子どもが歯が痛いと言ったらどうする?具体的な原因と家庭でできる応急処置

突然、子どもが「歯が痛い」と訴えてきたとき、どうすればいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
痛みの原因は虫歯だけでなく、歯ぐきの炎症や乳歯の生え変わり、外傷など多岐にわたります。
適切な応急処置や予防策を知っていれば、子どもの不安を和らげ、症状の悪化も防ぐことができます。
この記事では、子どもの歯の痛みの主な原因やご家庭でできる応急処置、予防のポイントから歯科医院の選び方まで詳しく解説します。
子どもが歯が痛いと言うときの原因とは

子どもの歯の痛みは、虫歯だけでなく生え変わり期や歯ぐきの炎症、怪我などさまざまな要素が関係します。まずは原因を知り、適切な対応ができるよう備えておくことが大切です。
ここでは、子どもが歯が痛いときに考えられる主な原因について詳しく解説します。
虫歯による痛み
子どもの歯の痛みの原因で最も多いのは虫歯です。乳歯は永久歯よりもエナメル質や象牙質が薄く、虫歯ができやすく進行も早い特徴があります。
虫歯が進行すると神経まで達し、ズキズキとした強い痛みや歯ぐきの腫れを引き起こします。痛みが出る段階では虫歯がかなり深くなっていることも多いため、早めの歯科受診が重要です。
毎日のていねいな歯磨きと、保護者による仕上げ磨きや定期的な検診を習慣にすることで予防や早期発見につながります。
子どもが歯の痛みを感じたら、早急に歯科に相談しましょう。
歯ぐきの腫れや炎症(歯肉炎)
虫歯がなくても、歯ぐきの腫れや炎症によって痛みを感じることがあります。主な原因は磨き残しやプラークの蓄積による歯肉炎です。
歯ぐきが赤くなったり、腫れて出血しやすくなる場合があります。特に生え変わりの時期や、歯並びの悪い部分は磨き残しができやすく、炎症が起こりやすいのが特徴です。
日頃の正しい歯磨きや仕上げ磨きを心がけることで歯肉炎の予防ができます。痛みや腫れが続く場合は、細菌感染のおそれもあるため早めに歯科医院を受診しましょう。
乳歯の生え変わりによる違和感
子どもの乳歯が抜ける際、永久歯が下から生えてくることで違和感や痛みを訴えることがあります。
この時期は歯ぐきに軽い炎症が起きたり、グラグラする歯が気になってお子さまが不安になることも少なくありません。
無理に歯を抜こうとすると出血や炎症が悪化するおそれがあるため、そのまま自然に抜けるのを待つことが大切です。
生え変わり期による痛みは一時的なことが多いですが、痛みが長引いたり日常生活に支障が出る場合は歯科医に相談して進行を見守りましょう。焦らず対応しましょう。
歯の外傷やぐらつき
子どもは転倒やぶつかったことによって歯を傷つけることがあります。歯がグラグラしたり、欠けたり、ひどい場合は抜け落ちることも珍しくありません。
外傷があった場合、歯や歯ぐきだけでなく、唇や口の中のけがも同時に確認しましょう。ぐらつきだけの場合も油断せず、できるだけ早く歯科受診することが重要です。
すぐに歯科にいけない場合は応急的に冷やして安静にし、叩いたり触ったりしないようにしましょう。折れたり抜けた歯は保存し、歯科医院に持参すると適切な対応が受けられます。
詰め物・被せ物が取れた場合
治療した歯の詰め物や被せ物が取れてしまうと、露出した部分が刺激に敏感になり痛みを訴えることがあります。
放置すると細菌が侵入し新たな虫歯や炎症を招くリスクが高まるだけではなく、取れた部分が食べもののカスで汚れやすくなるため、清潔を保つことが大切です。
詰め物が取れた場合は自宅で無理に戻そうとせず、できるだけ早めに歯科医院で再装着や修復処置を受けましょう。
治療が遅れると悪化するおそれがあるため、速やかな受診が大切です。
歯ぎしりや食いしばりによる痛み
子どもの歯ぎしりや食いしばりは成長の一環ですが、程度がひどい場合には顎や歯に痛みが現れます。歯がすり減って敏感になったり、奥歯や顎の疲労を訴えることも増えます。
習慣的な歯ぎしりにはストレスや睡眠の質、噛み合わせの問題などが関与する場合もあるため、歯科では必要に応じてマウスピースなどの予防策が提示されることもあります。
家族の観察と早めの歯科相談が安心につながります。
副鼻腔炎など、歯以外の病気による関連痛
歯自体に問題がないのに痛みを訴えることもあります。
例えば、副鼻腔炎や風邪、アレルギーなどの体調不良が原因となる場合です。特に上の奥歯は副鼻腔に近いため、鼻詰まりや頭痛をともなう症状とともに歯が痛くなることがあります。
他に体調不良がある場合は、耳鼻科の受診や総合的な診断も視野に入れましょう。
歯と関係なさそうな症状でも、自己判断せず歯科や専門医に相談して原因を明確にすることが大切です。
家庭でできる応急処置と痛みの和らげ方

歯科医院にすぐ行けない場合、正しい対応を知って実践することで子どもの不安や痛みをやわらげることができます。
ここでは、家庭で実践しやすい応急処置の方法について詳しく解説します。
うがいや冷やすことで痛みを緩和する
家庭でまずできるのは、口腔内を清潔に保ちつつ患部を冷やすことです。
優しくうがいをして食べかすや細菌を洗い流すことで、炎症を抑える効果も期待できます。歯ぐきや頬の外側を濡れタオルや保冷剤で冷やすと痛みや腫れの緩和につながります。
ただし、冷やしすぎや氷を直接当てることは避けましょう。また、強くうがいをしたりゴシゴシ磨くと悪化する場合があるため、やさしいケアを心がけてください。
症状が続く場合は早めに歯科へ相談するのが安心です。
市販の鎮痛薬の使用
歯の痛みが強いときは、応急的に小児用の市販鎮痛薬を使うのも一つの方法です。パッケージや説明書をよく読み、必ず年齢や体重に合った用量を守って使用しましょう。
また、子どもには大人用の薬は使ってはいけません。持病やアレルギーがある場合は、使用前に医師や薬剤師に問い合わせるのが安全です。
鎮痛薬は一時的に痛みを抑える処置なので、根本的な解決にはなりません。薬を使った場合でも、できるだけ早めに歯科受診を心がけてください。
痛い側では噛ませない・刺激を避ける
歯が痛いときは無理に痛い側で食事をさせると悪化することもあります。
できるだけ反対側でやわらかい食事をするようにし、口の中への刺激を減らすことが大切です。熱い・冷たい・甘いなど刺激の強い食べものや飲み物は避け、患部を安静に保ちます。
歯磨きも無理に強くせず軽めに済ませることが望ましいです。
痛みが和らぐまで炎症を悪化させる行動は控え、早めに専門医に相談することをおすすめします。
間違った処置で悪化しないために注意すべきこと
応急処置を間違えると、かえって症状がひどくなることがあります。
例えば、歯に温めたものや冷たすぎるものを直接当てたり、歯の穴に市販薬や異物を詰める、刺激の強いうがい薬を使用するなどは避けましょう。
また、家庭にある接着剤で詰め物を戻したり、無理に歯を引っ張ると危険です。
応急的なケアの後は痛みがなくなっても放置せず、必ず早めに歯科医院を受診してください。
子どもの歯の痛みを予防するためにできること

歯磨きや食生活、定期受診など日常的なケアを徹底することが、お子さまの歯の健康を守るカギとなります。
ここでは、子どもの歯の痛みを未然に防ぐ具体的な方法について詳しく解説します。
正しい歯みがき習慣を身につける
子どもの歯を守るために毎日の歯磨き習慣はとても重要です。特に仕上げ磨きは保護者の協力で磨き残しの部分まできちんとケアできるため、積極的に取り組みましょう。
歯と歯の間や奥歯は汚れがたまりやすいため、年齢や成長に合った歯ブラシやフロス、ガーゼの使用も有効です。丁寧な習慣づけは、将来の虫歯リスク低減に直結します。
また、毎日決まったタイミングで歯を磨くことでお子さま自身も自然と正しい磨き方を身につけられるようになります。
フッ素塗布やシーラントで虫歯予防を
歯科医院で行うフッ素塗布やシーラントは、虫歯予防に特に効果的です。
フッ素は歯質を強くし、虫歯菌による酸で溶けにくくなるメリットがあります。
シーラントは奥歯の溝を樹脂で覆い、食べかすが入る隙間を防いでくれるため、乳歯や生えたての永久歯におすすめです。
これらの処置は痛みがなく短時間で済むため、かかりつけの歯科で予防処について相談し、定期的にチェックを続けることが大切です。
定期検診で早期発見・早期対応を
数か月ごとの定期検診を受けることで、虫歯や歯ぐきのトラブルを初期段階で発見できます。
プロによるクリーニングやフッ素塗布、食生活や歯磨き指導も受けられるため、家庭では気づきにくいリスクにも迅速に対応できます。
また、歯並びや噛み合わせの問題も早いうちから相談できるのもメリットです。
異変を感じなくても定期的な受診でお口の健康を守る意識を持ちましょう。予防中心のケアが将来の負担軽減につながります。
おやつの取り方・食生活を見直す
食生活も歯の健康に大きく関わります。おやつのだらだら食べや糖質の多いお菓子やジュースの摂取は虫歯のリスクを高めます。
できるだけおやつの時間と量を決めてメリハリをつけ、甘いものは控えめにすることが大切です。
また、カルシウムやビタミンDなど、歯や骨の発達を助ける栄養素も意識して取り入れましょう。
ご家族みんなで食生活を見直し、規則正しい食習慣を心がけて虫歯予防に役立ててください。
まとめ
子どもが「歯が痛い」と訴えたときは、まず冷静に原因を探ることが大切です。
虫歯だけでなく、歯ぐきの炎症や生え変わり、外傷、さらには体調不良が影響する場合もあります。
応急処置としては、うがいや冷却、市販の鎮痛薬の適切な使用が効果的ですが、根本的な解決のためには歯科医院での診察が欠かせません。
日頃から正しい歯みがき習慣や定期検診、バランスの取れた食生活を心がけることで、痛みの予防にもつながります。
千歳烏山やの歯科は小児歯科に力を入れ、子どもが安心して通える診療体制を整えています。
痛みの少ない治療や予防処置はもちろん、保護者との丁寧なコミュニケーションを重視しており、初めての歯科通院でも安心です。
お子さまが歯が痛いと言っていたら、ぜひお気軽にご相談ください。