マウスピース矯正の期間はどのくらい?完了までの流れと短期間で終わらせるコツ

透明で目立ちにくく、取り外しも可能なマウスピース矯正は近年幅広い年代で人気を集めています。
しかし、どのくらいの期間がかかるのか、ワイヤー矯正より早く終わるのかなど、治療期間についての疑問や不安を持つ方も少なくありません。
この記事では、マウスピース矯正にかかる期間や流れ、期間短縮のためのポイント、実際に多く寄せられる疑問まで詳しく解説します。
マウスピース矯正の期間はどれくらいかかるのか

マウスピース矯正の治療期間は人によって異なりますが、平均的な目安やワイヤー矯正との比較、部分矯正との違い、さらにどんな要素で期間が左右されるかが重要です。
ここでは、マウスピース矯正の治療期間について詳しく解説します。
平均的な治療期間の目安
マウスピース矯正の平均的な治療期間は、全体矯正の場合で約1〜3年程度が標準的な目安とされています。
これは一人ひとりの歯並びや咬み合わせの状態、動かす歯の本数によっても変動します。
一方、抜歯が必要であったり、骨格的な要因が関係するような複雑な症例では、3年以上かかることもあります。全体を通すと2〜4年を想定して計画を立てるのがおすすめです。
このようにマウスピース矯正にはある程度の期間がかかるものの、スケジュール管理や自己管理をしっかり行えば、無理のない範囲で効率良く治療を進めることができます。
ワイヤー矯正と比較したときの期間の違い
マウスピース矯正とワイヤー矯正は、それぞれ治療期間に特徴があります。
従来、ワイヤー矯正の方が短期間で治療が終わるイメージがありましたが、近年ではマウスピース矯正の技術が進化し、平均1〜3年という治療期間は大きな差がなくなりつつあります。
しかし、抜歯や大きな歯の移動が必要な難しいケースでは、ワイヤー矯正の方が細かなコントロールが可能で期間を短縮しやすいといわれています。
一方で、軽度の歯列不正や前歯のみといったケースは、マウスピース矯正の方が手軽かつ短期間で治療が終わる傾向が見られます。
実際の治療期間は症例や矯正方法の適合性、患者さまの協力度など個人差が大きいため、事前のカウンセリングや精密検査で自分に合ったプランを立てることが重要です。
部分矯正と全体矯正の期間の違い
部分矯正は「前歯だけをきれいにしたい」「すき間だけを治したい」といった、一部の歯の見た目のみをターゲットとする治療です。
この場合、短期間での治療が可能で、早ければ2〜3カ月、長くとも1年程度で終了することが多いとされます。
一方、全体矯正は上下や奥歯も含めた全ての歯を対象に、咬み合わせや顔全体のバランスを重視して整えていくため、1〜3年ほどの期間が必要になります。
自分の希望と現状の歯並びを歯科医師と十分に相談し、最適な治療方法を選択しましょう。
期間に影響する要素
マウスピース矯正の治療期間には大きく4つの要素が影響します。
治療期間を左右する要素は以下の通りです。
- 歯並びの状態
- 動かす歯の本数
- 患者さま本人の協力度
- 装着中のトラブルや器具の紛失
まず「歯並びの状態」で、軽度なのか中等度・重度なのかによって大きく変わります。次に「動かす歯の本数」や移動距離が多い場合は期間も長くなります。
また、最も重要なのが「患者さま本人の協力度」です。マウスピースは1日20時間以上の装着が必要ですが、装着時間が短いと効果が出にくく、計画通りに進みません。
さらに、装着中に虫歯や歯周病が発生したり、アライナー装置の破損・紛失が起きると治療が中断し、結果として全体の治療期間が延びる要因となります。
正しい装着・衛生管理を守り、トラブルが発生した場合できるだけ早く歯科医師に相談することが、スムーズな治療につながります。
マウスピース矯正の流れ

治療の全体像や各ステップの所要期間を把握しておくことで、安心して矯正を始めることができます。ここでは、マウスピース矯正の流れについて解説します。
治療完了までにかかる全体の流れ
マウスピース矯正の全体の流れは以下の通りです。
- 初回カウンセリング
- 精密検査
- 治療計画の説明と同意
- マウスピースの作製
- 装着方法や注意事項の指導を受け、矯正治療スタート
- 定期通院
- 保定期間
工程が多いものの、各ステップを順番に進むことで安全確実に治療が進められる点が特徴です。
カウンセリングから治療開始までの期間
矯正相談を受けてから実際に治療が始まるまでには、いくつかのステップがあります。
まずカウンセリングで治療方針の大枠が説明され、その後精密検査・シミュレーションを行い、具体的な治療計画が決定します。
治療計画の説明・同意から、オーダーメイドのマウスピース発注・到着までには、一般的に4〜6週間が必要です。
マウスピースが海外製の場合は更に1〜2週間要するケースもあります。装置が届いたら、改めて装着方法やメンテナンスの説明を受け、矯正治療が正式にスタートします。
矯正用マウスピースの作製と受け取りまでの流れ
マウスピース矯正を始めるには、歯型取りやスキャンを基に個別設計でアライナーを発注します。
この間に治療計画や装置の取り扱い方法、交換スケジュールなどが細かく説明されます。受け取り時には、装着時のコツや自己管理のポイント、アライナーの破損時対応も教えてもらえます。
また、アライナーが手元に届いた後は定期通院やトラブル対応に備え、早めの予約を取っておくと安心です。
メーカーや医院によって工程や納期に多少違いがあるため、早く治療を始めたい場合はあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
マウスピースの交換周期
マウスピース矯正では、1〜2週間ごとに新しいアライナーへと交換して歯を少しずつ動かしていきます。
計画通りアライナーを装着し続けることで、無理なく歯が移動し、スムーズな治療効果が期待できます。
違和感や痛み、アライナーの変形や破損に気づいた場合は、その都度速やかに歯科医院へ相談しましょう。
自己判断せず専門家の指示に従うことが、治療成功の秘訣となります。
保定期間
歯並びが整った後、後戻り防止のために「保定期間」が始まります。
動的治療の終了後、歯は元の位置に戻ろうとする性質があるため、リテーナー(保定装置)を1〜3年ほど装着します。
主に最初の半年から1年は長時間の装着が推奨されますが、その後は夜間のみの使用などで装着時間が短縮されることも多いです。
保定期間を怠ると歯並びが戻ってしまい、せっかくの努力が水の泡になる可能性もあるため、指示された期間・装着方法を必ず守りましょう。
マウスピース矯正の期間を短くするためにできること

治療期間を少しでも短縮したい方は、日々の習慣や行動が重要なポイントとなります。
ここでは、マウスピース矯正の期間を短くするコツについて詳しく解説します。
1日20時間以上装着する習慣を身につける
マウスピース矯正治療で最も重要なのは装着時間の厳守です。基本的に食事・歯磨き以外はマウスピースを外さず、1日20〜22時間以上着用することが推奨されています。
外している時間が長くなると歯が十分に動かず、予定より治療が長引く原因となります。
特に外出時や会食時など、無意識に外したまま過ごす人が多いため、食事後はすぐに装着する習慣を身につけることが大切です。
治療期間の短縮は、患者さま自身による日々の努力に大きく左右されるため、少しの工夫と自己管理の徹底が成功への近道となります。
追加アライナーを防ぐための工夫
治療期間が延びる原因の一つが「追加アライナーの作成」です。アライナーの紛失・破損・変形などを防ぐためにも、毎回丁寧に取り扱いましょう。
外した際は、専用ケースに入れる・高温を避ける・ペットや小さなお子様の手の届かない場所に保管するなど、しっかり管理することが重要です。
噛み合わせがずれていたり、きつさを感じる場合も自己判断せず、すぐに歯科医院へ相談してください。
正しい使い方と衛生管理を徹底することで、無駄な期間を減らし予定通り治療を進められます。
通院と報告をきちんとこなす重要性
マウスピース矯正中は、定期的な通院が欠かせません。
歯の動きや装置の状態を定期的にチェックしてもらうことで、計画通りに治療が進んでいるかを逐一確認でき、異常やトラブルがあれば早めに対処してもらえます。
また、違和感や痛み、アライナーの装着に問題を感じた際は、こまめに歯科医師へ報告し相談しましょう。
自己判断による調整や放置は、思わぬトラブルや全体の治療計画の遅延につながります。
歯科医師との信頼関係・双方向のコミュニケーションを大切にすることが、予定通りの治療完了と期間短縮に直結します。
マウスピース矯正の期間に関するよくある質問

治療期間にまつわる不安や疑問は多くの人が抱えています。ここでは、マウスピース矯正の期間に関してよくある質問を紹介します。
マウスピース矯正は短期間で終わる?
マウスピース矯正でも「軽度の不正咬合」や「部分矯正」の場合は、比較的短期間で治療が終了するケースが多いです。
一方、全体的な咬み合わせや骨格を整えたい場合、治療計画通りでも1〜3年程度要します
短期間での成果には症例の適応性や患者さまの協力度が必要不可欠なため、自分に合った計画を立てましょう。
矯正の痛みはどのタイミングで現れる?
矯正治療中の「痛み」は個人差がありますが、特にマウスピースを新しいものに交換した直後や治療初期によく現れます。
これは歯が新しい位置へ移動を始める時に感じる締め付けや違和感、鈍い痛みです。多くのケースでは数日〜1週間以内に慣れて痛みが和らぎます。
あまりにも強い痛みや長期間続く違和感があれば決して我慢せず、速やかに歯科医院へ相談することが大切です。
装着時間を守れば予定より早く終わる?
マウスピースの装着時間を厳守すれば、計画通りのペースで歯が動き、予定通り治療が進みやすくなります。
しかし、基本的に「装着時間をより多くすれば予定より早く終わる」ということはほとんどありません。
逆に装着時間が不足すると治療期間が延びやすいため、まずは医師から指示された時間を正確に守ることが前提となります。
納得できる結果を得るためには、日々の自己管理と医師との定期的なコミュニケーションが欠かせません。
まとめ
マウスピース矯正は、目立ちにくく取り外し可能という特徴がある一方で、治療期間には個人差があります。
平均的な治療期間は1〜3年ですが、症例の難易度や装着時間、自己管理の徹底によって前後します。部分矯正であれば数カ月で完了することもあり、短期間での治療も可能です。
治療をスムーズに進めるには、装着時間を守ること、トラブル時の迅速な対応、歯科医師との定期的なコミュニケーションが重要です。
矯正を始める前に、しっかりと情報収集と相談を行い、自分に最適な治療計画を立てましょう。
千歳烏山やの歯科は、患者さまの歯型をとって精巧にデザインされた透明なマウスピースを使用し、丁寧なカウンセリングで一人ひとりに最適な治療プランを提案しています。
マウスピース矯正に興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。