小児矯正に痛みはある?痛む原因や痛くない治療のポイントを徹底解説!

小児矯正 痛み

小児矯正は、子どもの歯並びを整えるための大切な治療です。

将来的な口腔内のトラブルを最小限に抑えられますが、治療中に痛みをともなうケースが稀にあります。

短期間の痛みがほとんどですが、小児矯正で生じた痛みを放置するとさらなる歯科トラブルにつながるため、早期解決が大切です。

この記事では、小児矯正で子どもが痛みを感じる理由や対処法を原因別に解説します。

小児矯正は本来痛みが少ない治療

小児矯正 痛み

小児矯正は本来、痛みが少ない治療です。

歯列矯正による痛みの多くは、歯が土台から動かされることで生じます。子どものうちは歯茎や顎の関節が柔軟なため動きに対応しやすく、痛みを感じにくいのが特徴です。

一方、大人の場合はすでに歯茎や顎の骨格が固定されているため、歯列が少し動いただけでも痛みや違和感を感じます。

歯列矯正に慣れていなかったり、もともと痛みに弱かったりする子どもは多少辛い思いをするかもしれませんが、ほとんどの場合、痛みは時間の経過とともに自然と落ち着きます。

矯正器具を装着した違和感が原因の痛みの場合もあるため、施術後は2日~3日ほど様子を見て、強い痛みや違和感が残るようであれば歯科医に相談してください。

小児矯正で痛みが出る原因

小児矯正 痛み

小児矯正で考えられる痛みにはいくつかのパターンがあります。子どもは痛みや違和感に自力で対処できないため、保護者が細かい変化に気づき、原因に合わせた対応が必要です。

ここでは、小児矯正で考えられる痛みや違和感の原因について解説します。

矯正器具が合わない

治療の際に装着する矯正器具が合わないことが、痛みを感じる代表的なパターンです。

小児矯正では特殊な器具を長期間口腔内に装着するため、器具が合わなければどうしても痛みが出てしまいます。

また、小児矯正の問題は痛みだけではありません。矯正器具が歯茎や歯列に触れる刺激によって、口内炎ができやすくなる可能性もあります。

口内炎がクセになると痛みをさけようとして咀嚼のバランスが崩れたり、歯磨きが十分に行き届かなかったりします。

ただし、装着から時間が経ち矯正器具が歯列になじむことで、痛みや違和感は自然と落ち着きます。

そのため、小児矯正では矯正器具との相性が大切です。子どもが矯正の痛みを訴える場合は矯正器具の装着をチェックしたり、器具を変えることで改善する可能性があります。

抜歯による痛み

一部の小児矯正では抜歯が必要です。

永久歯がすでに生えそろった後の小児矯正(第二期矯正)では、歯並びを整えるために抜歯するケースがあります。

特に抜歯直後は痛みが残りやすいため、注意が必要です。

抜歯による痛みは通常、治療から数日~数週間で自然と落ち着きます。痛みがある場合は、処方された痛み止めを服用すれば痛みを和らげることができるでしょう。

ただし、抜歯から1か月以上経っても痛みや違和感が続く場合は、速やかに歯科医に相談してください。

歯そのものを動かすから

小児矯正では、治療として歯そのものを移動させるため、動かす際に少なからず痛みが出てしまいます。

基本的に歯が正しい位置に固定されることで痛みは治まりますが、神経が敏感な場合、長期間にわたって痛みが残ってしまうパターンもゼロではありません。

心因性の痛みもある

小児矯正では心因性による痛みも考えられます。

特に矯正にまだ慣れていない子どもの場合、「矯正が何となく怖い」と思うだけで本来ないはずの痛みを感じてしまうかもしれません。

矯正そのものには問題ないため、他の原因がないかぎり痛みは自然と落ち着きます。

しかし、恐怖感や不安があまりにも強い場合は痛みが長引くケースがあり、治療の進行にも影響を与えます。

痛みの原因が特定できないことで子どもがますます不安になり、ストレスから痛みがさらに強まってしまうかもしれません。

痛みの原因が特に見当たらない場合でも、「気のせいだから」と放置せず、子どもの気持ちを丁寧に聞いたうえで歯科医に相談しましょう。

小児矯正の痛みの多くは一過性のもの

小児矯正 痛み

小児矯正の痛みの原因には、矯正器具の相性、歯列そのものの痛み、心因性などさまざまなパターンがあります。

ただし、痛みのほとんどは一過性のものとなるため、過剰に心配する必要はありません。

むしろ、痛みが出たからと施術から数日で器具を外してしまうと本来の矯正効果を得られず、かえって治療が長引いてしまう可能性があります。

矯正の痛みに正しく対処するには、事前の予備知識も大切です。

小児矯正で痛みが出やすいケースをあらかじめ把握しておくことで、予期せぬ痛みにも落ち着いて対処できます。

小児矯正で痛みが出やすい治療内容

小児矯正 痛み

小児矯正で痛みが出やすいかどうかは、使用する矯正器具によって変わってきます。子どもが矯正による強い痛みを訴える場合は治療法の見直しもおすすめです。

ここでは、小児矯正で痛みが出やすい治療法とその理由について解説します。

拡大装置

拡大装置は、上顎または下顎の骨格を広げることで永久歯が正しく生え変わるスペースを確保するための治療です。装着する部位によって以下の種類に分けられます。

  • 床矯正装置
  • 固定式拡大装置
  • 急速拡大装置

床矯正装置は歯槽骨そのものを拡大し、永久歯の歪みを防止する矯正器具です。

歯槽骨は歯を支える土台の役割を果たしているため、圧力をかけて広げることで将来的に歯並びが整う土台を作ります。

固定式拡大装置は、上顎の歯列を広げる治療です。

拡大装置による矯正では強い力によって骨を広げるため、器具がなじむまでは痛みが生じる可能性があります。

ただし、矯正器具が口腔内になじんでくれば骨にかかる圧力が調整され、痛みが軽減されるケースがほとんどです。

顎外固定装置

顎外固定装置は、顎の外側から骨格の過剰な発達を防ぎます。主に受け口(しゃくれ)の予防・矯正に効果的です。

頭部を含めて固定するヘッドギア式と、顎を重点的に固定するチンアップ式に分かれます。

いずれの場合も外側から強い力で顎を矯正するため、慣れていなければ痛みや違和感が生じるかもしれません。

ワイヤー矯正(マルチプラケット)

ワイヤー矯正では、歯列に専用のワイヤーを通すことでずれや歪みを防ぎます。

歯列の表側にワイヤーを通す表側矯正と裏側にワイヤーを通す裏側矯正がありますが、ワイヤー矯正では強い力が常時歯にかかるため、慣れるまでは痛みを感じる場合もあります。

小児矯正で子どもが痛みを訴えた場合の対処法

小児矯正 痛み

小児矯正で子どもが痛みを訴えた場合は、早い段階での対処が必要です。痛みを長期間放置すると子どもの心身への悪影響が懸念されます。

ここでは、治療中に子どもが痛みを訴えた場合の対処法を解説します。

やわらかい食べ物を食べさせる

治療中に子どもが痛みを訴えるのであれば、歯や歯茎、顎に負担のかからないやわらかい食べ物を食べさせるようにしてください。

噛み合わせの力が強すぎると器具同士がぶつかってしまい、痛みが強く出ます。

食事の際に強い痛みが出ると子どもにとって毎日の楽しみが減るため、矯正へのモチベーションが下がってしまいます。

そのため、矯正中はできるだけやわらかい食べ物を中心にした食事にして、噛み合わせによる痛みを軽減させましょう。

ただし、やわらかい食べ物だけを長期間食べつづけると顎の力が弱まり、矯正が終わっても物を正しく噛めなくなってしまいます。

痛みが出やすい治療開始直後のみやわらかい食事にするなど、バランスが大切です。

矯正装置にワックスを塗る

矯正器具にワックスを塗り、摩擦を減らすことで痛みを抑えられる場合があります。

矯正専用のワックスを丸めて、特に痛みが強い部分に置くだけで痛みの軽減が可能です。ワックスは無害のため、子どもの健康面にも心配はありません。

一時的な対処法ではありますが、矯正中の子どもの不安を取り除く意味でも効果的です。

痛み止めを飲ませる

子どもが長い期間痛みを訴え、痛みによって日常生活に支障が出てしまう場合は、痛み止めを飲ませましょう。

多くの歯科医では、必要性が認められれば痛み止めを処方してもらえます。

市販の痛み止めを服用する場合は子どもの年齢や体質に合った薬を選び、用法用量をきちんと守りましょう。

薬によってはアレルギーを引き起こす成分が含まれている物があるため、市販薬を購入する場合は薬剤師への相談が大切です。

歯科医の変更を視野にいれる

痛み止めの服用や食生活の改善でも矯正中の痛みが治まらない場合は、歯科医の変更も検討しましょう。

矯正の方法やテクニック、設備は歯科医によって異なるため、歯科医を変更することで改善する可能性があります。

また、違う歯科医を受診すると、矯正についてさまざまなアドバイスが受けられるため、セカンドオピニオンの意味でも効果的です。

ただし、「何となく相性が合わないから」といった理由で歯科医を変更したり、短期間でいくつもの歯科医を試すのはドクターショッピングにつながるため、注意が必要です。

話を聞いてあげるだけで痛みが落ち着くこともある

小児矯正による痛みは心因性によるものも少なくありません。

痛みは子ども本人しか分からないため、保護者が「気のせいでしょ」などと一方的に決めつけるのはNGです。

特に原因のない痛みの場合、保護者が子どもの視点で時間をかけて話を聞いてあげるだけで軽減される可能性があります。

痛みだけでなく不安が強い場合は、保護者だけでなく歯科医であらためて説明してもらうのも効果的です。

まとめ

小児矯正では使用する矯正器具によって痛みや違和感が生じる可能性があります。

ただし、痛みのほとんどは一過性であり、矯正器具がなじむことで自然と落ち着くため心配ありません。

もし痛みが長期間続く場合は、やわらかい食事を中心にしたり、痛み止めを服用したりするなど、保護者によるサポートが必要です。

それでも痛みが治まらない場合は、早い段階で歯科医に相談しましょう。

千歳烏山駅やの歯科は、痛みや不安の少ない小児矯正に力を入れています。

『日本口育認定施設』に認定された当院では、口育のプロフェッショナルである歯科医が幼児期から思春期、将来にわたってお子さまの健康的な歯の維持をサポートいたします。

「小児矯正の痛みによって子どもに負担がかかるのでは?」と不安を抱えている方は、ぜひこの機会にお気軽にご相談ください。

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