セラミックの歯が欠けた・割れた!修理費用・応急処置・放置リスクを徹底解説

セラミックの歯が欠けたり割れたりしたとき、「どのように対処すればよいのか」「安全性や費用が気になる」といった不安を感じる方が多いです。
セラミック治療は見た目が自然で機能性も高い一方、強い衝撃や噛み合わせの異常、無意識の習慣などによって破損するケースも珍しくありません。
しかし、専門的な知識や正しい応急処置、信頼できる歯科医院での早期治療を選べば、被害を最小限に抑えて長期的に使い続けられます。
この記事では、セラミック歯が欠けたり割れたりした場合のリスクや応急処置、費用の相場に至るまで解説します。
欠けた・割れたセラミックの歯は安全?そのまま使い続けていい?

セラミックの歯が欠けたり割れたりした場合、そのまま放置すると、さまざまなリスクが発生します。
放置による主なリスクは、以下の通りです。
- 欠けた部分から細菌が侵入し、虫歯や歯周病が進行する恐れがある
- 象牙質が露出することで、知覚過敏やしみが起きやすい
- 欠けた縁が鋭利になり、舌や頬の粘膜を傷つける可能性がある
- 噛み合わせのバランスが崩れ、顎や周囲の歯に負担がかかる
- 治療まで放置すると、最悪の場合抜歯が必要となるケースもある
欠けたり割れたりすることで噛み合わせが悪化すると、周囲の歯や顎への負担が大きくなり、歯がすり減ったり、全身の健康に影響を与えたりする場合もあります。
放置期間が長いほど、被害は拡大しやすくなります。特に神経がない歯の場合、痛みを感じにくいため異常に気付かず症状が悪化することもあります。
最悪の場合には抜歯に至り、追加の治療や費用が必要になるリスクも否定できません。
このような健康被害を防ぐためには、セラミックの歯が欠けたり割れたりした時点で、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
セラミックの歯が欠けた・割れたときにやるべき応急処置

セラミックの歯が欠けたり割れたりした際、適切な応急処置を行うことで、その後の治療をスムーズに進めやすくなります。
ここでは、破片の保管ポイントや絶対に避けるべき自己処置、適切なケア方法について解説します。
破片の正しい保管方法と注意点
セラミックの歯が欠けたり割れたりした際、まず優先すべきは破片の誤飲を防ぐことです。
破片をうっかり飲み込んでしまうと、消化器官を傷つける危険があるため、口の中に残った破片を見つけたら、慌てずゆっくり取り出しましょう。
取り出した破片は、すぐに流水で軽く洗い、清潔なティッシュやガーゼで包みます。
そのまま紛失しないよう、密閉できる小さなプラスチック容器やジッパーバッグなどに入れて保管してください。
破片が小さい場合でも、治療時の判断材料となるため必ず歯科医院に持参しましょう。
破片の保管で注意するポイントは下記の通りです。
- カビや細菌の繁殖を防ぐため、なるべく乾燥した状態を保つ
- 誤って破片を捨てたりなくしたりしないように、他のものと分けて密閉保管する
- 歯科医院を受診するまでむやみに破片を触らない
正しく保管しておけば、修復の選択肢が広がる場合もあります。
自分でやってはいけない対処法
セラミックの歯が欠けたり割れたりした際に、安易に自分で修理しようとする行為は非常に危険です。
特に、市販の接着剤や瞬間接着剤などを用いて歯に直接破片をつけるのは、絶対に避けなければいけません。
市販の接着剤には有害な成分が含まれている場合があり、口腔内の粘膜や歯の組織を傷めてしまう恐れがあります。
また、自己接着した場合、歯科医院での再治療が難しくなり、場合によってはセラミックを新たに作り直す必要が生じる場合もあります。
さらに、破片を元の場所に力ずくで押し込む、舌や指で割れた部分を過剰に触るのも良くありません。
こうした行為は残っている歯や粘膜を傷つけたり、傷口を広げてしまうリスクを高めます。
『自分で元に戻す』『接着する』といった自己判断での対処は避け、必ず専門の歯科医院でしっかり治療を受けましょう。
応急処置後に避けるべき食べ物や行動
セラミックの歯が欠けたり割れたあとは、患部が刺激に弱く、外部からの衝撃や細菌感染につながるリスクが高くなっています。
治療までの間は、普段以上に口腔内の清潔を保ちつつ、以下のような食べ物や行動を避けることが大切です。
- 硬い食べ物(ナッツ類、硬いせんべい、氷、フランスパンなど)
- 粘着性の強い食べ物(ガム、キャラメル、グミ、餅など)
- 刺激の強い食品(熱すぎる飲み物や冷たすぎる飲み物、辛い料理など)
また、割れた歯で噛むことはできるだけ控え、食事の際は反対側の歯を使うよう意識しましょう。
飲酒や熱い飲み物も歯へのダメージや知覚過敏を促進するため控えめにします。
食後はやわらかい歯ブラシで優しくブラッシングし、抗菌作用のあるうがい薬を使うとさらに感染リスクを下げられます。
セラミックの歯が欠けたり割れたりする主な原因

セラミックの歯が欠けたり割れたりする背景には、日常生活で見落としがちな複数の原因が考えられます。
ここでは主な原因と予防策を解説します。
強い衝撃や事故による破損リスク
セラミックの歯が欠けたり割れたりする原因として、多いのが強い衝撃や事故によるものです。
特に、転倒やスポーツなどによる顔面への衝撃はセラミックの歯や詰め物に大きなダメージを与えます。
主な破損リスク例は以下の通りです。
- スポーツ中や転倒による顔や口への衝撃
- 予期せぬ硬い異物(骨や砂利など)の咀嚼
- 硬い食べ物を無理に噛んだときの歯への圧力
これらのリスクを減らすためには、顔への衝撃を受けにくいスポーツではマウスガードなどを活用し、食事の際は食材の状態や異物混入に注意を払うことが重要です。
噛み合わせや歯ぎしりが与える影響
セラミックは金属修復物と比べ、硬度が高い一方で瞬間的な強い圧力には弱いです。
そのため、噛み合わせが悪い場合や歯ぎしり・食いしばりといった無意識の癖があると、部分的に過度な力が加わり、ひび割れや欠けが発生しやすくなります。
特に、睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりは自覚が少ないため、気づかないうちにセラミックの歯に負担が蓄積されている場合があります。
主な影響と予防策は次の通りです。
- 睡眠中の歯ぎしり・食いしばりによる継続的なダメージ
- 噛み合わせのズレによる一部への過度な圧力
- ナイトガード(マウスピース)の活用や噛み合わせ調整による負担軽減
日々の意識改善と定期的な歯科検診が、トラブル予防につながります。
セラミックの歯を修理・交換する場合の治療法と流れ

セラミックの歯が欠けたり割れたりした場合、症状や破損の程度によって最適な治療方法が異なります。
ここでは、部分修復と再作成の判断ポイントや、治療までの具体的な流れについて解説します。
部分修復ができるケースとできないケース
セラミックの歯が欠けたり割れたりした場合、必ずしも全てのケースで大がかりな治療が必要になるとは限りません。
破損がごく一部で、かつ本体部分の土台や支えとなる歯がしっかり残っている状況であれば、レジンなどを用いた部分修復が選択できる場合があります。
しかし、ヒビが広範囲に入ったケースや、破片が大きく失われてしまった場合、土台や接着面に損傷が認められる場合には部分修復はできず、セラミック自体の再作成・再装着が必要です。
部分修復が可能なケースと、再作成や全体のやり直しが必要なケースは以下の通りです。
部分修復が可能なケース | 再作成や全体のやり直しが必要なケース |
欠けた部分がごく小さく、見た目や機能に大きな影響が出ていない場合破損部周辺に虫歯や二次的なダメージが及んでいない場合土台となる歯や補綴物の固定部分がしっかりしている場合 | 割れが広範囲に及び、修復で強度や審美性が保証できない場合既存の接着剤の劣化や、歯の土台部分にトラブルがある場合見た目・噛み合わせに大きな不具合を生じている場合 |
歯科医院ではレントゲンや目視チェックをもとに、部分補修が可能かどうか専門的に判断します。自己判断せず、まずは歯科医師に相談しましょう。
再接着・再作成の具体的な手順
破損したセラミックの歯を元通りにするための方法は、破片や歯の状態によって異なります。
状態が良好なら、破片の再接着による修復が可能ですが、多くの場合は新たなセラミックの作製・交換が必要です。
セラミックの再作成時の一般的な流れは以下の通りです。
- 初診・カウンセリングで破損の程度や原因を診断
- 必要に応じて古いセラミックや土台の処置・型取りを実施
- 歯並びや噛み合わせ、色調に合わせて新しいセラミックを歯科技工所で作製
- 完成後に試着・微調整し、問題がなければ専用セメントでしっかり固定
複数回の来院が必要になる場合もありますが、見た目と機能性の両立を目指して慎重に治療が進められます。
適切な治療を選ぶと、再発リスクの低減と快適な口腔環境の維持につながります。
修理や再作成にかかる費用の目安と内訳

セラミックの歯は素材ごとに金額が異なるほか、保証制度の有無や追加処置の必要性によっても総額が変動します。
ここでは、代表的な素材ごとの相場や追加費用が発生するケース、後悔しない歯科医院選びのポイントについて解説します。
セラミック素材ごとの相場一覧
セラミックの歯の修理や再作成には選ぶ素材によって大きく金額が異なります。
セラミック治療に対する2〜5年の保証制度や条件付き保証を導入している歯科医院も多いため、期間内であれば無料もしくは一部負担で治療できる場合もあります。
以下は再作成にかかる費用の相場です。
素材 | 詰め物 | 被せ物 |
オールセラミック | 6万~8万円 | 8万~22万円 |
ジルコニア | 4万~7万円 | 10万~20万円 |
メタルボンド | ー | 7万~20万円 |
品質や審美性、素材のメリット・デメリットを理解したうえで、自分に合った治療を選ぶことが重要です。
追加費用が発生するケース
セラミックの歯の修理・再作成では、基本の治療費用以外にも追加費用が発生する場合があります。
追加費用が考えられる主なケースは下記の通りです。
- 土台(コア)の再作成や補強治療
- 仮歯や型取り、色合わせのための費用
- 虫歯・歯周病治療や根管治療の追加
- 緊急対応や特殊な材料の使用
見積もりの際は、表示された費用以外に追加が発生しないか事前に確認しておきましょう。
安さ重視の落とし穴と信頼できる歯科医院の選び方
費用面を重視して歯科医院を選ぶ方は多いですが、安さだけを基準にすると長期的なトラブルにつながるリスクが高まります。
格安治療では素材や仕上がりに妥協が生じたり、十分なカウンセリングやメンテナンスが提供されなかったりする可能性もあり、早期の再治療やトラブル発生で、かえって総費用がかさむ場合もあります。
信頼できる歯科医院を選ぶポイントは以下の通りです。
- 十分な説明・カウンセリングを実施してくれる
- 保証期間やアフターケアが整っている
- 治療例や症例写真、口コミ評価を公開している
- 素材や作製工程に透明性があり、疑問や質問にも丁寧に対応してくれる
適正な価格と信頼できる技術・体制を重視すれば、安心して質の高い治療を受けられます。納得できるまで説明を受け、不明点は必ず確認しておきましょう。
まとめ
セラミックの歯が欠けたり割れたりするトラブルは、誰にでも起こり得ます。
放置すると、虫歯や歯周病、噛み合わせの悪化など、さまざまなリスクが生じるため、些細な破損でも油断は禁物です。
信頼できる歯科医院を見つけ、適切な診断と治療を受けると、セラミックの歯を長く使い続けられます。
千歳烏山やの歯科では、お一人おひとりの状況やご要望に合わせ、丁寧なカウンセリングと精密な診断を徹底しています。
痛みの少ない治療とアフターフォローにも力を入れ、安心して長く通える環境を整えています。セラミックの歯のトラブルでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。