入れ歯が必要となるのは何歳から?なる原因やならないための予防対策を解説

入れ歯 何歳から

入れ歯が「いつから必要になるのか」と不安に思う方は多いでしょう。

年齢を重ねると歯の残存本数は徐々に減少し、一定の段階に至ると入れ歯装着を検討せざるを得なくなる場合があります。

この記事では、厚生労働省の「歯科疾患実態調査」など公的データをもとに、年代別の残存歯数や入れ歯装着率をわかりやすくご紹介します。

自分の口腔ケアの目安として、いつ頃からどのような対策を始めるべきか、一緒に確認していきましょう。

入れ歯が必要となるのは何歳から?

入れ歯 何歳から

入れ歯が必要になる年齢は、人によってさまざまです。

口内環境が健康な人ほど入れ歯になる年齢は遅く、口内環境が不健康な人ほど入れ歯になる年齢は早くなる傾向がありますが、具体的に何歳からとは断言できません。

一般的には50代後半から部分入れ歯、70代前半から総入れ歯になる人が徐々に出てくるとされているのですが、人によって状況は変わります。そのため、口腔ケアを徹底し、将来に備えるのが良いでしょう。

とりわけ、歯周病や虫歯は歯が抜けてしまう基本的な原因となりやすいため、定期的に歯医者で健康診断を受けてみてはいかがでしょうか。

日本人の平均的な歯の本数

何歳から入れ歯になるのかについては、日本人の平均的な歯の本数から逆算可能です。

ここでは、e-ヘルスネットを含む厚生労働省の関連資料を参照しつつ、日本人の平均的な歯の本数について詳しく解説します。

本来生えている歯の本数は28本(32本)

前提として、本来生えている歯の本数は28本、親知らずを含めると32本となります。

総入れ歯はほとんどの歯が抜けてしまった段階、部分入れ歯は1本もしくは数本の歯が抜けてしまった段階で作成するのが一般的となるため、28本(32本)というのが一つの基準となります。

健康な歯を失った場合、放置するとより問題が徐々に拡大する可能性があるため、基本的には歯が抜けた段階で医師に相談しましょう。

45~54歳の歯の平均本数は27本

45〜54歳の平均残存歯数は27本です。

厚生労働省「歯科疾患実態調査」によると、この年代で総入れ歯を装着している人はごくわずか、部分入れ歯装着者は約5%にとどまります。

  • 総入れ歯:ごくわずか
  • 部分入れ歯:全体の約5%

この世代では、歯周ポケット深度が3mm以下に維持されることが残存歯の安定性向上に寄与するため、定期的な歯周検査やプロフェッショナルクリーニングが推奨されます。

55~64歳は平均24.5本

55〜64歳の平均残存歯数は24.5本です。

  • 総入れ歯:全体の約5%
  • 部分入れ歯:全体の約20%

その内、総入れ歯の人は全体の約5%、部分入れ歯の人は全体の約20%です。

つまり、55歳を過ぎたあたりから総入れ歯になる人が100人中5人、部分入れ歯になる人が100人中20人にも及ぶことがわかります。

65~74歳は平均20.8本

55〜64歳の平均残存歯数は24.5本です。

この年代における総入れ歯率は約20%、部分入れ歯装着率は約40%を占めます。

  • 総入れ歯:全体の約20%
  • 部分入れ歯:全体の約40%

65歳を過ぎたあたりから総入れ歯になる人が100人中20人、部分入れ歯になる人が100人中40人にも及ぶことがわかります。

75歳以降は平均15.7本

75歳以降となると残された歯の本数は平均15.7本となります。

  • 総入れ歯:全体の約40%
  • 部分入れ歯:全体の約50%

その内、総入れ歯の人は全体の約40%、部分入れ歯の人は全体の約50%です。

要するに、75歳を過ぎると100人中40人が総入れ歯、100人中50人が部分入れ歯という計算となります。

入れ歯になる原因

入れ歯 何歳から

入れ歯にならないためには、歯が抜けやすくなる原因を知ることが肝心です。ここでは、入れ歯になる原因について詳しく解説します。

歯周病の悪化

厚生労働省の発表によると、約37%の人が歯周病の悪化が原因で歯を失っています。

歯周病とは、歯の周りの歯茎や骨などの組織が、細菌感染によって炎症を引き起こし、徐々に破壊されていく病気です。

歯が抜ける原因の大半は、歯周病にあるといえます。

歯自体の破折

同発表によると、約18%の人が歯自体の破折が原因で歯を失っています。

破折は歯が折れることを意味し、主な理由として私生活での転倒やスポーツでの接触など、外部からの衝撃が原因とされています。

普段から食いしばりや歯ぎしりが癖になっている人も、歯に負担がかかることである日折れてしまうことがあるため、適切な対応が必要です。

加齢でも歯は劣化するため、定期的に歯医者で口の健康診断を受けるのが理想です。

虫歯の放置

同発表によると、約29%の人が虫歯の放置が原因で歯を失っています。

虫歯とは、口内に常駐している細菌が飲食物に含まれる糖分を分解して酸を出し、徐々に歯を溶かしていく病気です。

歯が抜ける原因の一部には、虫歯も関係しているのです。

入れ歯にならないための予防対策

入れ歯 何歳から

入れ歯にならないためには、普段から予防対策を徹底することが大事です。

ここでは、入れ歯にならないための予防対策について詳しく解説します。

噛み合わせを調整する

歯並びが悪いと、歯にかかる負担も相当なものとなるため、噛み合わせを適切に調整することが求められます。

例えば、一部の歯だけに極端な力が集中しやすくなり、結果的に歯が欠けたりすり減ったりひびが入ったりする他、歯を支える歯茎や骨まで負担がかかり、最終的には健康な歯も抜けやすくなってしまいます。

歯並びなどの噛み合わせの悪さは、口内の健康にも直結するため、早めに治療することを検討しましょう。

間食の回数を抑える

大切な歯を守るために、間食の回数を抑えることも意識しましょう。

一日三食とは別に何度か間食を挟むと、お菓子に含まれる糖分によって歯周病や虫歯になりやすくなります。とりわけ、キャラメルやクッキー、チョコレートなどは大敵です。

間食を完全に禁止する必要はありませんが、1日の量は控えめにするよう意識しましょう。

禁酒や禁煙を意識的に行う

お酒やタバコは歯周病や虫歯のリスクにつながるため、健康な歯を今後も守っていきたいなら禁酒や禁煙を意識的に行うべきです。

いきなりすべてやめようとするとストレスが溜まるため、徐々に本数を抑えることをおすすめします。

歯科医院で定期検診を受ける

健康な歯を守るためには、歯科医院で定期検診を受けるのが望ましいです。

普段から歯磨きを徹底している人でも、本人の癖によってどうしても十分磨けない部分が出てくるため、ブラッシング指導も受けておくことを推奨します。

就寝直前の飲食を避ける

就寝直前の飲食は、歯周病や虫歯の原因となるため、避けることをおすすめします。

夜中に小腹が空いて何か食べたくなった場合でも、過剰な飲食は歯が抜けるリスクにつながりやすくなるため、飲食は日中だけにとどめておきましょう。

ストレスを溜め込まない

ストレスは食いしばりや歯ぎしりの原因となるだけでなく、唾液の減少や免疫力の低下を招きやすく、歯にも悪影響を及ぼします。

過度なストレスは口内炎や歯肉炎などの炎症にもつながるため、普段からストレスを溜め込まないようにするのが理想です。

フッ素を塗布する

フッ素を塗布することで、歯のエナメル質を構成する結晶を強化し、酸によって歯が溶けるのを防ぐサポートが可能です。

歯の再石灰化も促進できるため、結果的に口内の健康維持につながります。

毎日丁寧に歯磨きする

毎日丁寧に歯磨きすることで、歯に付着した汚れを落とし、歯周病や虫歯を防ぐことにつながります。

正しい歯磨きを実践すれば、セルフケアだけでも歯を守ることが期待できます。

よく咀嚼する

よく咀嚼するようにすると、口内に食べかすが残らず、結果的に歯周病や虫歯の原因を阻止することにつながります。

よく噛んで食べることはお腹を満たすだけでなく、歯の健康を守るために大切なことです。

入れ歯になったらどうすべき?

入れ歯 何歳から

ここでは、入れ歯の使用を始めてから日常生活で注意すべき点を解説します。

医師の指示に従う

入れ歯を作成する段階で、医師から日頃の注意点について説明があります。

お手入れの方法なども教えてもらえるため、疑問がある場合は積極的に質問して解決しておくと安心です。

お手入れを欠かさない

入れ歯は、毎日のお手入れが欠かせません。

お手入れをせずに放置すると口臭の原因となるだけでなく、本体の劣化の原因にもなります。入れ歯が原因で口内環境が不健康になることもあるため、お手入れは必須です。

定期的に調節する

入れ歯を毎日使用すると徐々に合わなくなることがあるため、定期的に調節すべきです。

歯科医院に相談すれば必要に応じてメンテナンスしてくれるため、頻繁に合わないと感じるようになったら、一度担当医に相談することをおすすめします。

適切な治療を受ける

歯周病や虫歯によって一度歯が抜けると、入れ歯になってからさらに他の歯が抜けてしまうことがあるため、適切な治療を受けるのが望ましいです。

口内環境は普段の生活習慣によって影響を受けるため、生活指導など、日々のアドバイスも積極的に受けておくことを推奨します。

まとめ

入れ歯は何歳からという決まりはありませんが、早い人だと50代から、遅い人でも70代から必要となる場合があります。

厚生労働省の発表からわかる通り、50代〜70代にかけて歯が抜け、総入れ歯や部分入れ歯になる人が徐々に増加しやすくなるため、年齢を重ねている人ほど口内環境を健康にするという意識が必要です。

なお、千歳烏山やの歯科では患者さまとの対話と説明を重視した治療をご提案しています。

患者さまの数だけ歯の健康状態が変わるからこそ、当院では一人一人とのコミュニケーションを十分に行い、納得していただいたうえで治療を行っています。

自分自身の歯を健康に保つためにはどうすればいいか、一緒に考えていけるアットホームな歯科医院を目指しているため、ぜひ一度ご相談いただけると幸いです。

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