うと良いでしょう。
予防歯科の5つのメリット
予防歯科の最も重要なメリットは、虫歯や歯周病など、歯を失うことにつながる病気を予防できることです。
しかし、それ以外にも様々なメリットがあります。ここでは主なメリットを5つ紹介します。
自分の口腔内の現状を知ることができる
予防歯科に通い続けることで病気を防ぐだけではありません。
歯並びや噛み合わせ・親知らずなど、トータルで自分の口腔内の状態を知ることができるようになるのです。
歯に対する意識の向上
定期的に歯科医院に通うことで、歯に対する意識が高まります。
それだけでなくセルフケアや食生活が改善され、健康なお口ときれいな歯並びを維持することができるようになります。
大切な天然歯が守れる
「虫歯になってから治療すればいいや」と思っている方もいるかもしれません。しかし、歯を削って入れる詰め物やかぶせ物は、どんなに性能が高くても、天然の歯にはかないません。
予防歯科で病気を予防し、歯を削るような大きな治療をしないことで、大切な天然歯を本来の状態で守ることができます。
トータルコストが安くなる
年に2~3回の定期検診を受ける費用と、病気になった時に大きな治療を受ける費用を比較すると、定期検診を受けた方がトータルで費用が安くなります。
コストの面を考えても、予防歯科の方が経済的と言えるでしょう。
痛みを最小限に抑えることができる
口腔内の病気は、早期に発見すればするほど、治療が簡略化されます。治療時の痛みや口腔内へのダメージも最小限に抑えることができます。
日常生活でのセルフケア
毎日歯磨きをしているのに、歯が化膿してしまったという経験はありませんか?自分ではしっかりケアしているつもりでも、きちんと磨けていない場合があります。
歯科医院で指導を受け、自分に合った方法で歯をケアすることが大切です。そのためにも、「予防歯科」のポイントにそってセルフケアアイテムを選びましょう。
歯垢を除去
歯垢には、1mgの中に数十億個の細菌が含まれており、その種類は数百種類にも及びます。
歯垢は粘着力が強く、歯の表面に付着しているため、うがいでは落とせません。特に奥歯の噛み合わせ面や歯と歯の間には残りやすく、ブラッシングがしにくいのです。
対策としては、気になる症状や目的に合わせて、歯科医師などに相談し、自分に合った歯ブラシを選びましょう。
また、歯磨きの際に歯磨き粉を使用することも効果的です。歯磨き粉を使用することで、歯垢や汚れを効率的に除去することができます。
薬用成分が配合された製品は、細菌を殺菌したり、細菌の繁殖を抑制したりすることができます。自分のお口の状態に合った「薬用効果」のある歯磨き粉を選ぶと、より効果的です。
さらに、歯と歯の間の歯垢には、デンタルフロスを使いましょう。歯ブラシと併用することで、歯垢の除去率が約1.5倍にもなります。
デンタルフロスには様々な種類がありますので、使いやすいものを選びましょう。
細菌の繁殖を抑制
口の中で細菌が繁殖すると、歯垢が生成され、虫歯などの原因となります。唾液には自浄作用があり、口の中の細菌を洗い流してくれます。
しかし、睡眠中は唾液の分泌が減少するため、唾液の作用が低下し、ミュータンス菌など歯の原因となる細菌の繁殖を許してしまうのです。
対策として、殺菌剤入りのデンタルリンスを使用しましょう。
デンタルリンスには殺菌成分が含まれており、歯のすみずみまで殺菌成分が行き渡ることで、細菌の繁殖を抑制することができます。
フッ素の働きを高める
フッ素(自然界に存在する元素の一つで、お茶などに微量に含まれる)は、骨をつくるのに不可欠な成分で、虫歯予防に高い効果を発揮します。
フッ素には以下の3つの働きがあります。
- エナメル質の修復を促進する
- 歯の質を強化する
- 細菌の働きを弱める
フッ素は酸によって歯から溶け出したカルシウムやリンの補給(再石灰化)を促進する作用があります。
また、歯の表面を覆うエナメル質を酸に強い質へと変化させ、虫歯になりにくくしてくれます。
さらに、虫歯の原因となる細菌の働きを弱め、酸の発生を抑える働きもあります。
歯磨き粉に含まれるフッ素は、歯磨き中だけでなく、歯磨き後も口の中に残り、少しずつ作用していきます。
毎日食事をするので、脱灰は必ず起こります。虫歯を防ぐためには、再石灰化を促すフッ素が常に口の中にあることが理想的です。
そのためには、できるだけ長くフッ素が口の中に存在するように心がけましょう。
予防歯科治療の推奨頻度
個人差はありますが、だいたい3~4ヶ月に1回程度が理想的です。
今まで虫歯がほとんどない方は、6ヶ月に一度の定期検診をおすすめします。
虫歯になったことがあり、口の中の数カ所に詰め物をしている場合は、3~4カ月に1回の検診がおすすめです。
虫歯で過去1年以内に治療を受けた方は、経過観察を含め、1~2ヶ月に1回の検診を受けるのが無難です。
多くの場合で、症状を自覚してから歯科医院にかかることがほとんどですが、痛みや違和感を感じて歯科医院に向かった時には、すでに重症化していることがあります。
そうならないためにも、自覚症状のない初期の段階で、虫歯や歯周病を予防していきましょう。
美容院やサロンに行くような感覚で、気軽に歯科医院に足を運んでみてはいかがでしょうか。
予防歯科とあわせて改善すべき生活習慣とは?
予防歯科の第一歩として、日々の生活習慣を改善することが大切です。多くの習慣は、人から指摘されて気づくものです。
歯の健康を守るために、今すぐ実践できるポイントをご紹介します。
ダラダラ食べを避ける
ダラダラ食べとは、朝昼晩の食事に加えて、夜食やジュース、甘いお菓子、お菓子まで食べてしまうことを指します。
不規則な食生活を続けていると、虫歯になるリスクが高まります。最近では、家で過ごす時間が長くなり、甘いジュースやコーヒー、甘いお菓子などをついつい口にしてしまう人もいるかもしれません。
本来、口の中は一定のPH値に保たれています。しかし、食事をすると、口腔内細菌が食べ物に含まれる糖分をエサにして酸を作り出します。
その結果、口の中は酸性になります。口の中が酸性になると、歯の表面が溶けてしまうのです。
通常は、唾液が酸を中和してPH値を安全なレベルに戻しますが、甘い食べ物や炭酸水を頻繁に摂取すると、いつまでもPH値が低いままになってしまいます。
この状態が長く続くと、虫歯が進行してしまいます。生活の中でダラダラと食べ続ける習慣がある方は、ぜひこの機会に見直してみましょう。
歯ぎしり・食いしばりを防ぐ
歯ぎしりや食いしばりは、歯に大きな負担をかけ、痛みを引き起こしたり、歯をすり減らす原因になります。
食いしばりは意識することで予防できますが、歯ぎしりは自分で予防することはできません。
唯一の対策は、就寝時に専用のマウスピースを装着することです。マウスピースは保険適用となりますので、歯科医院で相談してみましょう。
鼻呼吸に注意
人が行う呼吸には、鼻呼吸と口呼吸の2種類があります。口の中を直接空気が通る口呼吸は、習慣化すると口腔内の乾燥につながりやすく、唾液の分泌や虫歯予防に影響を及ぼします。
風邪で鼻が詰まっているときや、激しい呼吸をするときは、どうしても口呼吸になります。口呼吸が習慣化すると、口の中の乾燥から、のどの痛みなどが生じることがあります。
そのため、歯の健康を守るには、鼻呼吸に変えるように意識してみましょう。
予防歯科治療なら「千歳烏山やの歯科クリニック」にご相談を
歯並びなどの口腔内の状態は人それぞれです。歯科医師や歯科衛生士に自分に合った歯磨き指導やフッ素塗布などの専門的なケアをしてもらいましょう。
歯磨き粉の塗り残しがないように、年に2~3回は歯科医院で定期検診を受けるとよいでしょう。
『千歳烏山やの歯科』では、患者さまとの対話と説明を重視し、患者さまが一生自分の歯で生活できるような様々な治療を心がけています。
そのため、なるべく削らない、抜かない、痛くない治療を心がけ、特に予防歯科を中心とした診療を行っています。
設備面では、キッズルームを完備していますので、小さなお子さまも一緒にご来院いただけます。また、院内はバリアフリーになっており、車いすの方でも来院しやすくなっています。
予防歯科に興味がある方、健康な歯を長く保ちたい方は、ぜひ『千歳烏山やの歯科』にご相談ください。