入れ歯の作成期間はどのくらいかかる?歯がない期間の対処法を解説

入れ歯 期間

入れ歯を作るにはカウンセリングを受け、型取りを行い、仮歯で歯並びを確認する必要がありますが、具体的な期間がわからない人もいるでしょう。

口内環境によりますが、入れ歯の作成にかかる期間は自由診療で平均2~3か月前後、保険診療で平均2週間~1か月程度が目安です。

この記事では、入れ歯の作成の流れやかかる期間、歯がない期間の対処法などを詳しく解説します。

入れ歯の作成の5ステップ

入れ歯 期間

入れ歯を作成するには、口腔内の診査から型取り、試適、完成後の調整に至るまで、複数のステップを経て丁寧に進めていく必要があります。

治療期間中の不安を軽減するためにも、全体の流れを事前に把握しておくことが大切です。 

 ここでは、入れ歯作製の基本的な流れについて解説します。

1. 初診カウンセリングと口腔内検査

入れ歯を作るためには、まず歯科医院で初診のカウンセリングを受ける必要があります。

カウンセリングでは、患者さまが困っていることや悩んでいることをはじめ、どのような入れ歯を希望しているか、どのような疑問があるかをヒアリングするのが一般的です。なお、歯科医師によっては、この段階で口内の検査を実施することがあります。

基本的に、検査では残存歯の状態の他、歯周病や虫歯の有無などを確認するのが普通です。それらの検査を終えてから、必要な治療についての説明が行われます。

2. 顎の動きと噛み合わせの記録・型取り

口腔内の状態が安定したら、入れ歯作成に必要な型取り(印象採得)や噛み合わせの記録(咬合採得)を行います。

主な工程は以下のとおりです:

  • 印象採得:専用トレーを使用して口腔内の基本的な形を記録
  • 精密印象採得:より高精度な入れ歯製作のために行う精密な型取り
  • 咬合採得:噛み合わせの位置を記録し、適切な咬合関係を確認

これらの情報をもとに、模型を作成し、入れ歯の土台となる設計を開始します。

3. 模型の作製と試適(試し装着)

作成された模型に基づいて仮の入れ歯を製作し、以下の工程を実施します。

  • 排列試適(はいれつしてき):人工歯の配置を確認し、見た目や装着感を試す
  • 咬合調整:噛み合わせが適切かを確認し、必要に応じて修正

この段階でのフィードバックが最終的な完成度を左右するため、違和感がある場合は遠慮なく医師に申し出ましょう。

4. 入れ歯の完成と装着・調整

最終的に入れ歯が完成したら、実際に装着してフィット感・噛み合わせ・見た目などを最終確認します。

装着中の違和感や痛みの有無を確認し、必要に応じて微調整を行います。また、医師から入れ歯の取り扱い方や清掃方法の指導がされるため、不明な点があれば確認しましょう。

5. 完成後のメンテナンスと定期チェック

入れ歯は完成したら終わりではなく、装着後の経過観察と定期的な調整が必要です。

特に初期の数週間〜数ヶ月は、以下のようなフォローアップが重要です:

  • 使用時の痛みや違和感の確認
  • 噛み合わせや装着感の微調整
  • 口腔環境の変化に合わせた修正

入れ歯に慣れるまでには個人差があり、数回の来院が必要となる場合もあります。

継続的に快適にご使用いただくためにも、違和感があればすぐに歯科医師に相談しましょう。

入れ歯の作成にかかる期間

入れ歯 期間

入れ歯の作製期間は、選択する治療方法(自由診療/保険診療)や患者さまの口腔内の状態によって異なります。

特に歯周病や抜歯後の治癒期間を要する場合などは、完成までに時間を要することがあります。 

ここでは、治療法別の目安や注意点を踏まえて、入れ歯の作成にかかる一般的な期間を紹介します。

自由診療で入れ歯を作る場合:約2〜3ヶ月が目安

自由診療による入れ歯作製では、患者さまの個別のニーズに合わせた設計や素材選定が可能です。

精密な工程を経て作られるため、完成までに2〜3ヶ月程度かかることが一般的です。

自由診療では、以下のような特徴があります。

  • 高精度な型取りや噛み合わせの検査を複数回実施
  • 金属床義歯やノンクラスプデンチャーなど選択肢が豊富
  • 咀嚼力や審美性への配慮が可能

時間をかけて丁寧に作成されるため、快適性や耐久性を重視したい方に適した選択肢です。

保険診療で作る場合:約2週間〜1ヶ月が目安

保険診療での入れ歯作製は、健康保険法および標準的な歯科技工工程に基づいて行われ、通常2週間〜1ヶ月程度で完成するケースが多いです。

保険適用であるため、費用負担を抑えつつ、必要最低限の機能を満たした入れ歯を作ることができます。

保険診療では以下のような特徴があります。

  • 作製工程が比較的標準化されている
  • レジン床義歯が一般的(素材の選択肢は限られる)
  • 短期間での作製・装着が可能

見た目や装着感にこだわる方には、自由診療との比較検討をおすすめします。

症例によって期間が前後することも

入れ歯作製にかかる期間は、患者さまの口腔内の状態や治療計画によって前後する場合があります。

以下のようなケースでは、通常より期間が長くなることがあります:

  • 重度の歯周病や虫歯の治療が必要な場合
  • 抜歯後の歯肉や骨の治癒を待つ必要がある場合
  • 咬合異常(かみ合わせの不調和)がある場合

このような場合、まずは基礎治療を優先し、口腔内環境が安定した段階で入れ歯作製に進むという治療方針をとることが多くなります。

入れ歯の再作成にかかる期間

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入れ歯を破損させたり紛失したりして使用できない状態となった場合、再作成するのに数週間から数ヶ月ほどかかります。

毎日のように使用する入れ歯は、飲食の際に取り外したり、就寝時に取り外したりすることでなくしてしまうことが度々あるため、管理方法には十分お気を付けください。

入れ歯完成までの歯がない期間の対処法

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入れ歯の作製には、型取りから完成までに一定の期間を要することがあります。その間、一時的に歯のない状態で過ごす必要があるケースも少なくありません。

ここでは、歯がない期間の対処法について詳しく解説します。

仮義歯・即時義歯による一時的な対応

歯がない期間の代表的な対処法としては、仮義歯(テンポラリーデンチャー)や、即時義歯(インスタントデンチャー)の使用が挙げられます。

これらの入れ歯は、見た目の回復や発音・咀嚼機能の補助だけでなく、歯槽骨や歯肉の変形防止にも効果があるとされています。また、本義歯の装着までの慣れ期間としても有効です。

多くの場合、初診時や抜歯のタイミングに合わせて仮義歯・即時義歯の作製を行い、可能な限り歯がない状態を作らないように配慮されています。

急なトラブル時は、早めに歯科医院へ相談を

入れ歯の破損や不具合などにより、突然歯がない状態になってしまった場合は、できるだけ早めに歯科医院へ連絡しましょう。

歯がない状態が続くと、噛み合わせの乱れや周囲の歯への影響、心理的ストレスにもつながる可能性があります。

そのため、急なトラブルの際は早期に受診し、仮義歯の仮作製や修理対応の可否を相談することが望ましいです。また、治療方針や完成までのスケジュールについても明確に確認しておくと、安心して治療期間を過ごせます。

入れ歯をなくしやすい場面

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入れ歯を使用する場合、以下のようななくしやすい場面を知っておくと紛失のリスクが減ります。

  • 飲食の前後
  • お手入れの前後
  • 外出の前後
  • 就寝の前後
  • デイサービスなど通所介護の前後

ご飯を食べたりジュースを飲んだりする際に一度外す人も多いですが、それと同時に外したことを忘れてしまう人も少なくありません。また、お手入れや外出でなくすことも珍しくありません。

自身はもちろん、家族や周りの人も入れ歯の管理方法を共有しておくと紛失防止につながります。

入れ歯を紛失しないための対策とは

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入れ歯の紛失を防ぐためには、保管方法や取り扱いに注意し、日頃から適切な習慣を身につけることが重要です。

ここでは、入れ歯を紛失しないための具体的な対策を紹介します。

置き場所を固定し、必ず専用ケースに保管する

入れ歯は、歯科医院から提供される専用の保管ケースに入れて管理しましょう。

専用ケースは、入れ歯の紛失防止に加え、落下や破損、汚染からも保護するために設計されています。 外出時もケースごと持ち歩く習慣をつけることで、思わぬ紛失を防ぎやすくなります。

万が一ケースが手元にない場合は、市販の歯科用保管ケースを代用することも可能です。

ティッシュや紙コップへの保管は避ける

入れ歯をティッシュや紙コップに包んで保管することは避けましょう。

これらの方法では、家族や他人が中身に気づかず誤って廃棄してしまうリスクがあります。  また、テーブルや洗面台、ソファの上などにむき出しで放置することも非常に不衛生で紛失の原因となります。

衛生面と安全性の両方を確保するためにも、常に専用ケースを使用することが基本です。

洗浄液に浸けて保管する習慣をつける

入れ歯は乾燥すると変形する恐れがあるため、保管時には専用の洗浄液や水に浸しておくことが推奨されます。

この対策により保管場所が固定される効果もあり、紛失リスクを下げることができます。 

ただし、洗浄液は使い続けるうちに衛生状態が悪化するため、毎日新しい液に交換する習慣もあわせて心がけましょう。

定期的なメンテナンスでフィット感を維持する

入れ歯が合わなくなってくると、装着時に違和感が生じ、外れやすくなることがあります。

この状態を放置すると、入れ歯を外してそのまま紛失してしまうリスクも高まります。

入れ歯は、経年劣化や口腔内の変化により調整が必要になるため、定期的に歯科医院で点検・メンテナンスを受けることが大切です。

併せて、ご自宅でも専用ブラシや洗浄剤によるセルフケアを怠らず、常に清潔な状態を保つようにしましょう。

まとめ

入れ歯ができるまでの期間は、自由診療で平均2〜3ヶ月ほど、保険診療で平均2週間〜1ヶ月ほどとされていますが、口内の状態によって千差万別です。

人によっては短期間で済む場合もあれば、長期間となる場合もあります。

そのため、まずは歯科医院に相談しながらどれくらいの期間で出来上がるのかを確認しましょう。

千歳烏山やの歯科では、入れ歯だけでなく歯周病や虫歯の治療を含め、患者さまに寄り添った丁寧な治療を行っています。

入れ歯以外にも、インプラントから矯正、ホワイトニングまで複数の治療方法を提案可能で、患者さまのご希望に沿うようカウンセリングを行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。

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