親知らずは4本同時に抜歯できる?メリット・デメリットや注意点を詳しく解説!

親知らず 4本 抜歯

「親知らずは4本同時に抜歯できる?」「どんなメリットやリスクがある?」といった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

親知らずは最大で4本生えているため、1本ごとに抜歯するよりも4本同時に抜歯した方が、通院や治療の負担を一度で済ませることができます。

ただし、持病がある方や親知らずが神経に近い場合はリスクも高まるため、専門の歯科医師による事前の精密検査と十分な相談が欠かせません。

この記事では、親知らずを4本同時に抜歯できるケースと難しいケース、4本同時に抜歯するメリットとデメリットについて詳しく紹介します。

親知らずを4本同時に抜歯することは可能?

親知らず 4本 抜歯

親知らずは4本同時に抜歯できますが、すべての方ができるわけではありません。ここでは、同時に抜歯できるケースとできないケースについて詳しく解説します。

4本同時に抜歯できるケース

親知らずを4本同時に抜歯できるのは、いくつかの条件が揃っている場合に限られます。主な条件は以下の通りです。

  • 4本とも比較的まっすぐ生えている
  • 歯の位置や形が複雑ではなく抜歯がしやすい
  • 神経や血管に近接していない
  • 全身の健康状態が良好
  • 手術に耐えられる体力がある
  • 血液検査やレントゲンに異常がない

大前提として挙げられる条件が、親知らずすべてが真っ直ぐ生えている、もしくは比較的抜歯がしやすい位置に並んでいることです

また、全身の健康状態が安定していることも条件で、高血圧や糖尿病などの慢性疾患がなく、手術による体力消耗に耐えられるかどうかもチェックされます。

血液検査やレントゲン撮影の結果に問題がなければ、入院設備のある大きな歯科医院や大学病院で、全身麻酔や静脈内鎮静法を利用した同時抜歯が選択肢となります。

このように、歯の生え方や全身の健康状態、医療機関の設備など、いくつもの条件が揃ってはじめて親知らずは4本同時に抜歯することが可能になります。

親知らずの4本同時抜歯を検討する際は、担当医としっかり相談することが重要です。

4本同時の抜歯が難しいケース

親知らず4本を同時に抜歯するのが難しいケースも少なくありません。主な理由としては以下が挙げられます。

  • 複雑な生え方(横向き、斜め、埋伏など)をしている
  • 歯が神経や血管に近い
  • 持病(高血圧、糖尿病、心臓病など)がある
  • 高齢で体力や回復力が低い
  • 歯科医院の設備や人員体制が十分でない
  • 歯科医師が1本ずつの段階的な抜歯を推奨している

親知らずが複雑な生え方をしていたり、神経や血管に近い位置にある場合は、1本ごとに丁寧な処置が必要です

また、持病を持っている方や高齢の方、心臓や腎臓などに基礎疾患がある方は、体力的な負担が大きいため、1本ずつ安全に抜歯する方針を推奨されます。

親知らずは無理をして一気に抜くよりも、自分の健康とライフスタイルを守るために、最適な抜歯スケジュールを選ぶことが重要です。

親知らずを4本同時に抜歯するメリット

親知らず 4本 抜歯

親知らずの4本同時抜歯は、適切な条件が整えば一度で治療や通院が完了するなど、多くのメリットがあります。ここでは、主なメリットについて詳しく解説します。

通院回数と治療期間の短縮

親知らずを4本同時に抜歯することで、通院回数と治療期間を大幅に短縮できます。

1本ずつ抜歯する場合は通院や術後の経過観察を複数回に分けて行うため、学校や仕事、プライベートのスケジュールに大きな影響が出てしまいます。

一方、4本同時抜歯を選択すれば手術や術後の処置をすべて一度に済ませることができ、治療全体にかかる期間を短縮できます

特に忙しい方や、遠方から通院する方にとっては、通院回数を最低限に抑えられる点は大きなメリットといえるでしょう。

回復期間をまとめられる

親知らずの4本同時抜歯は、術後の回復期間を一度にまとめられる点もメリットです。

一般的に抜歯後は、腫れや痛み、食事制限などが数日~1週間ほど続きますが、1本ずつ抜いた場合はこの回復期間が回数分かかることになります。

しかし、4本を同時に抜歯することで、1回の回復期間ですべて終えることができ、食事や生活の制限を最小限に抑えることが可能です。

腫れや痛みは強く出る場合もありますが、何度も繰り返し不快な症状に悩むより、一度で乗り越えた方が精神的な負担も軽減できます。

治療費用を削減できる

親知らずの4本同時抜歯によって、トータルの治療費用を抑えられる場合があります。

1本ずつ抜歯を受ける場合は、各回ごとに診察料、レントゲンや投薬、術後処置や再診費用が発生するため、トータルで見ると割高になります

しかし、4本同時に抜歯すると、手術費用や入院費、麻酔代などを一括で支払うケースが多いため、必要以上の重複請求を防ぐことができます。

保険適用の有無や料金体系によって異なる部分はありますが、通院回数が減ることで交通費や時間的コストも含め、経済的な負担を軽減できるのがポイントです。

精神的なストレスを繰り返さずに済む

親知らずを4本同時に抜歯すれば、治療に対する精神的ストレスを繰り返さずに済みます。

抜歯は誰にとっても不安や怖さが伴う処置ですが、それを何度も経験するのは大きな負担になります。

1本ずつ抜歯する場合は、その都度治療日が近づくたびに緊張や不安を感じ、生活のリズムが乱れる原因にもなりかねません。

しかし、4本を同時に抜歯すれば精神的なストレスや不安は1回で済み、その後は治癒と共に気持ちも回復に向かいます

痛みや腫れなど術後のつらさも「今だけ」と割り切って乗り越えやすく、将来への不安を早期に解消できる点もメリットです。

親知らずを4本同時に抜歯するデメリット

親知らず 4本 抜歯

親知らずを4本同時に抜歯する方法は効率的ですが、少なくないデメリットも伴います。ここでは、主なデメリットについて詳しく解説します。

術後の痛みと腫れが強くなる可能性がある

親知らずを4本同時に抜歯すると、1本だけの抜歯に比べて術後の痛みや腫れが強くなる傾向があります。

これは、複数の傷口が同時にできて炎症反応が大きくなるためで、治療後しばらくは強い痛みや顔全体の腫れを感じ、数日間寝込むことも考えられます。

飲食や会話が通常通りに行えない場合もあるため、事前に鎮痛薬や消炎薬などの対処法を確認し、安静に過ごせる環境を整えておきましょう。

歯科医師の指示に従い、無理をせずに十分な休養を取ることが重要です。

施術時間が長くなる

親知らずの4本同時抜歯は、1本ごとの抜歯よりも施術時間が長くなります。

単純な抜歯であれば短時間で終わる場合もありますが、4本同時に抜くと麻酔を施す範囲も広がり、個々の歯の状態によっては予想より時間がかかることも珍しくありません

また、長時間にわたり口を開け続けること自体が負担になり、麻酔や薬剤の使用量も増える可能性が高いため、持病がある方や体力に不安がある方は注意が必要です。

歯科医師と打ち合わせをし、身体や体調に合わせて無理のない治療計画を立てましょう。

食事や日常生活への影響が大きくなる

親知らずを4本同時に抜歯すると、口の中に複数の傷ができるため、食事や日常生活に大きな制限がかかります。

一時的に硬い物や熱い物が食べにくくなり、強い腫れや痛みにより話しづらくなったり、口が開きにくくなることもあります。

仕事や学校への復帰を急ぐ場合、当初は思うようにならないことが多いため、あらかじめ回復までの見込み期間を考えて予定を調整することが重要です

また、口腔ケアも難しく感染やドライソケットのリスクが上昇するため、抜歯後の生活について事前にしっかり準備をして、歯科医師の指導通りケアを行いましょう。

回復期間を長めに確保する必要がある

親知らず4本同時抜歯は、一度に大きな外科的処置を受けるため、回復に必要な期間も長引く傾向があります。

1本だけであれば数日から1週間程度で日常生活に復帰できる場合が多いですが、4本同時の場合は腫れや出血なども多く、安静に過ごす期間を長く確保しなければなりません

特に、体調や免疫力が落ちていると合併症リスクも高まるため、十分な休養を取り、必要があれば医療機関での経過観察も行いましょう。

回復期間中に大切な予定を入れないなど、スケジュール管理が非常に重要です。

親知らずを4本同時に抜歯する際の治療費

親知らず 4本 抜歯

親知らずの4本同時抜歯を検討する際、費用面は多くの方が気になるポイントです。ここでは、治療費の目安や医療費控除について詳しく解説します。

治療費の目安

親知らずを4本同時に抜歯する際の治療費の目安は以下の通りです。

  • 4本同時抜歯の治療費(保険適用時):8,000~20,000円
  • 入院や全身麻酔を伴う場合:50,000~100,000円

親知らずの抜歯は基本的に保険診療の対象ですが、治療費は抜歯の難易度やクリニックの料金設定によって大きく異なります

また、静脈内鎮静法や全身麻酔での抜歯は自由診療となり、費用が高額になりがちです。総額で10万円程度になることもあるため、事前に見積もりを貰いましょう。

治療費が高くなるケース

親知らず4本同時抜歯の治療費が高額になる理由はいくつかあります。以下は、主な高額になるケース例です。

  • 親知らずが横向きや斜めに生えている
  • 神経や血管に非常に近い位置に生えている
  • 特殊な麻酔(全身麻酔・静脈鎮静法)を利用する
  • 日帰りではなく入院が必要になる
  • 保険適用にならない場合
  • 抜歯以外に虫歯や歯周病など他の治療も必要

親知らずの生え方が複雑で神経や血管に近い場合、特殊な処置や追加の手術が必要になり、費用が上がる傾向があります。

さらに、全身麻酔や静脈内鎮静が必要な場合や、入院が必要となる際は、麻酔管理料や入院費用が加算されます

また、自由診療を選択した場合は、保険が効かない範囲の治療費がすべて自己負担となり、費用が跳ね上がることも考えられます。

事前に自身の症例や治療計画を確認し、必要な治療費はしっかり把握しておきましょう。

医療費控除について

親知らず4本同時抜歯で発生する費用は、条件を満たすと医療費控除の対象となります。

医療費控除とは、1年間に自己や家族が支払った医療費が10万円(もしくは総所得の5%)を超えた場合、確定申告によって所得税の一部が還付される制度です。

抜歯治療にかかった診察料や手術費、入院費、処方薬代だけでなく、通院のための交通費も含まれるため、家計負担の軽減につながります。

医療費控除を受けるためには、領収書やレシート、交通費の記録などの書類を必ず保管しておく必要があるため注意が必要です。

特に4本同時抜歯のような高額治療の場合は、医療費控除による還付額も大きくなるため、毎年の確定申告を忘れずに行いましょう。

まとめ

親知らず4本の同時抜歯には、通院回数や治療期間の短縮、費用削減や精神的ストレスの軽減といったメリットがあります。

一方で、術後の痛みや腫れの強さ、日常生活への影響が大きいなどのデメリットも存在するため、事前の把握が非常に重要です。

4本同時の抜歯が難しいケースや治療費が高くなるケースもあるため、自身の健康状態やライフスタイル、親知らずの生え方に応じて最善の選択を選びましょう。

親知らずの抜歯を検討している方は、ぜひ千歳烏山やの歯科にご相談ください。

アットホームな歯科医院を目指し、「なるべく削らない、抜かない、痛みの少ない治療」を心がけております。些細なことでも、お気軽にご相談ください。

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