小児矯正の治療期間はどのくらい?長期化を防ぐポイントを解説!
小児矯正の治療期間は、一般的に約3~5年がかかります。
早い方であれば3歳ごろから始めて永久歯が生える土台を整え、永久歯に入れ替わる段階で本格的な矯正に移行するのが一般的です。
ただし、口腔内の状況や治療中の行為によっては治療期間の長期化が懸念されます。
この記事では、小児矯正の治療期間、治療期間が長くなる原因や長期化を防ぐポイントについて解説します。今後、小児矯正を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
小児矯正の開始時期と治療期間
小児矯正は、3歳ごろの幼児期から始められる第一期治療と永久歯が生えそろってから始める第二期治療があります。
段階ごとに治療の期間が異なり、長ければ数年単位の治療が必要です。ここでは、第一期治療と第二期治療の開始時期と治療期間について解説します。
第一期治療の開始時期と治療期間
小児矯正の第一期治療は、3歳ごろの幼児期から始められます。
第一期治療では乳歯のずれや歯茎のゆがみを修正し、将来的に永久歯が正しく生え変わる土台を整えるための治療が一般的です。
第一期治療の治療期間は1〜3年ほどが平均的となっており、治療終了後はあごの成長や永久歯の生える状態を経過観察します。
永久歯が正しく生え揃えば第一期治療だけで終わりとなりますが、永久歯の歯並びが悪い場合は第二期治療への移行が検討されます。
第二期治療の開始時期と治療期間
小児矯正の第二期治療は、永久歯が生え揃う中学生ごろに行われます。第一期治療で整えた土台を利用して、歯並びや噛み合わせを修正するための治療です。
歯並びが極端に悪くなければ第一期治療を省略して、第二期治療から始められますが、小児矯正ではなく成人の歯列矯正になるケースもあります。
第二期矯正の治療期間は、1〜2年半が目安です。
治療後は、修正した歯並びを定着させる約1年の保定期間に入ります。歯並びの状態によっても異なりますが、3ヶ月に1回ほどのペースで定期的な来院が必要です。
小児矯正全体の治療期間
小児矯正では、第一期治療から第二期治療の工程をすべて行うには3〜5年の期間が目安です。
もともとの歯並びの状態によって治療期間は前後しますが、歯科医の判断で噛み合わせなどを考慮した治療も必要になります。
また、小児矯正は歯並びを改善させて見た目を良くするだけではありません。
将来的に関係する発音や滑舌、虫歯や歯周病の予防にもつながるため、矯正を行うメリットは豊富にあるといえるでしょう。
小児矯正の治療期間が長引いてしまう原因
小児矯正による治療期間はおおよその目安がありますが、個人差があり、場合によっては治療期間が長引いてしまいます。
治療期間が長引く主な原因は以下の通りです。
- 治療を中断した場合
- 指しゃぶりなどの癖による影響
- 治療後に後戻りが起きてしまう
ここでは、小児矯正の治療期間が長引いてしまう原因を解説します。
治療を中断した場合
何らかの理由で小児矯正を中断してしまった場合、治療期間が長引く原因になります。
もちろん一度中断してしまった場合でも再開は可能ですが、その際に同様の治療効果を得られるとは限りません。
再開に伴い骨格のゆがみを再修正するため、治療期間が長くかかってしまいます。また、小児矯正は顎の骨格や歯茎が柔軟な成長期と呼ばれるタイミングで行うのが一般的です。
成長期に中断してしまうと、歯茎や骨格にゆがみが残ってしまう場合もあり、将来的に虫歯や歯周病、顎関節症のリスクも高まるため中断はおすすめできません。
やむを得ない状況で中断をする場合には、必ず歯科医に相談しましょう。
指しゃぶりや舌の癖による影響
指しゃぶりや舌の癖は、小児矯正の治療期間が長引く原因です。
例えば、舌で前歯を押し出すような癖は、矯正装置の前歯が内側へ動く効果を邪魔してしまう可能性があります。
結果的に正常な位置への誘導に時間がかかり、治療が完了するまでの期間が長引いてしまいます。
他にも、指しゃぶりなどの癖は矯正装置が外れたり、ズレてしまう原因です。矯正装置は、適切な位置に装着しなければ効果を期待できません。
万が一癖によって矯正装置がズレた場合、想定した効果を得られないだけでなく、治療の度に調整が必要になってしまうため、治療期間の長期化が懸念されます。
治療中に虫歯が見つかった場合
治療中に虫歯が見つかった場合も、小児矯正の治療期間が長引いてしまいます。
もちろん虫歯が見つかった場合は治療が必要になりますが、治療の際は小児矯正で装着していた装置を外さなければいけません。
特にワイヤー矯正や急速拡大装置などの固定式は取り外しにも時間がかかり、虫歯治療後の再装着にも時間がかかってしまいます。
結果的に装置を外してしまうと小児矯正の一時中断という形になってしまうため、スケジュール通りに治療が進まず、治療期間が長期化してしまうでしょう。
治療後に後戻りが起きてしまう
治療後の後戻りも、小児矯正の治療期間が長引く原因のひとつです。
小児矯正によって歯並びが良くなったとしても、その後成長にともなう体の変化などで歯並びが元の状態に戻る後戻りになってしまうケースがあります。
後戻りが起きてしまった場合、再び治療を行う必要がでてきてしまうため、結果的に治療期間の長期化が懸念されます。
また、治療後の後戻りを防ぐためにリテーナーと呼ばれる保定装置を装着するのが一般的です。装着期間には個人差があるものの、治療後1年ほどは装着して歯並びの定着を目指します。
小児矯正の治療期間を長引かせないポイント
小児矯正の治療期間には個人差があるものの、おおよその目安があります。
極端に治療期間が長く、効果を実感できない場合には、他の歯科医に相談したり、治療方針を変更する判断も必要です。
ここでは、小児矯正の治療期間を長引かせないポイントを解説します。
日ごろからの歯磨きを徹底する
日ごろの口腔ケアは、小児矯正の治療期間を長引かせないための大切なポイントです。
矯正期間中は口腔内に矯正装置を装着するため、歯磨きが難しくなります。矯正装置や歯のすき間に食べかすや歯垢が残りやすく、虫歯や歯周病の原因になることも少なくありません。
矯正中に虫歯や歯周病が発見された場合は、一度小児矯正の治療を中断して虫歯などの治療が優先されます。
そのため、小児矯正中は普段よりも徹底したケアを行い、口腔内を常に健康で清潔な状態に保つことが大切です。
また、歯磨きに慣れていない年齢であれば、保護者による仕上げ磨きなどのケアが虫歯や歯周病の防止になり、治療期間の長期化を防げます。
歯科医の指示を守り矯正装置をむやみに取り外さない
治療期間の長期化を防ぐには、歯科医の指示通りに矯正装置の装着時間を守ることが大切です。
ワイヤー矯正や急速拡大装置のような固定式の矯正装置は自分で外せませんが、マウスピース矯正の場合は簡単に外せてしまいます。
見栄えや口腔内の違和感などの問題で子どもが勝手に矯正装置を外してしまう場合もありますが、歯科医の指示を守らないと治療期間が長引く原因となってしまいます。
そのため、小児矯正の必要性やメリット、歯並びが悪い場合のリスクを子どもに説明し、装着時間を守る重要性を知ってもらうようにしましょう。
通院スケジュールを守る
通院スケジュールを守ることも、治療期間の長期化を防ぐうえでは大切なポイントです。子どもの将来のためとはいえ、急な仕事で通院できないケースも考えられます。
しかし、予約をキャンセルして治療を後回しにしてしまうと結果的に全体の治療期間が伸びて長期化してしまいます。
また、歯科医院によっては予約数が多く、思ったように治療を受けられないケースも出てしまうでしょう。
そのため、あらかじめ確実に通えるスケジュールを把握したうえで、通院の予約を取るようにしてください。
部分矯正を検討する
歯科矯正には、大きく分けて全体矯正と部分矯正の2種類があります。歯の状態でも変わりますが、一般的には部分矯正のほうが短期間で治療が完了します。
例えば、成長の過程で前歯だけがねじれて生えてきてしまった場合などは、部分矯正でピンポイントに治療を受けるのもよいでしょう。
ただし、メリットを考えると全体矯正の方が結果的に良いパターンもあります。
治療期間を短くして子どもに負担をかけたくないという理由で部分矯正を選択する場合もありますが、治療期間だけに執着せず、将来的なメリットや歯並びを踏まえながら、歯科医に相談するようにしてください。
まとめ
小児矯正の治療期間は、歯並びや顎の状態によっても左右されますが、第一期治療と第二期治療を合わせると約3~5年の治療が必要です。
顎の骨格や歯茎が柔軟な成長期に治療を開始し、長い期間をかけて歯が正常な位置に生えるように誘導します。
また、小児矯正の治療期間は治療中の口腔内の状態が大きく関係します。
例えば、治療中に虫歯が発覚した場合は虫歯の治療が優先されるため、矯正治療のペースが遅くなり、治療期間の長期化が懸念されます。
そのため、小児矯正の治療期間を長引かせないためには、日ごろから口腔内を清潔に保つ適切なケアが大切です。
他にも指しゃぶりや舌の癖も治療期間が長期化する主な原因です。小さな子どもの場合、癖の改善が難しい場合もあるため、保護者によるサポートが必要になるでしょう。
千歳烏山やの歯科では、一般治療とあわせて小児矯正にも力を入れています。
お子さまが不安を感じないようにキッズルームを完備しており、診療室の天井にはアニメを映し出すプロジェクターを導入し、安心して治療を受けられる環境を整えています。
小児矯正にかかる治療期間が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。